初めてフランスにたどり着いた日。知らないおっさんにキスされた。
私は2012年の4月に、フランスのパリでワーキングホリデー生活を始めた。
期限は1年間だ。
昔から外国への憧れはなんとなくあったけど、
フランス菓子やフランスの花屋さんを見てそのエスプリを吸収したいっ!英語とフランス語を話せるようになりたいと思ってワーホリをすることに決めた。
1年間異文化に触れて、いろんな体験をして自分の人生の糧にできたらいいな。日本に帰ったら婚活して仕事も頑張ろう。と思っていた。
しかし、まさかのまさか、
翌年の秋にはパリで出会ったフランス人と結婚してしまい、
現在はフランスに住んでいる。
人生どう転ぶかわからない。
フランス生活の1年目は壮絶だった。
カルチャーショックはたくさん経験したし、
楽しかった経験と、ハードな経験も両方同じくらいあった。
その1年を少しづつ振り返っていこうと思う。
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まず初めてパリに足を踏み入れた日、
私は知らないおっさんにぶちゅーっと口にキスされた。
最悪だ。
カッコイイおっさんじゃなかったし、
本当にファックだった。
朝にシャルルドゴール空港に到着した私は
バスで opéra 駅まで行った。
空港からパリに出るには基本的に3つの選択肢がある。
①RER 電車でパリまで出れる。初心者にはちょっと手ごわい。
②バス バス1本でパリのオペラまで運んでくれる。これは比較的わかりやすい。
③タクシー 荷物が多いときは便利で楽だけど、値段が高い。
電車もバスも値段は10€前後でそんなに変わらない。
私はバスを選んだ。
オペラに着いてから、チェックインまで時間はあるし、
せっかくだしオペラ周辺を散策した。
ルーブル美術館のそばを通りかかったときに、
知らないムッシュが話しかけてきて、
パリは初めてかい?ルーブルには行ったかい?と聞いてきたので、
まだ行ってないって言ったら、
俺が連れて行ってやろうと案内を買ってでてくれた。
そのおじさんには全く惹かれるところがなかったので、
一度は断ったのだけど、
強引なおっさんにしつこく言われて、
そのときはそのおっさんの推しの強さに負けてしまったので付いていった。
今ならはっきりと断れるけど
当時はその推しの強さに圧倒されて無理だったナ。
ルーブルを軽く案内してもらったけど、
おっさんが何を言っているのかいまいちわからない。
私のフランス語が残念過ぎた・・・
最後にありがとうってバイバイしたら、
おっさんが、フランス人との別れはほっぺにビズっていうエアキスをするんだよって言ってきて、
あ、それなら知ってる~!とビズしようとしたら、
おっさんに口にぶちゅーっとキスされてしまった。
がびーん
気持ち悪すぎる。
おっさんはこれがしたかったから私を誘ったのかと納得した。
フランスの強烈な洗礼を受けた。
しかし、私は時差も含めて、成田空港から24時間以上も歯を磨いていなかった。
今なら必ず歯ブラシは機内に持っていくが、
初めてのヨーロッパへの旅、その点を考慮に入れてなかったので、
歯ブラシは大きなリュックサックの中だった。
だから口はめちゃくちゃ臭かったと思う。
おっさん悪かったね。
気を取り直して、
最初の3日間は république のそばのユースホステルを予約していたので、
メトロを探した。
そのメトロを探すのにも手間取った。
メトロ( metro )の M という看板を探せば良いのだけど、
それを知らなかった。
人に聞いても、めちゃくちゃ速いフランス語で何を言ってるのかわからない・・
メトロは下にあるわよ!
と言われて、ようやく地下鉄ってメトロじゃーんって頭の中で繋がった。
おばかすぎる。(汗)
ようやくメトロに乗って、目的地のrépubliqueに到着した。
(メトロの乗り方は調べてた。)
そこからがまた大変だった。
何人か捕まえて、場所を聞くが、
フランス語が早すぎて全然わからない。
同じ道を右往左往して、
徒歩15分くらいで行けるはずが、
たどり着くまでに1時間ほどかかってしまった。
色々あったけど、無事にホテルに着けたこと、メトロに乗れたこと、切符が買えたこと、エトセトラ・・などひとつひとつのできたことがめちゃくちゃ嬉しくて、達成感がすごくあって、疲れはほとんど感じていなかった。
しかし、同室の女の子たちが、めちゃくちゃ速い英語でしゃべってる。
やばいこれに話しかける自信がない・・・
ユースホステルの受付のたまり場に出向くと、
日本人が何人かいた。
その日本人の中に、
フランス在住で日本人の料理人のおじさんが滞在していた。
そのおじさんは、新しい家が決まるまでの間、しばらくユースホステルで仮住まいをしているらしい。
フランス生活がベテランの、このおじさんにめちゃくちゃお世話になった。
つづく
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