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#69 牛に給与する飼料【穀類】について考えてみる

牛に給与する濃厚飼料の中で最も多いもの。
穀類について考えてみる!


トウモロコシVS大麦VS燕麦

全てエネルギー飼料です。エネルギー(TDN)、デンプン含量が高く、タンパク質(CP)が低めです。
乳検や旬報でMUNが高く、乳タンパク、乳糖が低い?などの時にビートパルプやタンパク源の飼料と置き換えていきます。ビートパルプなどを使っていない時は余裕があれば、グラスサイレージで置き換えても良いと思います。

ただし乾物給与量を計算しなければなりません。

水分が70%のグラスサイレージ1㎏は乾物で0.3kgです。濃厚飼料は高水分の粕類を除けば、水分は10%前後です。圧ペントウモロコシが1㎏の場合、乾物で0.9kgです。

グラスサイレージ1㎏は圧ペントウモロコシ1㎏ではありません。

牛の栄養は乾物で何㎏給与するか?で考えます。水が多く含まれる資料を圧ペントウモロコシなどの濃厚飼料に置き換えるときは注意が必要です。

トウモロコシ、大麦、燕麦の栄養バランスを確認します。

①でんぷん:トウモロコシ > 大麦 > 燕麦
②タンパク:燕麦 > 大麦 > トウモロコシ
③センイ :燕麦 > 大麦 > トウモロコシ

この中で最もエネルギー値が高いのはトウモロコシです。配合飼料では一般的にはトウモロコシの割合が高いです。

肥育用の配合飼料となれば、大麦がかなり使われます。

何故か?肉質、脂肪の色が白く固くなる、キメ、しまりがいい、などの理由が言われています。その機序については明確でないことが多いですが。

燕麦はどうでしょう?肥育の飼料ではあまり見かけませんね。では、どこで活躍しているのか?

馬です。かなり使われています。胃腸がデリケートな動物には燕麦。

牛において、胃腸がデリケートな時期は?

育成です。育成期においては燕麦が主役になれると私は思っています。

これらの穀類はそのまま給与されることはほぼありません。圧ペンするか、粉砕するか、一般的には二つの方法があります。
よく、どちらが良いかを聞かれますが…この時、注意する必要があるのは糞中の未消化国利の状況です。

糞中に圧ペンが多い場合は飼料設計の見直し、または、圧ペンが厚すぎるなどの加工に問題があることが考えられます。この点を検討すると糞中も未消化圧ペンが減ります。

粉砕も同様ですが、重要なことは粒度です。粒度の粗いものは糞中に出ます。

私はどちらかと言えば、圧ペンを好みます。ただし、酪農、和牛育成のことで、肥育の場合はある程度圧ペンと粉砕を組み合わせます。


それぞれの穀類の栄養価だけでなく、特徴を知れば知るほど、面白い。


牛の健康と笑顔溢れる牧場を共に

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