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足りないものは、拾いに行こう。


小さい頃、飛行機なんて怖くなかったの。

雲の中を飛んでいるのが好きで、「ふわふわしてるのかなあ、上に乗ってみたいなあ」なんて子供らしいこと考えて、揺れてもずっとワクワクしてた。

だけど、歳を取るたびに恐怖を覚えて、今では小さな揺れでも怖くなる。“世界一安全な乗り物“ってわかってるのにテレビとかで見る飛行機墜落事故を思い出して、「万が一落ちたらどうしよう」なんて考えてしまうから。

知識や経験を経て、大人になるにつれて怖いものが増えていくね。


1/26 uchimari collection4発売記念プチワンマン「太陽が歌う月の詩」

ご来場いただいた皆様、配信で画面越しに見てくださった皆様、応援してくださった皆様、ありがとうございました!!

一晩すぎた今日、率直な感想を言うと楽しかった!とかいう達成感よりも無事に終えることができたという安心感でいっぱいです。

そりゃ、そうだ。当日の12時にCDが出来上がったんだもん笑 超絶ギリギリの戦いをしていた私。間に合うとは思ってたんだけど、時間がないのにドリンクのフライヤー作ったり、トレイラー動画作ったりしてて影武者が欲しいと何度思ったか、、笑 次からはちゃんと計画を立てて行動して当日は余裕のある女になりたいです。


そんないろんなことに解放されて、ようやく一息ついたので今回のワンマンのことを少し綴っていくね。



企画を立てるのが怖くなった。

本格的に活動を始めてこの冬で4年目に突入したんだ。時の流れは早いね。

これまで、4つの自主企画をしたよ。

2019年7月 雨晴れを呼ぶ人
2019年9月 あなたを抱きしめる歌を(レコ発)
2020年3月 カゼヒカルヒ
2020年11月 つわぶきいろのくじら

4つの企画、全部に思い入れがある。

私は企画を立てるとき、絶対にコンセプトを決めて、そのコンセプトに合う人に出演オファーをするの。企画だからさ、本来は集客面とかきっとそうい所を重視しないといけないと思うんだけど、そういう面無視してちゃんと伝えたい思いがあって企画するの。

私は自分の曲をたくさんの人に届けたいって思って日々動いてる。伝えたい思いがあるの。企画も一緒で、伝えたいコンセプトがあって動いてる。

企画する度に毎回自分でどんな軸にするか考えて、イメージを沸かせてコンセプトを決めて、それに合ったタイトルをつけるためにネットでいろんな言葉の意味を検索して。

だから、出演オファーするときにものすごい長文で毎回オファーしていて(笑) おそらく受けった方皆さん驚愕してると思う、、(苦笑)こういうコンセプトの企画でこういう歌を歌ってるあなただから出演してほしいって超絶熱く語ったDMを送ってるのね。(これまで出演してくださったアーティストの皆様ありがとうございますm(_ _)m)

だから、自己満足かもしれないけど、4つの企画全部いい日だったと思ってるんだ。


でも、それを経て企画するのが怖くなった。

思い立ったら行動!なんでもできる気がする!経験が浅かった私は怖いものなんて何もなくて、むしろ憧れの人たちに近づきたくて、いろんなことに飛び込んでた。今思うと凄いパワフルだったな私。

でも、色々経験して、楽しいことも知る反面、大変なことや上手くいかない現実も知って怖くなった。毎回、プレシャーや不安がすごいし、お客さんや出演してくれたアーティストにも出て良かったって思ってもらえるように色々考えて動いて。

さらに活動年数が増えるにつれて、いろんなものがのしかかってくる。自分の実力不足具合、集客面、求められているもの。そういうのがわかってくるとどんどん怖くなる。

何より一度もソールドアウトしたことがないの。正直、ずっと夢なんだ。活動前からSNSで憧れのSSWが「ソールドアウトしました!」って言って、会場いっぱいのお客さんとの写真をみて、私もいつか企画するときはソールドしたいって思ってたから。でも毎回頑張るんだけど、そこには至らなくて。

そうなると、動くのが怖くなる。自信も無くなっていく。挑戦することが怖くなる。飛行機に乗るのが怖くなったのと同じように、企画することが怖くなった。

2021年に高木みかちゃんと「ハッピーガールは今日も歌う」という2マン企画をしたけど、それはみかちゃんが発案者だったから私はそれに乗っからせてもらっただけで、私の企画って感じではないんだよね。2人の共同の企画という感じで。

だから「つわぶきいろのくじら」以来、企画してない。


「絶対に何かしたほうがいい」



ワンマンライブは正直、まだするつもりが無かったの。

それは、私自身がすごくわかってたから。私にはその実力がないし、人も呼べないだろう。私のためにどれだけの人が来てくれるのか、、想像しただけで怖かった。上手くいく自信がなかったの。

活動年数から「ワンマンしないの?」とはよく言われたけど、「そんな無責任なこと言わないで」って思ってしまうほど、怖くて踏み出せなかった。


だけど、このuchimari collection4を出すにあたって、百花ちゃんと色々相談してたら「絶対、レコ発したほうがいい」って背中を押してくれて。

実は私、uchimari collectionをこれまで1、2出しているけど、発売記念ライブみたいなのはしてなかったんだよね。企画ライブは前述した通り、体力的にも精神的にもだいぶくるし、宅録だし。サラッと出したほうがなんのプレッシャーもなくていい、と単に逃げてただけかもしれない


でも今回は、百花ちゃんをリタちゃんが楽曲提供してくれたCDで百花ちゃんも背中を押してくれたのもあって「レコ発やるか!」って動き出して。

元々はワンマンではなく、レコ発ライブで楽曲提供してくれた百花ちゃんの出演(その時はまだリタちゃんには声かけようか迷ってた時期)で企画のコンセプトもその日に出すuchimari collection4とぴったり!と思ってたんだよね。

でも、百花ちゃんが都合が合わず、出演できなくなったのでさあどうしよう(笑)コンセプトを変えるか、、でもuchimari collection4を出すならコンセプトは変えたら絶対おかしい。そう考えた結果、ワンマンでまとめるほうが1番私の中の軸がずれない、と思ってワンマンをする自分の中では予想もしない展開になりました笑 人生、本当に明日もどうなるかわからないぜ!

