子育てを楽しむ〜発達障害児との一場面
ウチの鍼灸院の常連の方が7歳の発達障害のある男の子を連れてきました。
この子は何度もウチに来ていて私とも顔見知りです。
その子は今、車に夢中です。
その日は玄関に入るなり
「ピーポー ピーポー」大きな声が聞こえてきました。消防車のようです。
「ピーポー ピーポー ピーポー…」
彼の頭の中では消防車が走り回っています。
お母さんが「やめなさい」と何度言っても消防車は走り続け、むしろさらに声を張り上げています。
「ピーポー ピーポー ピーポー…」
私は男の子の耳元でこうささやきました。
「消防車はだんだん遠くへ行きます。
ピーポーの声が少し小さくなりました。
「もっと遠くへ走っていきます。」
ピーポーの声はさらに小さくなりました。
「消防車はお山の向こうにいきます」
ピーポーの声はささやきに変わりました。
「消防車はお山の向こうの車庫に入って、エンジンを切りました。
ピーポーは止みました。
そして男の子と目を合わせて、ニコッと笑い合いました。
私はこの男の子とのやりとりが
楽しく感じました。