私にとってのネットとテレビ
こんにちは。しゅーとです。今回は、春学期2019年6月9日に執筆しました「マルチメディア情報社会論」という輪講授業のレポートを載せたいと思います。輪講の授業は教授が凡そ2回ごとで変わるため、そのたびに授業の感想を兼ねたワンテーマの1000字程度のレポートを提出する形式が多いです。本レポートを提出した先の碓井教授は、私が在籍する新聞学科の教授で、テレビ文化に現場から携わってきた教授です。授業も現場の知見が生かされるユニークなものになっており、楽しんでいました。
前置きが長くなりましたが、さっそくレポートに行こう。
1.概要
私は普段そこまでテレビを積極的に視聴する人間ではない。日々のニュースはインターネットを中心に確認し、娯楽コンテンツも基本ネットでみている。テレビは、ついてはいるが見てはいないという状況が当たり前になっている。そんな中、私が今回自身のテレビ論として取り上げたいのは、インターネットとテレビの関係だ。
2.「ネットとテレビの融合」
「ネットとテレビの融合」という概念は、インターネットが台頭してきた初期のころから騒がれていたが、近年になってその必要性や実現性はより一層、現実味を帯びてきただろう。その背景には、インターネットを中心とした通信技術の圧倒的な進歩とハード技術の発展がある。
3.ネットの発展
日本のインターネットは、民間利用され始めた最初のころ、つまり1990年代の電話回線を利用したものから始まった。当時は、起動するのに数十分かかり、画像なんて読み込めたものではないと今から想像すると信じられない低速通信だ。2005年、ライブドアのニッポン放送買収問題が生じたときもまだ、インターネット通信の進歩はようやくYoutubeが産声を上げた程度で、多くの人はインターネットを通じて高画質動画が大量にやり取りされる時代が来るなど、思ってもみなかっただろう。それが、たったの数十年で、第五世代通信技術が開発され、2時間の映画が3秒でダウンロードできるほどの通信速度にまで進歩した。
4.テレビの強み
しかし、テレビにはインターネットでは持ち得ない特徴を持っている。それは、テレビのリーチ力だ。若者のテレビ離れとは言うものの、いまだテレビが放送する意義は非常に大きい。インターネットは、情報量が膨大にあり、受け手側は主体性をもってそれぞれの趣味趣向や目的に合わせ情報を取捨選択していく。しかし、テレビは民間キー局5チャンネルとNHKの1チャンネルで、大まかに6チャンネルしか選択肢がない。番組も同一時間には一つのチャンネルは一つの番組しか流せないのが基本であり、その選択肢の少なさが受け手側に画一的な情報を画一的に届ける役割を担っている。
このような、情報インフラとしてのテレビの役割は、その情報量の多さと双方向性が特徴であるインターネットでは担えない役割であり、テレビならではの特徴といえるだろう。インターネットは重要なメディアにはなり得るが、マス・メディアにはなり得ないのである。
5.結論
私自身は、娯楽も情報収集も自身の決めた時間組でやりたいと考えるので、テレビのような、リアルタイム性はストレスに感じてしまうのだが、皮肉にもそこがテレビの最後まで残る役割なのかもしれない。近年は、テレビ局もAbemaTVやTverなどのサービスで、そのコンテンツ力をネットの活用にも注いでおり、まさに転換期にある時代だ。
今後、テレビとインターネットの切っても切れない縁が、どのような形で結実していくのか、その行く末が楽しみである。
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