総合商社 と 自己分析
UCLA JSA Career Teamのnoteをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
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みなさんこんにちは!UCLA JSA Career Team の Yuwen です!
今回は総合商社について、簡単な説明と対策をご説明したいと思います。
また、説明するにあたって、UCLA JSA Careerイベントで使用したSlidesを併せて解説していきます!
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本記事にて説明する内容は、すべて筆者の個人的意見・感想であり、内容を保証するものではありません。予めご了承ください。
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1. 総合商社とは
まず、就活を始めたての人で「総合商社ってどんな仕事をしているの?」と思う人は少なくはないでしょう。実際、筆者も最初は総合商社の仕事内容について、上手く理解できていませんでした。
なぜなら、総合商社は幅広い商材を扱い、世界各地とビジネスをしているので、総合商社の全ての仕事内容を網羅することは、そもそもとても難しいのです。
なので、今回の記事では、筆者が総合商社の現在の仕事内容をザックリ説明したいと思います!
まず、総合商社は2つの事業をおこなっています。
▷ 1つ目は、「トレーディング」です。
トレーディングとは、モノ(商材)を売買することによって得られた差額と手数料で利益を得ることです。
具体的に、総合商社は資源(石油や天然ガス、など)を日本に持ってきています。日本では資源を生産することが難しい地理的状況にあるので、総合商社が世界各地でビジネスをおこない、日本に資源を輸入しています。
▷ 2つ目は、「事業投資」です。
事業投資とは、事業をおこなう会社に投資をして、そこで上昇した会社の価値を利益に換算するというものです。
少し難しいので、もうすこし噛み砕いて説明しますね。
総合商社は色んな会社に投資をしています。例えば、伊藤忠商事という総合商社はファミリーマートというコンビニエンスストア事業をおこなう会社に投資をしています。そのファミマが事業で大成功した場合、ファミマの企業価値が上昇します。すると、そのファミマに投資をした伊藤忠は利益を得られるのです(これをキャピタルゲインと言います)。
また、ファミマは仕入れた商品を消費者に販売する toC に近い事業をおこなっています(サプライチェーンの川下領域とも言います)。このファミマに食品や消費財を卸している企業に対しても、伊藤忠は投資をしていたりします。つまり、モノの流れ(サプライチェーン)に様々な投資をして、事業同士にシナジーを生むような投資を行っています。
さらに、その事業会社の経営に携わることも総合商社の仕事です。投資先に出向して、一緒にお仕事をする社員がいることも、総合商社の事業投資ビジネスの一環です。
つまり、総合商社は、モノの売買で利益を生む「トレーディング」と事業会社に投資をする「事業投資」という、2つのビジネスをおこなっています。
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2. 日本の総合商社
では、日本ではどのような総合商社があるのでしょうか。
今回は、大手総合商社7社をご紹介します。
まず、財閥系商社と呼ばれる会社が3つあります。三菱商事、三井物産、そして住友商事です。
その財閥系3社に、伊藤忠商事と丸紅を加えた5社は、5大商社と呼ばれています。
さらにその5大商社に、双日と豊田通商を加えた7社を、7大商社と呼ぶ人もいます。
この名称が実際のビジネスにどう影響するかは定かではありませんが、就活において、それぞれの歴史や業界のポジションを理解しておくのは重要かもしれませんね。
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3.総合商社で働くとは
総合商社でキャリアを歩むことについて、筆者が思うメリットとデメリットについて、簡単にご説明したいと思います。
▷ [メリット]
まず総合商社で働く魅力について、一番に言えることは総合商社ビジネスのグローバル性でしょう。世界各地の様々な人・場所とビジネスをおこなう総合商社は、その各地に拠点と取引先企業があります。なので、総合商社の社員は頻繁に海外出張や海外駐在をおこないます。
また、総合商社のビジネスは日本や世界の国を支えている事業をおこなっているため、社会貢献性が強いビジネスの一つと言えます。先述した日本への資源輸入や、発展途上国でのインフラ整備など、総合商社のおこなう社会への影響は多岐に渡ります。
さらに、総合商社は社員同士の繋がりが強い会社が多いです。多くの会社では、社員寮があり、多くの社員はそこで共同生活を送っています。ですので、幅広く様々な部署がある総合商社でも、社員同士の繋がりは強く、若いうちの人脈形成がしやすい環境と言えます。
さいごに、わかりやすいメリットとして、総合商社の給与や福利厚生は、他の日系企業よりも相対的に良いと言われています。若いうちに年収が1,000万円を超えたり、海外駐在をした場合はさらに海外手当が出るなど、とても良い待遇を受けることができます。
▷ [デメリット]
総合商社でキャリアを歩むことに関して、よく言われることが背番号制です。背番号制とは、はじめに配属された部署があなたの背番号で、この先ずっと同じ部署(背番号)で働くことです。最近では、ジョブローテーションやジョブポスティングなどによって、部署移動がしやすいように制度を整えている企業もありますが、未だに伝統的な背番号制を守っている会社が存在することも事実です。
また、転職のしづらさも総合商社の特徴です。これは個人の経歴やスペックにもよりますが、一般的に総合商社から転職することは難しいと言われています。理由としては、そもそも総合商社は高給・高待遇なため、転職してもその待遇が悪化するために転職が難しいです。さらに、(部署にもよりますが)総合商社でキャリアを積むと、いわゆるジェネラリストになる人が多いので、専門性が求められる転職市場では需要が低いことも要因の一つです。
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4. 総合商社対策 - きほん
ここまで読んでいただいたみなさん、どうでしょう、総合商社で働きたくなってきましたか?
