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ヨーダの物語 86
【前回までのあらすじ】
少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、フォースの真髄を学んでゆく!
「あなたの声が聞こえました。耳ではなく、直接頭の中に響いてきたような感じです」
ヨーダは遠くを見ながら師匠につぶやいた。
「これもまたフォースのなせる業(わざ)じゃ。いまは近くであんたの心に直接話しかけたが、これは、フォース感応者であれば、たとえ別の銀河にいても可能だよ。フォースにとっては、距離というものは何の意味も持たない。
そうじゃ、いいものを見せよう」
グラドゥは、地面にめりこんでいる、2m四方ほどの大きさの岩をフォースにより持ち上げた。ゴゴゴッという音とともに大きな岩は地面から出てきて浮いていた。そして両手を組み、パッと話すと、岩はメリメリと音を出し、真っ二つに割れて落ちた。
「おおっ」
ヨーダは思わず声をもらした。それにはおかまいなしに、グラドゥはもう一度胸の前で手を組み、パッと離した。動き自体は先ほどと全く同じだったが、近くの岩が割れたなどということはなかった。
「グラドゥ、今度は何をしたんです?」
「今にわかるわぃ。それじゃあ、あんたはひと休みしたから、ビームの出力と数を増やしてもう一度やるぞぃ」
「わ、わかりました!」
やっぱり続くよなあ、と思いながら、ヨーダはまた自分で布で耳と目を覆い、棒を横一文字に構えた。
その日の夜は、ヨーダは疲労のためやっとのことで夕飯を作り、食べながらテーブルで寝てしまった。グラドゥは、しょうがないねぇ、と呟きながらヨーダの肩に毛布をかけてやった。食器を片付けていると、QQ11が足元にやってきて、胴体からホログラム映像が出てきた。相手はシューマ博士だった。
「おおっ、グラドゥ!夕飯が終わったところかな?」
「そうだよ。いきなりどうしたんだい?体の調子はどうだい?」
「だいぶ良くなって、最近歩けるようにはなったわぃ、ほら」
博士は右腕を三角巾で吊るしているものの立って話していて、その場で脚を屈伸してスクワットをしたが、痛てて、と腰をさすった。
「無理するんじゃないよ。しかし、老いぼれ博士がシスにコテンパンにやられて無事だからさすがだよ」
「無事と言えるかどうか・・危うく殺されかけたよ。しかも、やられたのはレイゴウの弟子の方じゃがな。まだシスにもなっておらん子供にじゃよ。
ところでヨーダの修行の方はどんな感じだい?順調に進んでいるかな?」
「この通り、食べながら寝てしまったよ。まあ根性はそこそこあるね。あんたのお墨付きだから当然か」
「グラドゥにそこそこ、って言われれば大したもんじゃ。はっは!痛たた・・!」
シューマ博士はまた腰をさすった。
「レイゴウやその弟子の動きはどうだい?」
グラドゥは身を乗り出して訊いた。
(ヨーダの物語 87につづく)