人材営業マンは知るべき!「黒船」indeedについて
「仕事探しはindeed~♪」でおなじみのindeed。2017年から放送されているこのCM、みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。
indeedは2005年にアメリカでサービスが開始され、日本で運営が始まったのが2010年頃と、創立からまだ15年ほどの求人メディア。
しかし、日本での求人メディアにおける月間訪問者数は、リクナビNEXTやマイナビの900万人に比べ、indeedは2900万人で3倍以上と圧倒的なシェアを誇っています。また、世界規模でも月間訪問者数は2億5000万人と、indeedって実は世界No.1の求人メディアなんです。
日本上陸後、圧倒的なシェアと変革を起こし「黒船」とも形容されるindeed。今回は、indeedが成長している要因や従来の求人サービスと異なるポイントを、内定者としてindeedを運用していた経験も合わせて、お話していきたいと思います。
1.時代遅れなニッポン
indeedが圧倒的に普及した理由に、時代遅れな日本の転職の概念があります。日本は、スマートフォンが普及し情報社会になったにも関わらず、転職の形はここ30年ほど変わっていないんです。
では、どのような現状があるのか確認していきましょう。現在、最も主流な採用手法は、求人広告が該当します。求人広告は、求職者が手にするメディアがあり、そこの求人広告枠を企業が購入して情報を載せるという形です。マイナビ転職やリクナビNEXTなどですね。
しかし、求人広告による採用手法は今後10年間で廃れていくと言われています。これは、企業が求人広告では欲しい人材を取れなくなっていく、という意味です。なぜなら、求人メディアが複雑化していっているからなんです。
2.複雑化する採用
例えば、株式会社Aを立ち上げるとしましょう、そしてマイナビ転職を使って営業職を5人募集するとします。応募に来る求職者は、数ある求人メディアの中から、マイナビ転職で営業職を検索し、莫大な検索候補の中から株式会社Aを選んだ場合にのみ、面接に来ます。また、マッチしたとしても不採用や内定辞退の可能性もあり得ます。
つまり、求人メディアや掲載企業の増加で、企業は欲しい人材に見つけてもらえない、また差別化が出来ずにマッチしづらい状況が起きているんです。
これを解決するのがindeedとオウンドメディアリクルーティング(OMR)という採用手法です。今回は話がずれてしまうので、OMRは簡単な紹介で済ませておきます。
オウンドメディアリクルーティング(OMR)
自社の運営するメディア(採用サイトやSNS・社員)を軸に、高付加価値人材に自社主体で直接メッセージを発信し、共感を喚起することで人材獲得につなげていく、能動的リクルーティングです。自社の採用サイトで応募を募ることが目的。
では、indeedが求人メディアの複雑化を解決できる理由について、indeedの仕組みから説明していきます。
3.indeedの仕組み
indeedの仕組みについて、①求人検索エンジンと②機械学習システムの2つからお話しします。
①求人検索エンジン
indeedは求人検索型エンジンと呼ばれる、従来の求人広告とは全く異なるものになります。検索エンジンといえば、GoogleやYahoo!を思い浮かべると思いますが、indeedも同じような仕組みです。
例えば、Googleはweb上のあらゆる情報をロボットに収集(クロール)させて、ユーザーが入力したキーワードにマッチするものを表示させています。
収集(クロール)とは、web上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するプログラムのこと。
indeedはweb上にあるすべての求人メディアや企業の採用ページをクローリングし、掲載しています。つまり、求人を探すのであればindeedが最も多くの情報に触れることができる場所になります。
②機械学習システム
そしたら検索結果が膨大になるのでは...と思われがちですが、問題はありません。テクノロジーが最適な仕事を導いてくれるんです。
indeedは利用者がどんな場所にいて、スマートフォンのOSは何を使っていて、どんな仕事を探していて...というのをワンクリック毎に分析してパーソナライズしています。そして、このエリアで仕事を探している人はこうした仕事を探す傾向にある、ということを割り出すことで、適した仕事を見つけやすくしているんです。
つまり、機械学習システムによって、indeedは使えば使うほど利用者に最適化されていきます。また、世界60か国以上かつ月間2億人以上のデータを精密に分析して、どんどん精度を高めていっている、これが大まかなindeedの仕組みなんです。
4.indeedの特徴
ここではindeedの特徴を3つのポイントからお話していきます。
①クリック課金制
indeedは有料掲載として、求職者の目に留まりやすい位置に求人原稿を表示することが可能ですが、求人原稿がクリックされたら料金が発生するというクリック課金制を取っています。
②運用型広告
indeedは求職者の検索ワードや行動履歴、位置情報などをもとに求人情報が掲載されるため、運用がとても大事になってくる広告なのです。
以前に合った案件で、「塾長」を募集しているが応募が集まらない取引先がありました。そこで「教室長」に求人の部類を変更したところ、見事採用ができたという事例がありました。これは、「塾長」だと掲載企業が多く埋もれていたが、「教室長」に変更後は上位に表示されるようになり、求職者の目に留まって応募が集まった、という理由がありました。
③リスティング広告の強さ
indeedはリスティング広告に莫大にお金をかけています。たとえば、Googleで「営業 新宿」と調べると、最上位にindeedが表示されます。このように、indeedは求職者の目に留まりやすいような工夫がなされているのです。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告のこと。
5.おわりに
2500文字以内でまとめたかったのですが、この時点で超えてしまい、ここまで読んでいただいている方には本当に感謝です。笑
indeedは求人広告と違って「掲載して終わり」ではなく、クリックや応募されるために「求職者は何を考えているのか」をとにかく考えて運用するものになります。だからこそ、運用する人の手腕にすべてがかかっていて、やりがいがあって本当に面白いサービスです。
また、機会があればオウンドメディアリクルーティングについても書きたいと思います。OMRも運用が大事な採用手法で、求人広告のように他社のメディアではなく、自社メディアに求職者を誘導するので、たとえば「求職者がどこを見てページを離脱している」まで具体的に分かるんです。web広告も内定者時代に運用していたので、そのお話もかねて機会があればアウトプットしたいと思います!
indeedについて興味が湧いた方は、社長とCEOのインタビューも見てみてください。indeedの世界観がより伝わるかと思います。
ご覧いただきありがとうございました!
6.参考文献
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