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ヨーダの物語 93

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、フォースとは何かを学んでいくが壁にぶつかる!

 
 ヨーダはしばらく両膝を地面についていた。グラドゥに追いつかねばと、片足をついて立ちあがろうとしたが足がいうことをきかず倒れて仰向けになってしまった。こんなことで本当にギークと渡り合えるようになるのだろうか・・。ヨーダは森の木々の間からのぞく空を見ながら思った。そこに、 QQ11と、ミルクボールの子が寄ってきてヨーダの顔を見下ろした。2匹とも、首をかしげ、途方に暮れたジェダイの卵の顔をじっと見ている。
 (大丈夫。昨日より今日の方が強くなってる。だから今日よりも明日、明日よりあさってはもっと強くなっているはずだ。フォースと自分を信じるんだ。もっと強くなって、ギークを説得して、必ずギークと一緒にジャクーに帰るんだ)
 ヨーダは意を決し、ふたたび起き上がった。足はかなりふらついておぼつかないが、なんとか立つことができた。早くグラドゥに追いつかないと・・!ヨーダは森を出てグラドゥの家の方へ走っていった。 QQ11と、そのあとにミルクボールの子供もヨーダに並んで走った。
 「おまえ、ついて来ていいのか?お母さんは?」
 ミルクボールは、わたの毛で見えない4本足で走りながら奥の方の黒目をパチパチさせ、「?」というような感じでヨーダの顔を見て、再び前を向いて走りつづけた。好きにさせてやるか、と思い、ヨーダたちはしばらく走りつづけてグラドゥに追いついた。
 「やっと追いついたかい。夕飯を作ってくれないと困るからねえ。あんたのジャクーの郷土料理は美味しいよ。あら、この子もついて来たのかい。お母さんは?」
 と、グラドゥはミルクボールを向きながらヨーダと同じ質問をした。
 ミルクボールの子は、森の方を振り返り、再びグラドゥの顔を見上げ、「クーン・・」と声をだした。
 「そうかい。親は病気で死んだんだね。とりあえずうちに来なさい。ひとりは寂しいだろうて」
 グラドゥはやさしく話しかけた。
 「この子の言っていることがわかるんですか?」
 ヨーダは驚いてたずねた。
 「だいたいね。フォースを扱うとき、宇宙全体に心を解き放つのと同じように、この子に対して本当に心を開けば、自ずとわかってくるよ」

 (ヨーダの物語 94につづく)