まだまだ未熟な関係。魚屋編その②

今年の11月で結婚5周年だ。
あっという間の5年間。
喧嘩して、日本に帰ってやるー！！！！と私が言って、
大丈夫、僕がリカのパスポート隠すもんね～！と夫がのたまう。
このやりとりを何回繰り返してきたんだろう。

まだパリは気温が25度くらいまで高い日がある。時には11度だったりするから、寒かったり暑かったりと、今年の秋はちょっと変。

気温が高い金曜日の夜は決まって魚介系が食べたくなる夫は、
夏は毎週のように魚介、魚介とうわごとのように言っている。

夏も終わって、もう魚介祭りも終わったなと踏んでいたのに、
金曜の夕方家に帰るなり、今夜は魚介じゃない？と目をキラキラさせて言うので、仕方がなく魚屋さんに行くことにした。
いつもは2人で魚屋に行くのだが、今回は疲れ切っているから任せる。と言われて一人で向かう。
サーモンとツボ貝とイカを買い、それに合う白ワインはどれかとワイン屋さんのおじさんに尋ねてワインを購入し、レモンとイタリアンパセリも忘れずに八百屋さんで買って、家に帰った。

すると夫がどこに行ってたの？！と変なことを聞く。
どこって？と夫の顔を見ると、さみしそうにもじもじしている。

どうしたの？と聞いたら、
任せるつもりだったけど、やっぱり僕も行きたくなって、魚屋に向かったんだ・・・・

えー！

こんな小さな商店街で同じ場所にいたのに、
思いっきりすれ違った私たち。
そしてケータイを忘れていった私。

・・・

何度繰り返せば、いったい結婚何年目でバチっと出会えるようになるだろうなんて思ってみたり。

今日も我々夫婦はすれ違う。

その積み重ねはいつの間にか、新しい絆を建設している気がする。

つづく