中性子星よりさらにヤバイ天体「クォーク星」が半端ない
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「中性子星よりヤバイ天体クォーク星」というテーマで動画をお送りしていきます。
中性子星ってどんな天体?
まず最初に中性子星という天体がどの様に誕生し、さらにどんな天体なのかを簡単におさらいしていきたいと思います。
質量が太陽の8倍以上重い大質量の恒星が一生を終える瞬間、核融合が弱まることで核融合によって星の核が膨張していく外向きの力が、内向きの重力に押し負けて、星の核が物凄い力によって圧縮されてしまいます。
その際に超新星爆発という宇宙最強クラスのエネルギーのヤバ現象が起きますが、今回は主題から外れるので、詳細は以下の動画からご覧ください!
圧縮された星の核では、中性子星という天体が残ることがあります。
物凄い重力で圧縮された天体なので、その密度は他の天体とは比較にすらならないほど桁違いに高い値となっています!
具体的には直径が約20-30㎞と地球と比べても圧倒的に小さいにもかかわらず、その質量は地球の50万倍も重いそうです!
その密度は1cm^3あたり数億トンと、角砂糖のサイズで大きめの山の質量が詰まっているような感じですw
中性子星よりさらにヤバい「クォーク星」
Credit:天文学辞典(日本天文学会)
中性子星のヤバさが十分に伝わったかと思いますが、実は中性子星よりもさらに上のヤバさを誇る「クォーク星」という天体がある可能性があるそうです!
ではクォーク星とはどんな天体なんでしょうか?
その構造を知る前に、少し中性子星がどのようにして成り立っているのかを見てみましょう。
星の一生の最期の瞬間では、強烈な重力によって個々の原子内で原子核の周囲にある電子と原子核内部の陽子と反応し、中性子に変化します。
つまり原子核内部は中性子ばかりの構造になるんですね。
そうしてできた中性子がたくさん集まった原子核同士はお互いが「縮退圧」と呼ばれる力で反発しあい、それらをさらに押しつぶしてくっつけようとする重力と釣り合い、安定した状態になります。
これが中性子星です!
中性子星同士の反発力ですら耐え切れないほど星の重力が強い場合、これ以上重力に対抗する力がないために、永遠に重力によって一点に圧縮が続くと考えられています。
このように重力があまりに強すぎてそれに対抗する力を失い、「特異点」という一点に向けて全質量が落ち込み続けている天体を、ブラックホールと呼んでいます。
具体的には一生を終える星の質量が太陽の8-30倍程度だと星の核は中性子星に、太陽の30倍以上重いと重力が中性子星すらも押しつぶして永遠に圧縮が止まらないブラックホールになってしまうと考えられています。
Credit:天文学辞典(日本天文学会)
ですが実は個々の原子内の中性子が重力に圧縮された後、さらにクォークという、より小さい構造に分解され、今度はクォーク同士の縮退圧によってお互い反発しあい、重力と釣り合う可能性もあるそうなんですね!
元々陽子や中性子はそれ以上に分解できない最小の単位と考えられてきましたが、最近ではそれらはさらに小さい「クォーク」という素粒子が3つ集まってできていると考えられるようになっています。
Credit:NASA
このように中性子よりさらに小さな単位であるクォークという構造によって重力と釣り合い、安定している天体を「クォーク星」と呼びます。
クォーク星は中性子星よりもさらに圧縮が進んでいるためにより小さく、高密度であると考えられています。
ですがクォーク星は中性子星とブラックホールとは異なり未だにその存在の確証がなく、理論上の天体と言う域を出ていないため、その性質についても謎が多いようです。
いくつかその候補となる天体はあるようですが、どれも決定的な証拠には欠けるようです。
更に最近、中性子星の合体によって発生する重力波を詳細に調べた結果、太陽の2倍ほど重くブラックホールになるギリギリの状態の中性子星の中心部はクオークによって支えられてる可能性も出てきました。
もしかしたらクオーク星と中性子星の中間にいる特殊な星もあるかもしれませんね。
中性子星よりもさらに一段階ヤバイ天体であるクォーク星が仮に存在するとしたら、いつかそれが観測され、そのヤバすぎる性質が明らかになっていく
ことに期待していましょう!
結論:クォーク星=ぼくのかんがえたさいきょうのほし
サムネイル画像クレジット:Casey Reed/Penn State University
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