350万年前の人類が見ていた夜空が美しすぎる…
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「350万年前の人類が見ていた壮大な夜空」というテーマで動画をお送りしていきます。
人一人の寿命程度のスパンでは地球から見る夜空はほとんど変化ないですが、万単位の年数が経てば大きく変わります。
例えば地球の自転軸は倒れかけのコマのように向きが変化しているため、天の北極の位置がズレます。
また、肉眼で見えるどの星々も天の川銀河中心部を公転しているため、少しずつ星同士の位置関係も変化します。
このように遥か昔の夜空は今の夜空とは大きく違ったと考えられますが、もっと決定的に違う、昔の夜空でしか見られないとても美しい構造があったかもしれません!
今回は過去の人類が見ていたかもしれない夜空について話を掘り下げていきたいと思います。
天の川が爆発していた
今でこそうっすらとしか見れない天の川ですが、最近の研究によって遥か昔は天の川はもっと明るかったかもしれないと考えられるようになっています。
Credits:NASA Goddard Space Flight Center
2010年に、天の川銀河の中心を挟み込むように上下に広がる巨大なガス球が発見されました。
ガス球からは高エネルギーのガンマ線が放たれています。
このガス球は、これを発見したガンマ線観測望遠鏡であるフェルミガンマ線望遠鏡の名前から、「フェルミバブル」と名前が付けられました。
フェルミバブルは非常に巨大で、上下の球がそれぞれ直径2.5万光年にもなり、上下合わせて5万光年の範囲に渡って広がっていると考えられています!
フェルミバブルの起源は、天の川銀河の銀河核にあって質量が太陽の430万倍も重い超大質量ブラックホールいて座A*であるという説が有力となっています。
今でこそ活動が穏やかな天の川銀河の銀河核ですが、昔は非常に活発であったと考えられるようになっています。
今から約350万年前、いて座A*に太陽の10万倍もの質量に相当する水素ガスが流れ込み、その反動でブラックホールは銀河の上下方向に向けて超高エネルギーのガスをジェットとして噴出したそうです。
そのエネルギーはなんと超新星爆発の10万倍にも相当するものだったそうです!
それだけ当時の天の川銀河中心部は活発であったことが、フェルミバブルの観測から推測することができます。
初期人類であるアウストラロピテクスが誕生したのは今から400万年ほど前とみられているため、彼らは350万年前、極めて明るく輝く爆発現象を地球から肉眼で目の当たりにしていた可能性がある、というわけですね!
マゼラン雲まで輝いていた!?
Credit:NASA, ESA, and L. Hustak (STScI)
そして本当につい先日発表された内容によると、350万年前の天の川銀河核のジェット放射はなんと遥か銀河核から20万光年も離れた「マゼラニックストリーム」にも到達していたそうなんですね!
マゼラニックストリームとは、大マゼラン雲と小マゼラン雲という天の川銀河の周囲を公転する伴銀河から伸びる超巨大なガスの帯です。
天の川銀河の重力によってマゼラン雲本体から引き延ばされてしまったと考えられます。
天の川銀河核から放たれたジェットは放射方向に遥か20万光年も離れたマゼラニックストリームにも達し、高温によってマゼラニックストリームのガスを電離させ、100万年にもわたって明るく輝かせていたそうなんですね!
Credit: NASA, ESA, G. Cecil (UNC, Chapel Hill) and J. DePasquale (STScI)
このマゼラニックストリームの発光は、地球からでも肉眼でぼんやりと見えた可能性があるようです。
光害がないこと、天の川銀河の爆発的発光に加え、マゼラニックストリームの発光も楽しめたと考えると、初期人類が経験していた夜空は今とは比べ物にならないほどダイナミックで美しかったのかもしれませんね!
結論:350万年前の記憶が残ってる人募集中
情報参照元:https://hubblesite.org/contents/news-releases/2020/news-2020-33#section-id-2
サムネCredit: NASA, ESA, G. Cecil (UNC, Chapel Hill) and J. DePasquale (STScI)
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