帝王に生まれて。
「生まれの不幸を呪うがいい」
シャアがガルマに浴びせた最後の無線である。
親友だと思っていたシャアに裏切られ、失望のうちに戦死した。
ガルマにとっては理不尽な話で、好きでザビ家に生まれ、幼い頃から帝王学を仕込まれてきたわけではなかろうに。
そんなこんなで、ザビ家とはまったく関係のない私の生まれは帝王切開である。
産道を通って母のいきみと同時にこの世におんぎゃーと登場する人生初の修羅場をくぐっていない。誰しもが感動する(らしい)あの瞬間を経験していない。
そのせいなのか、私には粘りというか、根性がない。
座右の銘は「他力本願」と宣言しているくらい(なお、この「他力本願」についてはまた述べることがあると思うので「他力とは人の力ではなく阿弥陀仏の…」などのツッコミはしないでね)、ゆらゆらと生きてきた。
そしてだ。
性癖が少し変。
ひとつは下着ふぇち。
いや、「下着ふぇち」という言葉があるのでこれは変とは語れんだろう。
ただ、スケスケや穴開きなどといったPEACH JOHN系なせくすぃーなやつより、
無印良品やユニクロで売っているような実用的なぱんつが好き。
毛玉なんかついちゃってたりする生活感がたまらなくそそられる。
そしてもうひとつ。
これは帝王切開に関係しているとにらんでいるのだが、
チラリズムよりモロリズムなのだ。
「見えるか、見えないかくらいの方がそそられる」という感性がない。
「そこまで見せるならもう最初から全部見せてくれ派」である。
ずっと眺めていたいくらい。もはや憧れのような感情に近い。
美しいのである。
どうだ。これは変だろう。
この性癖を受け入れてくれる人は少ない。
さすがに変態の域に達してるような気がするので、
本当に心を許している人以外には性癖を隠している。
いや、待て。
「モロ出し好きを隠してる」なんて、本末転倒な感じもするけど。
とにかく、若い頃は「隠れモロリアン」だった。
…なんだそれ。
という意味では、生まれの不幸か?いや、呪ってはないけれど。
まぁ、たまにいるのよ、受け入れてくれる人。だからやっぱり幸せ。
それにしても、皇帝ペンギンと帝王切開ほど、
無責任なネーミングはないんじゃないか。
皇帝だぞ。
帝王だぞ。
しかも帝王切開に至っては誤訳だったらしい。
誤訳か…。