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ヨーダの物語 115

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星で修行し、ついにギークのいる稲妻の星ザンダーへ到着。ギークと戦うこととなる!


 ヨーダが逆手に持った青い光刃をギークに向かって水平に振るうと、ギークは後方に跳んでそれをよけた。ヨーダはすかさず間合いを詰め、緑の光刃で突きを放った。ギークはそれを赤い光刃で受け流しながら身体をまわし、攻撃に転じてきた。下から天に向かって光刃を振るってきて、ヨーダはバック転してスレスレでかわした。そこへギークは上から光刃を振るい、ヨーダは両手の光刃を交差させ受け止めた。ギークのパワーに圧倒され、ヨーダは片膝を地面についた。 
 二本の光刃で受け止めたのですぐには両断されなかったが、高速で回転するギークの赤い光刃は少しずつヨーダの光刃に食い込んでいった。このままでは両断される!と思い、ヨーダはとっさにフォースで赤い光刃の回転を止めようと試みた。そうすれば自分の光刃を切り裂かれることはないはずだ。赤い光刃は回転を少し減速させたが、すぐに回転数が高速に戻った。ギークは逆に赤い光刃の回転を加えるフォースを使っていたのだ。ふたりのフォースはほぼ互角なので、元々のライトセーバーの回転動力はそのまま活かされ、回転を止めることはできなかった。ヨーダは仕方なく近くの岩をフォースで動かしギークに当てようとした。ギークがフォースでそれを防ぐ一瞬の隙をみてヨーダは十数メートル後ろに跳びのいた。体力とフォースを操る精神力はすでに限界に達しようとしていた。

 ギークは歩いて近づいてきた。ヨーダの呼吸はまだ整っていない。片膝をついて肩で息をし、まだ立てないでいた。
 (このまま体力が回復しないまま攻撃されたら確実に負ける、どうしたらいい?)
 ヨーダは考えたが良いアイデアが出てこないないまま、ギークはどんどん近づいてくる。ふいにヨーダの体がフワリと浮かんだ。一瞬ヨーダは頭が真っ白になった。(まさかギークが・・?)と思った瞬間、ヨーダは後方に吹っ飛び、地面を転がった。さきほどギークに飛ばされた距離よりはるかに遠く、優に400〜500メートルは飛ばされた。ヨーダは地面を転がったとはいえ、地面に着く時にはフォースによって減速され、体へのダメージが少ないのが疑問だった。遠くにいるギークを見ると、上や後ろを何度も見ていた。
 (様子がおかしい。ギークが僕を吹っ飛ばしたんじゃないのか?)ヨーダも立てないながらも周りを見ると、ギークからは見えない岩陰で、ホバーボードに乗ったQQ11とミルクボールがこちらを向いていた。
 ヨーダは師匠のグラドゥと別れるときの言葉を思い出した。
 『一緒に行きたいんだとさ。その子はフォースを持っている。もしかしたらあんたを手助けしてくれるかもしれん』
 (ミルクボール、まさか君が・・?)
 小さいミルクボールは、白い毛の奥にある瞳をパチパチさせていた。
 「ありがとう、ミルクボール。これで時間をかせげる」
 
 (ヨーダの物語 116へつづく)