総合商社を目指したいみなさん向けに、ここからは総合商社対策についてお話ししたいと思います。
まずはじめに、総合商社対策では重要な3つの要素があります。それを筆者は以下のように公式化(?)しました。
自己分析 + 企業研究 → 面接
この公式を簡単に言葉で説明すると、「徹底的な自己分析と企業研究をもってして、面接に臨むこと」です。
これだとまだ抽象的で分かりづらいと思うので、公式にある3つの要素それぞれに分けて説明していきますね。
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5. 総合商社対策 - 自己分析
就活を既に始めてらっしゃるみなさん、自己分析はできていますでしょうか?
就活をこれから始めるみなさん、自己分析をご存知でしょうか?
自己分析とは、総合商社業界に限らず、就活や、はたまた人生で決断をすることにおいて、非常に重要なプロセスだと思っています。
自己分析とは・・・「自分の人生を抽象化すること」です
みなさんがこれまで歩んだ人生は、みなさんそれぞれ違うと思います。「至って普通の人生だった」って言う人をたまに見かけますが、それはあり得ないのです。
なぜなら、みなさんはそれぞれ異なる家族に生まれ、異なる社会で育ち、異なる経験をしています。つまり、みなさんの人生は、それぞれとてもユニークなのです。
しかし、みなさんはそのユニークさを、相手に端的に説明できますでしょうか?
この「あなたの素晴らしい人生を簡単に説明する」場が、就活における面接なのです。
では、どうやって人生を簡単に説明するのでしょうか?
自己分析において、まずはじめにやることは、自分の人生を振り返ることです。自分の人生で経験した・感じたコトやモノを全て書き出してみてください。どんな些細なことでも構いません。
そのあと、それを上記のグラフのように、感情を軸として表してください。
上記のようにグラフ化することによって、あなたの人生を歩んだ様子を視覚的に簡単に捉えることができます。
そこからグラフの頂点の出来事を、それぞれ抽象化しましょう。
抽象化 --- 漢字3つのよく分からない単語ですが、カタカナにすると分かりやすいです。
抽象化とは --- ラベルをつけることです
あなたの人生で経験した出来事をラベリングすることによって、誰にでも瞬時に理解できる汎用性が生まれます。(分かりやすい例で言えば、インスタグラムによるハッシュタグ(#)のようなものです。)
例えば、以下のような出来事があったします:
大学の友達である中国人留学生のチョウ君がバイトを探していたが、言語の壁もあり手こずっていた。彼のバイト探しを手伝うために、様々な店にバイト応募の連絡を入れたが、国籍を理由に断られた。結局、コンビニでようやく彼は働けることになった。
この時の気持ち:留学生の雇用環境の悪さに不満を持った
以上の出来事は、ただのバイト探しのエピソードかもしれませんが、感情の変化を分析し、ラベリングをすることによって、このエピソードを受けてあなたの人生がどのようなものだったか分かります。
# 国際コミュニケーション # 問題解決 # 社会問題 ・・・など
上記のように、ひとつのエピソードで様々ラベルをつけることができます。
このラベルがあなたの人生の一部の要素で、誰にでも理解しやすい表現方法です。
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6. 総合商社対策 - 企業研究
さて、ラベリングの作業を終えると、あなたは自分が持つラベルの多さに驚くことでしょう。
豊富なラベルはあなたの人生の豊かさを表していてとても素敵なことですが、これを就活の面接の場で全て利用することはできません。
短時間でおこなわれる面接では、そのラベルを相手に合わせて選別して利用しなければいけません。
この選別のために、非常に重要なプロセスが企業研究なのです。
総合商社に限らず、どの企業もそれぞれ異なる企業理念や社風をもっています。
その企業理念や社風を理解し、それに合わせてラベルを利用することが、面接では重要なのです。(ここではウソのラベルをアピールするという意味ではなく、たくさんあるラベルの中から最適なラベルを選出する、と言う意味です。)
総合商社はどの企業も似たようなビジネスモデルをもっていますが、企業理念や社風、社員の雰囲気もそれぞれ異なります。
それを理解するためには様々な方法があります。例えば、企業のホームページを見ること、説明会に参加する、OB・OG訪問をする、など、様々な方法があります。
(本当はもっと詳しい企業研究の方法や、総合商社各社それぞれの特徴などを説明したいですが、今回は諸事情で割愛します。希望があれば掲載するかもしれません・・・!)
