お隣のプロキシマ系で奇妙な電波を検出!?生命の可能性も
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「お隣のプロキシマ系から奇妙な電波を検出」というテーマで動画をお送りしていきます。
生命関連の話題が相次ぐプロキシマ系
太陽系から最も近い4.24光年離れた所にあるプロキシマ・ケンタウリ系にはハビタブルゾーンに位置し、質量や直径も地球と近いプロキシマbという惑星があります。
このプロキシマbには生命がいる可能性があると期待されているものの、主星が太陽よりもずっと質量が低く省エネな赤色矮星というタイプの恒星であるために、プロキシマbが晒される環境は地球とは大きく異なります。
主星のプロキシマケンタウリは太陽の数百分の1程度のエネルギーしか持たないので、その星の周囲で惑星内に液体の水が存在できる領域であるハビタブルゾーンは、主星から非常に近い位置になります。
プロキシマケンタウリ系で太陽系における地球の公転軌道を再現すると、同じハビタブルゾーンでも地球は非常に遠い位置を公転していることがわかります。
さらに今月12日には宇宙ヤバイchにて、プロキシマケンタウリは危険なフレアに加えて、コロナ質量放出というさらに有害な現象まで起こし、大量のプラズマを放出している可能性が高まったというニュースを解説した動画を投稿しています。
以下の動画からご覧ください。
フレアもコロナ質量放出も太陽でも同様に起きていますが、プロキシマケンタウリは先述の通り省エネな赤色矮星なので、ハビタブルゾーンに位置するプロキシマbは主星に非常に近い位置で公転しています。
そのためフレアからの電磁波に加えてコロナ質量放出による大量の高エネルギーのプラズマまで間近で受けることになるプロキシマbでは、生命が存在するのはさらに難しくなりそうだという悪い方のニュースでした。
このようにプロキシマ系は最も距離が近い上に地球に性質が似た惑星もあるため、良いニュースも悪いニュースも含めて、地球外生命体関連の話題が絶えません。
プロキシマ系から電波を観測!?
Credit:Wikimedia commons
そんな常にホットな話題を持つプロキシマ系関連で、つい先日またも興味深いニュースが飛び込んできました。
どうやらプロキシマ系から来る奇妙な電波を検出し、それは地球外文明が放った電波である可能性もあるんだそうです!
話題の電波は「BLC1」と命名され、ブレイクスルー・リッスンという、地球から近くにある100万もの星々を10年にわたって観測し、宇宙人の存在を確かめることを目的としたプロジェクトが、2019年に観測したそうです。
もちろん単にプロキシマ系から電波が観測されたからと言ってそれが地球外生命によるものだと結論付けるのは早計過ぎます。
プロキシマケンタウリの方向から来ただけで、実際は遥か遠方の宇宙からやってきた電波かもしれません。
ですが一方で、BLC1には、簡単にプロキシマケンタウリに存在する文明によるものではないと結論付けるのも早計であると思わせる2つの奇妙な特徴があるんです。
Credit:Wikimedia commons
まず一つ目は、電波の波長に短くなったり長くなったりする変化がみられる点です。
これは電波の発生源が地球から見て近付いたり遠ざかったりしていることでドップラー効果が発生していると考えさせられます。
このことから、電波の発生源は恒星の周囲を公転する惑星なのではないかと考えられます。
さらに生命が存在する可能性のあるプロキシマbの公転によるドップラー効果とも一致するため、プロキシマbが発生源の可能性も十分あります。
Credit:NASA, ESA, and J. Olmsted (STScI)
そして二つ目は、電波の周波数が982MHz付近の非常に短い範囲に限定されている点です。
自然界に存在する電波の発生源であるクェーサーやパルサーなどといった天体は、放出する電波の周波数の範囲が非常に広い特徴があります。
一方で人工的に生成された電波は周波数の範囲が限定的であることが多いため、今回検出されたBLC1はそういった意味でも文明の存在と結びつく観測結果であるとされます。
仮に本当に地球外文明の電波なら…
BLC1が地球内で発生した電波だったり、宇宙のどこかで自然発生的に起きた電波ではなく本当に人工的なものであるとしたら、最も近い恒星系ですら文明がいることになります。
基本的な生命ではなく、高度に発展した文明です。
地球だけしか文明の存在が知られていなければどれだけ文明が貴重であるかを判断するのは難しいですが、それが最も近い恒星系にもいるとなれば、統計的に非常に高い確率でこの宇宙には無数の文明がいると考えられます。
仮にプロキシマ系にも文明があれば、この天の川銀河内だけで少なく見積もっても5億もの文明が存在することになるんだそうです。
天の川銀河内にある恒星の数が2500億個で、連星系をまとめて1つとカウントするとさらに少なくなるので、その中で5億の文明となると相当に多く感じます。
そして高度に発展した文明ですらその割合なら、微生物などの基本的な生命であれば、太陽系の地球以外の天体でも割とありふれた存在なのかもしれません。
それこそこれまでの常識を大きく覆す途方もない発見となります。
地球外文明が本当はどれくらいいるのかは、数多くの系外惑星を実際に超高精度で調べてみるしかありません。
この宇宙が地球の生命以外にもたくさんの生命に溢れた、生命豊かな場所であれば本当にロマンがあります!
情報参照元:https://www.nationalgeographic.com/science/2020/12/alien-hunters-detect-mysterious-radio-signal-from-nearby-star/
https://www.seti.org/signal-proxima-centauri
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