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あるところに二次元の恋人の仕事を理解したいOLがいましたとさ。

こんにちは、うちうみです。
【いつもの注意書き】
ここでは恋愛感情を持たないアロマンティック(aロマ)、性的魅力を感じないアセクシュアル(aセク)、そして二次元の相手に恋愛感情を抱くフィクトロマンティック(fロマ)、性的魅力を感じるフィクトセクシュアル(fセク)についての話をします。こんな人もいるんだなという軽い気持ちで読んでもらって構いませんが、生理的に嫌悪感を抱く方の閲覧はお勧めしておりません。


 私にはお付き合いしている恋人がいる。が、次元違いの恋だ。私が三次元、彼は二次元。初めて恋愛的な意味で好きになった人だ。それまで恋というものがわからなかった私が彼に出会って、もうすぐ2年経つ。

手帳開くともう2年経つなぁって、やっぱ実感するね。なんだか照れたりするね。

小学生の頃憧れていた歌詞。大塚愛の「さくらんぼ」みたいな恋をするものだと思ってた。好きな人と隣同士でさくらんぼのように寄り添ってみたい。制服を着ている間にそういうことがあると思ってた。当時の小学生みんなそうじゃない?でも、私は恋をすることなく大人になった。だからこの歌詞は実現しなかった。それが、やっと、叶った!2年経ったんだなぁ。彼と出会って2年もの間、全く恋が冷めなくてびっくりしてる。2年って結構すごくない?730日間、ずっと彼が好きって事だもん。彼に会うまで、恋愛的な意味で誰かを好きっていう日は0日だったんだよ。すごい急展開。自分がこうなるなんて以前の私には思いもよらなかったな。恋がわからなかった日々がダメってわけじゃなくて、あの日々は私の大切な一部。でも彼と出会ってからの日々はそれまでとは違う景色が見える。どちらも大切で、どちらもあってよかったなと思う。そして両方経験した上で、片方だったとしても別に問題ないとも思う。恋愛なんて狭いテーマはどうでもよくて、楽しく充実した日々を送れているって自分が思えればそれでいいんだな。あくまで私は彼と出会えて幸せだってだけの話。(彼と出会った時の話→ 「はじめて恋をしたけれど彼とは次元の壁があった話」)

 恋をしたことによって、私と言う人間が大きく変わったわけではない。私の本質は変わっていないはず。けれど、「彼氏がいないのは私が社会不適合者だからだ…」なんて馬鹿げた考えは消え去った。彼に恋をした時、自分が同次元の異性に恋愛感情を抱くことはそもそもないのだと自覚したから。つまり自分がfセクfロマだと分かった時、同時にaセクaロマであると自覚した。彼氏がいなくちゃいけないわけじゃないと自分で認められるようになったし、彼氏いなくても「今、私は幸せ。」と胸を張って心から言えるようになったし、結婚が真の幸せではないと言い切れるようになった。なんて幸せな人生なんだ。私は二次元の彼に恋をしている。同次元の異性に恋をしない。つまり恋してるんだかしてないんだかどっちなんだ?っていう状態にある。どっちの気持ちもわかるってめちゃ得じゃん。人生めちゃ楽しいじゃん。楽しんだもん勝ちじゃん。って具合に、私の元々高めな自己肯定力が底上げされて無敵になったきらいがある。
 この素晴らしい世界に生まれて良かったなぁ。感謝感激。そしてこの世界で彼に出会えて良かったなぁ。生まれ変わっても私になりたい。そしてまた彼と巡り合いたい。これからも末永くよろしくね。

