ヨーダの物語 123
【前回までのあらすじ】
少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスター数名を殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星で修行し、ついにギークとの死闘の末、決着がつく。
そして故郷であるジャクーへ帰る・・。
ヨーダはシューマ博士に会いに行き、それまであったことを話したあと、ホバーボードに乗って、ギークとその姉、リンクが住んでいた家のあった場所へ向かった。
焼けてしまった家は、残骸が片付けられ更地になり、地面にはわずかに燃えかすが残っているだけだった。
そのすぐ脇に、リンクの簡素なお墓があった。ヨーダくらいの高さの細長い石に、ギークの両親と姉の名前が刻まれていた。
ヨーダはそこに膝をつき、リュックから花束を取り出して置いた。
「リンクさん、ギークを連れてきたよ」
ヨーダは小声で言うと、リュックからヨーダの頭より少し小さめの、ギークの骨の入った鉄製のカプセルを取り出し、墓の横に置いた。
「ギーク、帰ってきたぞ」
ヨーダは腰から自分のライトセーバーを取り出して両手で水平に持ち、青と緑のダブルブレイドを起動させた。ライトセーバー特有の鈍い電子音があたりに響いた。
ヨーダは持ち手をひねって二本のライトセーバーに分けて、光刃を収めた。青い方のライトセーバーをお骨のカプセルの横に置いた。
「ギーク、ぼくたちはいつも一緒だ。これはおまえのライトセーバーだ。受け取ってくれるかい?」
ヨーダは右手をカプセルとライトセーバーにかざすと、そのまわりの砂が揺れ、地面に沈んでいった。
ヨーダは橙色の夕日を目を細めて見つめた。ギークの家族の墓石とヨーダの影は、砂の大地に波打って長くのびていた。
(ヨーダの物語 124へつづく)