つまり、企業研究をおこなうことによって、最適に、かつ効率的に自分のラベルを相手にアピールすることができるのです。
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7. 総合商社対策 - 面接
しっかりと自己分析と企業研究を終えたあなたは、あとは面接でしっかりと自分をアピールするのみです。
面接で確認される点として、主に2つあると思っています。
まず1つ目が、履歴書と人物の一致です。面接を受ける前に、あなたは履歴書やESを提出すると思います。そこで虚偽の記述や不適切な表現をしていないか、企業は面接を通して確認します。
そして二つ目、一緒に働きたいかの確認です。履歴書やESに素晴らしい経歴や経験が記述されていても、実際に働くのはその人物本人です。その本人が実際に一緒にいて魅力的かどうか(ちゃんとコミュニケーションを取れるか、不適切な態度はないか、など)を確認することも、面接の重要な役割のひとつです。面接官にとっても、あなたが今後同じ職場で働く同僚になるかもしれないので、とても重要な確認の場所だと言えますね。
では、実際どのように面接の対策をしたらいいのでしょうか?
その答えとしては、1つしかありません ---
練習あるのみ
無責任な答えのように聞こえるかもしれませんが、練習して場数を踏んでいくことが、面接をマスターする近道だと思っています。
様々な企業の面接を受けること、友達・先輩と面接練習をすること、自分で動画を撮って面接の自己修正すること・・・どれも立派な練習です。
とにかくたくさん面接を練習し、経験をすることが、面接が上手くなるコツだと思っています。
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8. さいごに
ここまで読んでいただいたみなさんは、総合商社について、そして総合商社を対策する方法を、もう知っています。
あとは行動・アクションしてください。
情報収集をしたり、企業に質問をしたり、友達と練習をしたり・・・たくさん行動を起こせる人が就活ではいわゆる「上手い人」です。
就活をやっていると、よく学歴フィルターとか、顔採用とか、妬み嫉みの悪いことを言っている状況を目の当たりにすると思います。
それに対して、僕は否定的な考えを持っています。
就活は、もちろん簡単なことではありませんが、努力でいくらでも攻略することができると思っています。早く就活を始めた人が内定を多く持っていることは、よく考えたら当たり前なことなのです。
なので、みなさんはこれからたくさん努力をしてください。上から目線かもしれませんが、みなさんの将来の一部を決定する就活において、理想的な結果を得られるよう、筆者は心から願っております。(そうでなければ、わざわざ自分の経験を、自分の時間を犠牲にしてまでこのnoteに共有しません)
また、個人的に非常に重要なことが一つあります。それは常に「謙虚で、誠実であること」です。どんなにウソをつくことが上手くても、人は必ず後悔します。みなさんはそれぞれとても魅力的で、素敵な人なので、就活をおこなう際は、是非謙虚さと誠実さを常に心がけてください。さすれば、後悔なく就活を終えることができます。
みなさんには、就活を楽しんでいただきたいです。納得するまで就活をしていただき、社会に羽ばたいてください。(もちろん学校での勉強が最優先ですよ)
さいごに、今回の総合商社対策のまとめと参考文献等を下記画像にまとめてありますので、是非参考にしてください。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
では、素敵な就活ライフを!
-- Yuwen
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UCLA JSA Career Team は、みなさんの就活支援をおこなっています。
今後、このようなnoteにてコンテンツを掲載するかは未定です。もし今回の記事がみなさんのお役に立ったのならば、是非その旨をご連絡ください。喜びます。また、この記事をたくさんの方々にシェアしていただければ幸いです。