 さて、こんなハッピー思考で生きている私だが、前提として、彼は二次元の存在だからなかなか障害の多い恋だと思う。恋の大変さは人それぞれだろうから、比べられるものじゃないけど、少なくとも多くのカップルにはない次元の壁が私と彼の間に存在するのは事実。その点においてはfロマfセクは同次元同士の恋愛よりめんどくさいだろう。彼のことが好きなのに手も繋げないんだなぁって、よく愚痴ってるけど、なんか彼との繋がりが欲しくてたまらない時がある。周りに堂々と言えないというのも辛い。それが焦りにつながったり、ストレスになったりもする。でも、それはもっと彼と近づきたい、彼の恋人であると認めて欲しいという至極当然の願いでもあるから、否定するものではないと思うんだ。逆にこのエネルギーを何かプラスの力にしたいなと思った。あと、彼としっかり向き合ってお互いの思いを話したこと、彼の実家に挨拶に行ったこと「彼に会いに行きました(新幹線に乗って。次元を超えて。)」で、彼との交際を真剣に考えようと思った。彼との恋を楽しむのは良いけど、愛し合うためにはもっと真剣にならないといけないのではないか。そういう流れで考えて、始めたことがある。
 最近、彼が登場する漫画のストーリーを一話ずつ、ノートに書き記している。医者である彼の元にどんな患者が来たのか、どんな病気なのか、彼はどんな言葉を発したのか。それからどんな手術をしたのか。そして最後にその一話の中で彼が一番かっこよかった姿を描き写す。字は綺麗じゃないし、絵を描くのも得意じゃない。でも、それよりも、どんな病気で、彼がどんな手術をしたのか、が難しい。だって、私は医学部でもないし、病気のこととか少しもわからない。でも、彼が苦労しているのはなぜかとか、彼がどんな奇跡を生み出しているのかとかを、わかりたいと思う。そしたら、彼がどんな思いでその手術をしているのか想像できる。彼の葛藤や苦しみ、怒り、喜び。こんなにもたくさんのことがわかる。病気・怪我のことや手術のことを勉強するのは、もっと彼を知りたいから。理解したいから。ひいては彼に近づきたいから。
 そんな面倒なことしなくても、彼の性格とか、エピソードとか勝手に作って、「私だけの彼」にしたらいいんじゃないか?そしたら近くに感じられるんじゃない?確かにそれは魅力的。でも、2次元の彼に与えられているストーリーをまずは咀嚼し、理解すべきじゃないか?少なくともその努力はすべきだ、というのが私の持論。だから、彼のオペ内容を漫画から読み解き、医学的な解読を試みる。素人にとっては気の遠くなる作業だ。まずはその病気がどんなものなのか知る。原因やメカニズム、見分け方、症状、日常生活に与える影響。それから、手術が必要かどうか、症状ごとの手術のパターン、彼が選んだ術式の手順。彼が使った器具についても少し調べてみる。最後に術後管理や後遺症について。病理学の本(3000円くらいの入門的なやつ)を買ってみた。それで基礎をつかむ。それからインターネットでいくつかのサイトを読み、私にとってわかりやすい文章に再構築していく。難しいし、膨大だし、情報の真偽も見極められているか怪しいけれど、それでも、本当に楽しい。彼の技術がいかにずば抜けているかもわかるし、慎重かつ素早い判断に脱帽する。今まで全然分かってなかったな、って気づく。勉強はまだまだ途中だけど、医療ドラマで、あぁこれ知ってるっていうのが増えた(笑)。熱傷Ⅲ度とかドレナージとか肺挫傷とか。今まで聞き流してたセリフの意味がわかるようになった。全部彼に近づきたくて勉強したことなんだよ。普段の生活に必要ではない知識だもん。周りには変って思われるかもしれないけど、彼と共に生きていたいと願うから、こうやって頑張れるんだよ。彼の姿を描き写すと、惚れ惚れする。なんて格好良い人なんだ。顔だけじゃなくて、佇まいやセリフの一つ一つ。彼と言うひとりの人間が好きだ。
 あぁ、もっと時間が欲しい。たくさん勉強することがあるから。こんなの学生以来のワクワクだ。あの頃は新しいことや興味のあることを知り、考え、新たな考えを生み出すことが本当に楽しかった。社会人になって、そんな日々から遠ざかってしまったね。だから今こうやって知識を自分に入れていくのが新鮮ですごく楽しいよ。
 あなたに出会えてよかった。あなたに会って、彼氏のいなかった私の人生を肯定できた。変じゃないって。私が私を取り戻している感じがする。あなたは私のはじめての好きな人で、心から尊敬する人。それから私がありのままの私を認めるきっかけをくれた人。私と出会ってくれて本当にありがとう。

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