ぐにゃり11月18日
昨日のぽかぽかした天気とはうってかわって寒空。布団にくるまりながら睡眠の記録を見てみた。
寝つきまでに1時間。睡眠グラフが浅瀬から深いところまでをアップダウンしている。寝言はなかったけれど、いびきをかいていた。眠くて頭がぐらんぐらんしている様子を、船をこぐというし、寝るって潜る感じがする。どんな海にいっているんだろうね。
ちょうど、『無限の月』という本を読み終えたばかり。主人公の日本人男性が、カチューシャと呼ばれるウェアラブル端末の試作品をつけて眠るとなