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ヨーダの物語 92

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、フォースとは何かを学んでいく!


「もしあたしのライトセーバーを斬って壊せるなら壊しても良いぞ。もしそこまでできるなら、これ以上修行する必要もあるまい」
 ヨーダは思った。(ということは、グラドゥのライトセーバーを壊せるくらいに強くなれば、ギークと互角かそれ以上にわたりあえるということか・・?)
 ヨーダはライトセーバーを起動し、かまえた。浮いているグラドゥのライトセーバーはまるで生きているジェダイが持っているように切先がわずかに揺れ、ヨーダの喉元に向けられた。それは一分の隙も無いため、なかなかヨーダからは攻撃できずに時間だけが過ぎていった。
 「どうした?すでに戦いは始まっておるぞ」
 師匠に言われても動けないでいると、「ではこちらから攻めるよ」と言って、グラドゥの黄色い光刃はヨーダの頭めがけて突きを放ってきた。それをなんとかかわし、ヨーダは相手のライトセーバーの柄を狙って振り下ろしたが、あっさりかわされ、瞬間、自分の眉間に触れるほど近くに黄色い光刃が突きつけられた。眉間が熱くなり、血の気が一気に引いた。
 「参りました・・」
 ヨーダは恐怖と疲労で両膝をついた。 
 「今日はそろそろ帰るぞぃ」
 グラドゥは光刃を杖に納め、ヨーダに背を向けてトコトコと歩き出した。

 (ヨーダの物語 93へつづく)