見出し画像

たて座UY星が宇宙最大恒星から陥落!?新王者はどの星か

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。


今回は「たて座UY星が恒星大きさランキング首位陥落!?」というテーマで動画をお送りしていきます。


既知の恒星の中で、一番大きいものとしてよく知られていたのが、「たて座UY星」という星です。

太陽の1700倍もの直径を持つ観測史上最大の星ということで、当チャンネルでも何度か紹介したことがあります。

ですがどうやら最近の詳細な観測によって、このたて座UY星は実は最大の星ではなさそうだ、ということが最近明らかになったようです!

星の大きさの測定は非常に曖昧

宇宙最大の星の候補となるのは大体どの星も末期段階で膨張して表面温度が低温で赤く見える、「赤色超巨星」というタイプの恒星ばかりです。

赤色超巨星は星の中では珍しく、地球から近い位置にはなかなかありません。

そしてそもそも赤色超巨星のような地球から遠くにある星の直径の測定には非常に曖昧な要素が残っています!

画像1

では星の直径というのはどのようにして測られているのでしょうか?

簡潔に説明します。

直径を測るためには星が放つエネルギーの強さ(光度)を知る必要があります。

同じ直径なら温度が高い方がエネルギーが高く、温度が同じなら大きい方がエネルギーが高いので、光度は星の直径と表面温度によって決まります。

なので逆に星の直径は光度と表面温度によって決まるということになりますが、そのうち表面温度は星の見た目の色によって測定できるので、あとは星の光度さえわかれば星の直径がわかるということになります!

では星の光度はというと、地球から受ける星の光の強さと、その星の地球からの距離で決まります。

地球からの星の光の強さは観測で理解できるので、残るは星までの距離さえわかればその星の直径が理解できるという事になります!

ですがこの距離測定というのが厄介で、地球から遠くにある天体ほど距離測定は曖昧なものになってしまいます。

巨大な赤色超巨星は地球からある程度遠くにあるものばかりなので、距離測定が難しい以上どの星が一番大きいかを理解するのも同様に難しいんですね!

たて座UY星も距離測定が間違っていた!?

画像2

これまでたて座UY星までの距離は9500光年程あるという風に考えられてきました。

ですが2018年に行われたガイア探査機による再測定によると、たて座UY星までは従来の約半分の5100光年程しか離れていないことが判明しました!

これほどまで推定の距離が短縮されてしまったために、たて座UY星の直径の見積もりも大幅に下方修正され、現在では太陽の700-1000倍程度しかないと考えられるようになったそうです!

オリオン座α星のベテルギウスも同じ赤色超巨星に分類されますが、こちらの推定直径は太陽の1000倍程度なので、それをも下回ってしまうという事に…

他にも太陽の1000倍を超えると推定されている星はたくさんあるので、たて座UY星は首位から一気にランク外という扱いになってしまったようです。

現状一番最大の星の候補は?

画像3

ではたて座UY星に代わって推定値において首位になった星は一体何なのでしょうか?

赤色超巨星の直径の測定は先述の通り曖昧な要素が大きいため、今後もランキングに変動があると予想できること、そして情報サイトによってランキングの差が激しいために暫定での首位を見つけるのも難しいという前提の上で、

英語版のウィキペディアの「既知の恒星の直径ランキング」というページを参考にすると、最も大きいと考えられているのは「スティーブンソン 2-18」という恒星だそうです!

画像4

Credit:Wikimedia commons

スティーブンソン 2-18はたて座UY星同様たて座の方向に2万光年も離れた位置にあるスティーブンソン2という星団の中にある星です。

この星の直径はかつては太陽の474倍と控えめに見積もられていましたが、現在ではなんと2158倍と、たて座UY星の元の数値よりさらに巨大に推定されています!

画像5

あまりに巨大すぎるために、太陽の位置にあった場合木星超えて土星すらも丸呑みしてしまうほどの巨大さをしています!

隣に太陽を置いても小さすぎて拡大しないと全く見えませんw

この星の表面温度は3000℃程度と星としてはかなり控えめな温度となっていますが、直径がここまで大きいのでその光度は太陽の44万倍と推定されているようです!

なので時間を経過させると本来の太陽系では極寒だった惑星なんかも軒並み灼熱地獄と変わってしまいます!

とてつもなくハイスペックな星ですね。

繰り返しになりますが、赤色超巨星の直径は曖昧な要素が多いため、このスティーブンソン2-18も最大の星ではない可能性も十分にあります。

今後さらに観測技術が進歩し、本当に一番大きい星が一体どれなのか、明確になることに期待しましょう!

結論:太陽「もしかして俺が最大の可能性も?!」
スティーブンソン2-18「それはねえよ」

情報参照元:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_largest_stars
サムネイル画像クレジット:Wikimedia commons


ここから先は

0字
宇宙の面白い話、ヤバイ話をほぼ毎日更新していきます。元は動画コンテンツなので、マガジン内でも画像やgifを用いてわかりやすく解説していきます。マガジンでは動画以上に手軽に情報を得られる上、ハッシュタグや検索を用いて過去の記事の情報を簡単に遡ることもできます。

登録者数10万人越えのYouTubeチャンネル「宇宙ヤバイch」のコンテンツを文章でほぼ毎日更新します。過去1か月分の記事は無料公開してい…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?