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40年も前に公開されたブラックホール映像がヤバすぎる…

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。


今回は「40年前のブラックホールシミュレーションがヤバイ」というテーマで動画をお送りしていきます。


急速にブラックホールの理解が進んでいる

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Credit: EHT Collaboration

近年、ブラックホールの理解が急速に進んでいます。

去年2019年の4月には、人類史上初めてブラックホールの直接観測に成功したと大ニュースになりました!

こちらの画像はその際公開されたものとなります。

全体的にぼんやりとしていますが、中心にはぽっかり穴が空き、ブラックホールの存在をしっかり示しています。

撮影されたブラックホールは、地球から5500万光年も離れたM87という別の銀河の中心にある超大質量ブラックホールです。

なんと太陽の65億倍もの質量を持ち、銀河系中心のいて座A*のさらに1500倍も重いのです!

ブラックホール本体は真っ黒ですが、周囲にはブラックホールの重力によって光速近くまで加速させられ、摩擦熱で超高温に輝いている周囲の物質たちで構成される円盤状の構造である「降着円盤」があります。

降着円盤の温度はなんと60億℃にも達することが明らかになりました!

詳細な観測により、ブラックホール周辺の環境がいかに異次元の世界なのかも理解されつつあります。

最新のブラックホールシミュレーション

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Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/Jeremy Schnittman

そしてこちらが去年NASAが公開した最新のブラックホールシミュレーションです。

この動画は反時計回りに回転する降着円盤を斜め上から見た際の想像図となっています。

ブラックホールの重力によって光の進路が歪められ、右奥からブラックホールの後ろを通って左から出てくるはずの降着円盤がブラックホールを飛び越えるようにしてこちらから見えていますね。

さらに降着円盤の下側へ発せられた光もブラックホールの重力で歪められて、ブラックホール本体の下側から見えるようになっています!

そしてブラックホール左側の降着円盤は光速に近い速度で観測者の方向に向かっているため明るく、右側は遠ざかっているため暗く、左右非対称に見えるそうです。

このように相当詳細なポイントまで再現されています!

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Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/Jeremy Schnittman

そしてこちらが下から上へ移動しながらブラックホールを眺めたアングルの映像。

上から見ると降着円盤がしっかりと円盤状であることがよくわかりますね!

40年前のブラックホールのシミュレーションと似すぎ問題

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Credit:Wikimedia Commons /Jean-Pierre Luminet

そして今回の本題です。

最近でこそブラックホールの美しいシミュレーションが再現されるほどその性質が理解されるようになりましたが、実は今から40年も前の1978年にもブラックホールのシミュレーションが公開されています!

フランスの物理学者ジャン=ピエール・ルミネ氏は、1960年代の古いコンピューターを使い、なんと手作業でこのシミュレーションをプロットして制作したそうです。

このシミュレーションの詳細を見てみると、とても40年も前に作られたとは思えないほど最新のシミュレーションでも表現されている特徴を詳細に示していることがわかります。

まずブラックホールの本体からは重力が強すぎるために一切の光が発されないので真っ黒に見えており、その周囲にある降着円盤が明るく輝いていることがしっかりと表現されていますね。

そして円盤状であるはずの降着円盤の光がブラックホールの上部からも見ることができること、そして光速近い速度で近づいてくるために左側の面が右側よりも強い光で観測できることも示されています!

ルミネ氏は2018年の論文にて、「ブラックホールは周囲の降着円盤に対して光速近い回転速度を与えることで、極めて強力なドップラー効果を引き起こすことができる唯一の天体である」と述べています。

40年も前のシミュレーションからここまで最新版と一致する特徴を捉えていたというのは、科学者の凄さを改めて感じずにはいられませんね。

結論:科学者と技術ヤバイch

情報参照元:https://svs.gsfc.nasa.gov/13326
https://www.sciencealert.com/this-new-nasa-visualisation-of-a-black-hole-is-so-beautiful-we-could-cry
サムネイル画像クレジット:Wikimedia Commons /Jean-Pierre Luminet


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