
クリーニング屋
さきほどの話。
私はクリーニング屋にいそいそと服を取りに行った。
それは、何を隠そう「出来上がり日当日に取りに行くと一着につき10円の割引券がもらえるから」である。
私は車でお店に向かったわけだが、一人で車に乗るのは久しぶりなので、おっきい音で音楽を流しながら運転した。
音楽は大きければ大きいほど楽しい。(ぼく調べ)
大きい音に満足感を得た私は、これだけでここに来た価値はあるななどと思いながら店に入り、引換券を渡した。
そしてしばらく待つと店員さんがそろそろと帰ってきた。なんか申し訳なさそうな顔をしている。
そしてこう言ってきた。
「他の服に紛れてしまい、お客様の服がどこにあるか分からなくなったので、見つけ次第のご連絡とさせていただいてもよろしいでしょうか」
なんと、ちょうど手土産になるエピソードまで。最高の夜だ。
言われてから「あ、手ぶらじゃん店員さん、」などと気付いた私の鈍さもちょうどよい。
とても気分が良かったので「明日以降でも10円券は貰えますかね…ケヒヒ…」とセコい確認をした私は、恐縮した顔で「余分に差し上げます」と言う店員さんの言質を引っ提げ、おっきい音を流しながら帰路に着いた。
あーぁ。
俺の服どこいったの!?!?