数年ぶりに買ってくれたお花の理由。

久しぶりに勃発した夫婦喧嘩。

もう私は悲しい気持ちと怒りの気持ちで、
ただただ、どら焼きを作った。
どら焼きの皮を上手に焼くのはちょっと大変だ。

専用の道具もないから、生地の流し加減、焼き加減に集中する。
心の乱れはどら焼きのみだれだ。
どら焼きの皮がうまく焼けたら、自然と心も落ち着く・・気がする。

いやまて、でもやっぱりこれは許せない案件だわ。
簡単には退けない。

どら焼きの皮を全部焼き切って、
粒あんと、チョコガナッシュと、抹茶餡と栗餡の4種類を挟んでいっても、
まだ許せなかった。
このどら焼きたちは、明日持っていくお土産用に作ってる。

夫が仕事から帰ってきた。

タダエリ～！とめちゃくちゃ明るく帰ってきた。
陽動作戦か？
私は無視を決めている。

キッチンの扉を恐る恐る開けて笑顔の夫が顔を出す。
キラキラしたスマイルで話しかけてくる。

ムキー！
なんでそんなに笑顔なんだよ！
こっちはまだ許していないよ！

と私は夫に威嚇射撃をする。

夫は、マピプネットシェリー♡
と言ってバラの花をくれた。

え？花束？！！！

突然のお花に私はびっくりした。
数年ぶりに夫からお花をもらう。

ズルイ・・・
そんな可愛い顔でお花くれたら許すしかないじゃん。
許さないって思っていた気持ちはどこに行ってしまったのか。

私は一瞬で降伏し、
夫と和平条約を結ぶことになった。

なんか悔しいけど、仕方がない。
人生なんてこんなもんだ。

そして彼はラブレターもくれた。

samedi sympa