ヨーダの物語 124
【前回までのあらすじ】
少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスター数名を殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星で修行し、ついにギークとの死闘の末、決着がつく。
そして故郷であるジャクーへ帰る・・。
*
「ヨーダくん、きみのしたことは、ジェダイの掟に大きく背いたものです。シスとの戦いに、まだパダワンにもなっていないきみが行くのは無謀の極みでした。そのことは認めるわね?」
「はい」
ヨーダは相手の眼をまっすぐ見て応えた。
ヨーダはコルサントのジェダイ評議会の場に立っていた。窓の外には無数の高層建造物と、その間を行き交う見たこともない数の乗り物があった。目の前にはジェダイ評議会のメンバー八人が半円状になって鎮座していた。
ヨーダに問いかけたのは、八人の中で最長老と思われるジェダイ・マスター、プラクーンの女性だった。
「こちらにももちろん落ち度はあります。ジェダイ・マスターを何人も送ったが、ダークサイドに堕ちてしまったきみの友達であるギークを救うことも、阻止することもできずに、逆に何度も返り討ちにあってしまった。今後の対応を議論している間に、ギークとレイゴウの勢力はものすごいスピードで拡大し、きみによるとコルサントやジャクーなど、ジェダイ・テンプルやアカデミーのある星を一斉に攻撃してジェダイを殲滅しようといていたとのこと。
たしかにザンダーには、彼らの要塞があり、破壊されたその中には無数のドロイドが配置されていた。実際に彼らがコルサントに攻撃してきたら、甚大な被害をもたらしていたでしょう。それを未然に防いでくれたことは、心から感謝します」
ヨーダは聞きながら、ギークと初めてジェダイ・アカデミーで出会った時のことや、そこでの勉強や厳しい訓練の日々、シューマ博士のラボで遊んだことや、ギークと共に元シス・ツキシマを倒しにいったこと、ギークが深い傷を負い、ダークサイドへ堕ちてしまったこと、師匠グラドゥとの修行の日々、ギークとの最後の戦いなどを思い出していた。顔はうつむき、眼に涙を溜めていたので評議会のメンバーには、ヨーダが深く反省しているように見えたかもしれない。
ジェダイ評議会の最長老は続けた。
「きみはまだジェダイ・アカデミーを卒業していません。きみの同級生の数名、きみといっしょにカイバークリスタルを探しにいったメンバーは、無事に卒業しパダワンとなってそれぞれのマスターとともに銀河中を旅しています。
きみの今後について、アカデミーに入り直し、卒業してからパダワンとさせるかどうか議論されましたが、きみの師であるグラドゥに相談したところ(わたしも彼女も元で修行したことがあるのよ)、アカデミーに通い直す必要はない、今はパダワン以上の実力と忍耐力を持っている、というお墨付きをもらいました。
故にきみを、アカデミー卒業とともにパダワンとしての修行も修了したものとします」
ヨーダは顔を上げた。
「・・というと?」
「ジェダイ評議会は、きみをジェダイの騎士として認めることにしました。グラドゥに感謝しなさい」
ヨーダは喜びというよりも戸惑いの方が大きく、今すぐグラドゥに会いに行きたくなった。
(ヨーダの物語 125へつづく)