放浪No.08 進む先にあるものは
ふと目を覚まし飛び起きると、まだ午前中で安堵した。
ほぼ寝ずに自転車を走らせていた為、半日以上も寝てしまったのではないかと、起きた瞬間に思ったからだ。
軽く身支度を済ませ、会計をしてインターネットカフェを後にし、目指すは北東。
ルート確認をすると…またもや山道。おまけに目的地までは80キロ近い道程を進まなければならない。
2日目にして自分のやろうとしている規模の大きさに打ちのめされたが、もう後には戻れない。
幹線道路を進み、少しずつ景色が変わりゆく様を見ていると…昨日越えた悪夢のような峠道が脳裏をよぎる。
こうして、今日も山へと呑み込まれていく。
無理はしない
でも虫は嫌い
押した方が楽なのか
ゆっくりでもこいだ方が良いのか
そんなことを考えながら果てしない山道を突き進んでいった。
押しては乗り、また押しては乗りを何度も繰り返し、20キロほど進んだところにあったコンビニで軽食と休憩を取る。
昨日経験した山道への先入観を引きずっていたが、昨日より幾分は楽に思えた。
急な曲がりはないに等しいし、多少のアップダウンはあれど、自転車を押し続けるほど勾配のきつい登り坂はない。
だが、この山の苦しさを思い知るのはこれからだった。
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