宇宙にまつわる特に誤解しやすいこと4選!
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「宇宙にまつわるよくある誤解4選」というテーマで動画をお送りしていきます。
太陽は雑魚
最初のよくある誤解は、「太陽は雑魚である」というものです。
当チャンネルでも太陽よりさらにハイスペックな星々が頻繁に登場するので、太陽は噛ませ犬のような扱いになることも少なくありません笑
地球から肉眼でも見えるほど明るく輝いて見える星は本当に数少なく、頑張れば数えられる程度しかありません。
ですが実際には見えないだけで、暗い領域にもこの宇宙には無数の星が存在しています。
例えば地球から最も近くにある恒星プロキシマケンタウリは、最も近くにあるにもかかわらず肉眼で見える限界の明るさのさらに100分の1程度の明るさしかありません。
このように見えていないだけで星自体は無数に存在していて、そのうち人間でも見える星というのはそれ自体が本当に選ばれしスペックを持ち、太陽とは比べ物にならないほど明るい星ばかりなんですね!
そのために私たちがよく知っている有名な星は太陽よりもハイスペックなものばかりになってしまいます。
このことから、太陽が大したことないかのように捉えられてしまいがちです。
ですが実際は太陽は相対的に見ても本当に優れた天体です。
プロキシマケンタウリのように「赤色矮星」に分類される太陽と比べても非常に暗く省エネなタイプの星が全体の7割を占めているとも言われています。
実際のところ太陽のスペックは星全体の上位5-10%程度であると考えられているようです!
そう考えるととても「雑魚」だなんて言えなくなりますよねぇ??
北極星は「ポラリス」のことを指す
続いての誤解は、北極星にまつわる話です。
北極星とは、地球の自転軸の北側の延長上にあるために、地球から見るとどれだけ自転してもある一点で動かずに見える星のことを指します。
北極星は地球から400光年ほど離れた所にある「ポラリス」という名前の星を指します。
極地をpoleという英単語で表現することからも、ポラリスという星の名前自体が北極星であることを意味するようなニュアンスとなっていますね。
ですが実は北極星というのは「ポラリス」であり続けるわけではなく、交代制であることが知られています!
Credit:Robert Simmon, NASA GSFC
地球というのはこのように、コマが首を振るように自転の向きが長い年月をかけて回転していることが知られています。
この運動は歳差運動と呼ばれますが、地球の歳差運動の周期は実に約25800年と考えられています!
Credit:Wikimedia commons
これだけ長期にわたる周期のために人間が生きているうちは感じることがありませんが、自転軸の向きが変わるため、超長期スパンで見ると自転軸の延長上にある星=北極星も変わるんですね!
つまり北極星は一つの星がずっと担当するのではなく交代制で、今から約8000年後にははくちょう座α星のデネブが、約1万2000年後にはこと座のα星ベガが天の北極に近付くと考えられています。
「ポラリス」という名前が付けられた今の北極星は、北極星ではなくなった後はどんな名前で呼ばれるのか、気になる所ですね!
新星・超新星は星が生まれる現象
続いての誤解は「新星や超新星は星が生まれる時の現象」というものです。名前からしてそんな感じがしますね。
ですが実際はどちらかというとこれらの現象は星の誕生どころか逆に星の死にまつわる現象です!
新星と超新星は全く違った現象なので軽く解説します。
まず新星は、色々な種類がありますが、中でも特にメジャーなのは太陽程度の質量を持った星が一生を終えた姿である「白色矮星」という天体が起こす爆発です。
白色矮星が他の生きている星と連星を成しているとき、白色矮星は密度が非常に高く重力が強いため、ペアを成している星から水素ガスを奪い取り、自らの表面に蓄積させていきます。
白色矮星の表面に水素ガスがたまると重力で強い力で圧縮され、さらにガスがたまると温度と圧力が高くなり、生きた星の中心部で起こるような核融合反応が爆発的に進み、大爆発を起こします。
これが「新星」です!
そして超新星にもいくつかのタイプがあり、特にメジャーなものでIa型、II型の2つがあります。
そのうちIa型超新星は新星と同じく白色矮星と恒星の連星系で起きる爆発です。
白色矮星は新星を繰り返しつつも徐々に恒星から奪ったガスを蓄積させていき、質量を増やしていきます。
ですが白色矮星はいくらでもガスを溜めていけるわけではなく、実は質量に上限があるんですね。
白色矮星の質量の上限は太陽の1.4倍、地球の50万倍程度の質量であると考えられています。
この質量限界を超えた白色矮星は新星を遥かに超えるエネルギーの大爆発を起こします。
これがla型超新星爆発というものです!
これを起こした白色矮星は中性子星というさらに高密度の天体になるそうです。
そしてもう一方のII型超新星爆発は白色矮星は関係なく、太陽の8倍を超える大質量の星が一生の最期で起こす大爆発現象をさします。
爆発時に星の核が重力で勢いよくつぶされ、こちらも中性子星やブラックホールといった超高密度の天体が残ります。
これがII型超新星というものです。
有名なベテルギウスの超新星爆発はこのタイプになります。
なので新星も超新星も星の誕生とは全く関係ない現象、むしろ星の死にまつわる現象なんですね!
新星や超新星という名前は、単に「地球から見ると新たに星が生まれたかと思うほど明るい」という理由で命名されたそうです。
土星のリングはずっとある
最後の誤解は、「土星のリング」にまつわる話です。
土星といえばリングだと思います。
それだけこの土星という天体に対するリングのイメージは強く根付いていることでしょう。
ですが実際は土星のリングは永遠ではなく、今から1億年後には消滅しているだろうという風に考えられるようになっています!
ボイジャー2号とカッシーニという2機の探査機のおかげで、土星のリングから土星本体に向けて「氷や岩の雨」が降り注いでいることが明らかになりました。
Credit:NASA's Goddard Space Flight Center
リングから土星本体に降り注ぐ雨の量は30分間でオリンピックのプールをいっぱいにできるほどの勢いだと表現されていますが、正直凄さが伝わってきませんw
ですがこのリングから降る雨のペースから計算すると、なんと今から1億年後には土星の美しいリングが全て失われてしまうようです!
これだけ美しいリングを持つ天体が身近に存在している瞬間に生きている私たちは、中々運がいいタイミングで生まれたということができそうです。
結論:宇宙にはまだまだ誤解があるよ!
サムネイル画像クレジット:NASA's Goddard Space Flight Center
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