でも、あのとき百花ちゃんが「絶対レコ発したほうがいい」という言葉がなければ、私はまた現実から目を逸らしていたと思う。逃げるという楽な道を知ってしまったから。

一生懸命頑張るということを思い出させてくれたの、感謝です。


ギターは私を裏切らない。


というわけで、レコ発という期限が決まってしまったので、そこから必死に2人の曲を練習することに。

CDのおまけでもワンマンでも話してるんだけど、2人がサラッと歌ったデモを送ってくれたので、「私も弾ける気がする!」なんて錯覚に陥ってたんだけど、弾いてみると全然!!私、全然弾けないの!!!!!

自分の実力を過信してただと思う。だって、なんだかんだ言って私もう4年もギター弾いてるから大体の曲は弾けるんじゃないかって。

でも、現実はそうじゃなかった。「ああ、私気づいてなかっただけですごい下手くそなんだな」って改めて気づいて。だけど落ち込んでる暇もないほど、期限が迫っていたので(苦笑)1から練習し始めるの。

最初、思うように全然弾けなくてさ。違うのはわかるのにできない、どうやったらいいかわからない。でも一人で悩んでる時間も勿体無いからさ、2人に弾いてる/歌ってる動画送りつけて、合ってるか確認したり、どうしたらいいか聞いたり。

めっちゃ遅いテンポでギター弾いてリズムが狂うところをできるまでやって、できたら少し早くしてを繰り返しばかりやってたら1番だけで1日が終わってしまった。ワンフレーズずつボイスメモに撮って聴いて撮って聴いてをやって、ボイスメモがいっぱいになった。

時速1ミリぐらいのスピードでしか前に進めなかったけど、少しずつ前に進んだら弾けるようになってた。小学生みたいだけど、弾けるようになった時は本当に嬉しくて1人で部屋でバンザイした笑

「ああ、そうだ。だから私はギターが好きなんだ」

忘れかけてたあの気持ちを思い出したの。頑張ったら頑張った分ちゃんと返ってくるギターが好きになったあの気持ち。

ギター初めてまもない頃、Fコードが弾けなくて1人で部屋で泣いたことがあって。私の指は小さいから無理だとか、できない理由を探してたけど、「私より小さい子も弾いてるから絶対弾ける」ってそう自分に言い聞かせて毎日挑戦して弾けるようになったの。

24のいい大人がF抑えられないから泣くって私の精神状態はともかく笑、コツコツと積み重ねればできるようになる、ことを思い出して。2人の曲は私には凄く難しいけど、頑張れば絶対歌えるようになるって思って猛練習して無事に完成に辿り着いて、ワンマンライブに臨みました。



足りないものはたくさんあるけれど

1/26のワンマンライブは、本当にドタバタで、忘れ物はするし、ハプニングも起こるし、もう笑いあり、涙ありの超スーパー感情の起伏が激しいライブでした笑

きっとそれは、私自身に今、自信が無いからかも。

この楽曲提供を通して、たくさんのことに気づいて。私はまだまだなんだなと思ったの。これまでの経験とかでさ、自分は上手くなったんだって思ってたけど、全然だったという現実に落とされて、、いや、昔よりは遥かに上手くなったんだけどね。上手くなったけど、まだまだ足りないものがたくさんあるんだなと。

だけど、それは、私自身が成長した証でもあるんだ。今までは、自分の音楽が周りと何が違うのかさえ気づけなかったのが、今はわかるようになった。それは、私の音楽レベルが上がったから。でも、それは、私の自信も奪ってく。

知らないほうが幸せだったかもしれない、、と思うこともある。だって、そのほうが怖がらずに歌えたから。


それでも、やっぱり、気づけてよかった。気づけたからもっともっと上手くなれる。その道のりの長さもわかってしまったからすぐに上手くなるわけでないともわかってるし、2人の曲を練習したように地道にコツコツとやるしかなくて、ぶっちゃけ心が折れそうだけど。そのせいで今、奴らは私の自信を奪ってるんだけど。

でも、ギターは私を裏切らない。私はそれも知ってるから、相棒と一緒に長い道のりを頑張るよ。



だから、
楽曲提供してもらってよかった。
ワンマンもしてよかった。

足りないものはたくさんあると気づいてしまったけど、それなら拾いに行けばいい。知らなかった技術も、奪われてしまった自信も取り返しに行けばいい。誰も拾っちゃいけないなんてルールないんだから。

だけど、拾いに行けるかは自分次第。もしかしたら迷子になって見つけられなくて弱音も吐いちゃうかもしれないけど、その時は焦らず休んで、時には振り替えて思い出せばいい。何度もできないって思ったけど、できるようになったこと。そうして、心が落ち着いたらまた拾いにいくね。


もっと、私の歌がたくさんの人に届くように。






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やうちまりな
やうちまりな ▶愛知県在住。ギター弾き語りのシンガーソングライター ▶Tiwtter @marina_yauchi55  2年前に仕事のストレス解消を理由にギターを始める。その後仕事を辞め、人前で歌い始める。恋の歌から飛び降り自殺の歌まで、ポップなメロディに載せて歌う。