ヨーダの物語 26
ヨーダは楽しみでほとんど一睡もできなかった。布団に入って目は閉じていたものの、眠りに入れたのがやっと朝日が昇る直前で、すぐに目覚まし時計が鳴った。
その日からジェダイ・アカデミーの合宿で、ライトセーバーの材料となるカイバー・クリスタルを採取しにいくのだった。
ヨーダにとって合宿というものも、他の星に行くのも(赤ん坊のころ他の星からジャクーに来たらしいが)初めてのことだった。
大きな船で旅をするのも楽しみだったし、銀河にただひとつの、自分だけのライトセーバーを作れることが何より楽しみだった。
アカデミーでは練習用の低出力のライトセーバーを授業で使ったことはあるが、自分だけのライトセーバーを作って使うことをひとつの目標としてきた。
それは、約3年前にヨーダの家にジェダイ・マスターであり、ジェダイ・アカデミーの教授であるガンヌとゾウセキが訪れ、初めて本物のライトセーバーを触らせてもらった時からずっと抱いてきた想いだった。
どんなデザインにしようか、どんな色の光刃になるだろうか、など、これから作るだろうライトセーバーについてあれこれ考えるのは、いつまでたっても飽きることではなかった。
眠れなかったのはギークも同じだったらしく、合宿の出発当日にアカデミーで出会ったとき、ふたりとも目の下にクマがあって笑い合った。
合宿にはジェダイ・アカデミーの同期の全員が行けるわけではなく、ヨーダ、ギークを含めて厳選された五人のみだった。
体が一番大きく、十本近いツノの生えた、ひょうきんもののザブラク種族のコウズとヨーダが、船の中では窓を見ながら特にはしゃいでいた。ジャクーの外に出たことのないのはこのふたりだけだったからだ。
他には、アカデミーナンバーワンの美少女であることは疑いの余地がなく生徒会長的なしっかり者であるトグルータ種族のチャオと、面長でメガネをかけ、コウズとヨーダがはしゃぐのを迷惑そうに横目で見ながら本を読む、ムウン種族のアマネがいた。
(ヨーダの物語 27につづく)