とうとうホームレスになってしまった
ホームレスになるとは思ってなかった。
昨年末まで住んでいたアパートは、当初より12月末で退去する約束だった。入居した時から取り壊しになる事もわかっていたのだが、何とかなると楽観的に考えていた。けれど他のアパートを借りるお金もなく、知り合いの家に厄介になったりしながらも結果的にはホームレスになってしまった。
生活保護の窓口である、区の総合福祉事務所に行った。ホームレスの状況では無料宿泊施設に入るしかないとの事だった。もうすぐ取り壊されるアパートには大量の荷物が残っており、ゴミ屋敷と呼ばれても仕方ない状況だった。退去した今も片付けに通っている。2月17日からは個展(企画としてギャラリーを提供して頂くので金銭的負担は無い)も予定している。
職員の方々は、親身になって相談に乗ってくださったが、無料宿泊施設に入るならば、個展も部屋の片付けに連日通うこともあきらめてもらわなければならないと言われた。
どちらもあきらめる訳にはいかない。こんな理由で個展をあきらめるなんて死んでるのと同じだとすら思った。
「でしたら個展が終わっても状況が変わってなかったら、また来てください」と言われた。何十年もイラストやマンガを生業としてきた。無料宿泊施設に入ったならば『やりたい仕事』ではなく『出来る仕事』をやるのだと、日雇いの仕事をしてもらうことになると言われた。イラストやマンガを描くことは、生活基盤が整ってから再開してくださいとのことだった。一度ホームレスになってしまった以上、民間のアパートを借りて生活保護を受け取れるのは、ずっと先の話だとも言われてしまった。
それで、生活保護の申請はやめて帰ってきた。心配して付き添ってくれた知人は、この状況で個展をあきらめたくないと言った事に呆れて怒っていた。
とりあえずは寝泊まりさせてくれる友人がいて、真冬の公園で寝ることは避ける事が出来ました。今はとにかく個展と部屋の片付けに集中して、金銭を得て危機回避しなくてはと考えています。どうぞよろしくお願いします。
✒️内田かずひろ個展
マンガ家デビュー30周年+1(ワン)
1月中旬、刊行の童話
『みんなふつうで、みんなへん。』の原画を中心にした展示です。
(文・枡野浩一/絵・内田かずひろ/あかね書房)
https://www.akaneshobo.co.jp/search/info.php?isbn=9784251044754
とき
2021年2月17日(水)~2月25日(木)
11:00~19:00
ところ
「コーヒー&ギャラリー ゑいじう」
東京都新宿区荒木町22−38
TEL 03-3356-0098