ヨーダの物語 120
【前回までのあらすじ】
少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスター数名を殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星で修行し、ついにギークとの死闘の末、決着がつく・・。そしてレイゴウが来る!
『ヨーダという少年よ、我が研究データを破壊してくれたとな? やってくれたのう。わしの永年の研究が・・!
データを盗まれることを恐れ、データのコピーは取らず、オンラインでアクセスもできないようにし、フォースも通さない施設を作ろうと提案してきたのは、ギークじゃ。やつめ、ここまで見越しておったのか・・!?』
ヨーダの首はレイゴウのフォースによって絞めあげられた。手足も痺れ、いうことをきかなかった。
『・・レイゴウ、だったな?おまえの好きにはさせない!おれがお前を倒す!いま、ここで!』
ヨーダは息も絶え絶えだったが、フォースの声で叫んだ。
『ほっほっほっ。おぬしがわしを倒すだと?どうやって?おぬしはもうすぐ死ぬ。それともどうじゃ?わしの弟子になるか?おぬしほどの強さがあれば、わしと銀河を支配できるぞ』
『断る』
『では死ね』
冷たいフォースの手は、ヨーダの首を一層絞めあげ、ほとんど息ができなくなった。ヨーダは白目になり、意識は朦朧としてきた。
(ぼくは死ぬのか・・。母さん、ごめんなさい、勝手に家を飛び出して・・守ることもできなくて・・)
その時、赤い閃光がヨーダの顔の前を通り過ぎた。
ヨーダがそれを網膜で感じ取った瞬間、首を絞めるフォースは消え、浮いたヨーダは地面に転がった。何度か咳き込み、やっと顔を上げると、目の前にギークの赤い光刃が浮いていた。まるでギークが両手で持って、切先を見えない敵に向けて構えるように。
(ギーク!まさか生きて・・)
ヨーダの目にはドッと涙があふれた。
(ヨーダの物語 121へつづく)