放浪No.25 感じるリズム
小雨にはなったものの先ほどまで降っていた雨は、路面に水たまりを作るほどの激しさだった。
いつも以上に車や歩行者に気を付けながら慎重に自転車をこぎ進めていき、市街地に入ったのでショッピングモールで休憩を取ることにした。
一先ずトイレで濡れたTシャツとデニムから着替えて、休憩スペースでコーヒーを飲みながら空の様子を伺った。
屋外に灰皿とベンチが設置されたスペースで一服をしていると、雨も上がってきて雲の間から日も差してきたので、しっかりとリュックを背負いショッピングモールを後にする。
信号待ちの間に経路の確認をすると目的地までは約60キロの距離で、ひたすら国道を北上していく。
天気と時間を気にしながらも、ただ北上して行くだけじゃつまらないと感じた俺は、要所で休憩しながら初めての地を堪能することにした。
気になった場所で立ち止まって景色を眺めてみたり、今まで見てきた街並みや家々の違いを楽しみながら自転車をこぎ進める。
度々ツアーと思しき観光バスが追い越していく際に、参加者さんが笑顔で手を振ってくれた記憶がとても鮮明に残っている。
応援をしてもらえている気分になると不思議と活力が湧いてきて、ペダルをこぐ足にも自然と力が入る。
"不規則な中に規則性を感じる"と言う、矛盾を含むような表現になるのを容赦してもらいたい。
いつも同じではないが、市街地を抜け、住宅地を抜け、やがて田畑の広がる農道や自然豊かな山道に差し掛かる。
農道や山道を抜けると、住宅地や市街地が出迎えてくれる。
このリズムって向かう場所や地域によってバラバラなんだけど、ランダムな中にも法則性を感じてしまう。
話が逸れてしまったが、この地域にあるリズムの間隔を探るように経路を見ながら進んでゆく。