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厳冬期の北海道最高峰登頂に成功!絶景の旭岳を滑る

3回目の厳冬期旭岳バックカントリーは全ての条件がそろった


大雪山の山々を滑りまくる5日間の山行初日。大雪山に「ようこそ!」と歓迎されるが如く、全てのコンディションが揃い北海道最高峰の旭岳を厳冬期に登頂!ツアーの幕開けにふさわしい山行となりました。

山行前日、東川町のロッジで山の会の仲間たちと翌日の行き先を話し合う。
9日朝から東川入りしていた私から、今日は朝からこのエリアらしいドライパウダーがしんしんと降ったこと、その日は旭岳ロープウェイが風で動かず人が入っていないこと、10日の天気は快晴でほぼ無風であること、そして平日であることを踏まえ、旭岳登頂&超パウダー滑走チャンスと提案。満場一致で翌日は旭岳に向かうことになりました。

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雲ひとつない空、旭岳に向かう車中からの眺め


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山麓駅到着時の外気温はー16度。山頂は一体何度!?

朝一番9時発のロープウェイに乗り込み姿見駅へ。目の前には旭岳、眼下には極上のパウダー、ロープウェイの中から期待が高まります。姿見駅から早速シールを貼り山頂に向かって登行開始。少し待って前を行くパーティのトレースを上手く利用して登ります。山頂を向かうのに絶好のコンディション、多くのパーティが向かう先は同じです。

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旭岳登行中の絶景。大雪山国立公園、十勝連邦を望む。まさにカムイ・ミンタラ(神々の遊ぶ庭)

地獄谷からの噴煙を左手に尾根を進みます。流石に地獄谷の脇を通るので硫黄の匂いが強くなってきました。右手に目をやるとは大雪山国立公園とその山々が一望。「カムイ・ミンタラ」で遊ばせていただいていることに感謝しながら、また無事に登頂できるよう山の神様にお祈りしながら進みます。風があまりなかったおかげでなんとか上に進めましたが、標高を上げていくと寒さが身に堪えます。1850mを過ぎたあたりから斜面がアイス気味になりスキーにクランポンを装着。そこからは慎重に進んでいきます。気温低いせいか水はまったく欲しない、しかし体温維持で体力の消耗が激しく行動食をこまめに摂取。あまりの寒さで行動食のたまごサンドがみるみるシャリシャリに、それを温かいお茶で素早く流し込んですぐに行動。止まると寒さが一気に体を襲います。

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山頂手前、アイズバーンを慎重に登る仲間たち
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旭岳山頂近影

登り開始から約3時間、12時25分に旭岳山頂に到着!北海道のど真ん中、最高峰の旭岳山頂から望む大パノラマは、北海道中が見渡せるくらい雄大な絶景。この景色は山頂にたどり着いた者のみに与えられたご褒美。しばしその景色を堪能しつつ、さて本日のメインイベントの大滑走、どこを狙うかをみんなで協議。せっかく登頂し天候も恵まれているので、目指すは北斜面でしょ!というわけで、滑走準備を整えて北面へ向かうことに。

標高2290m 旭岳山頂

旭岳の北斜面を大滑走!


山頂からの50mほどはトゲのたったアイスバーン。なんとかエッジがかかり慎重に落とす。所々、前日降った雪がうっすら乗ったところで切り返し。かなり緊張感のある滑走です。アイスバーンの斜面がすぎると今度はこのエリアでしかなかなか味わえない全く走らないパウダースノーの面に。−18度以下では雪の結晶が尖ってしまい滑らない、というのは東川町に暮らす知人から聞いていましたが、これがその雪。初めての体験にちょっと感動しつつも慎重にターンを進めると、急に「ふわっ」とした、あのパウダーならではの感覚が足裏から伝わりました。そこからは、目の前に広がる真っ白な世界、誰も入っていない斜面を裾合平へ向け思いっきり滑り込む!言葉では表現できない感動的な滑走となりました。

旭岳山頂より北面へ滑りこむ! 私たちだけのシュプールを刻みます
旭岳北面滑走後、ご満悦の筆者。この時の滑走はアドレナリンが放出しまくりでヤバかった!

2290mの山頂から1850mまでの高低差440mを一気に滑り、あとはトラバースで姿見駅方向に、山を囲むように北西面側を進みます。旭岳の北斜面側はここに足を踏み入れないと周りからは拝めない景色。とにかく何もかもが大きくて雄大。そんな景色を味わいながらのトラバースも悪くない。徐々に標高下げて滑るよりも、思いっきり滑り込んで正解でした。

姿見駅から下は旭岳ロープウェイスキー場を滑り、ところどころサイドのツリーランを楽しみ下山。1日快晴にもかかわらず午後になっても超軽パウダーはご健在、旭岳ならではのふわふわ粉雪を味わい尽くして山行終了。来シーズンも必ずくるぞ!と心に誓って旭岳に感謝の一礼。大大大満足の1日となりました。


山行情報-ルートMap(gpxファイル)DL-

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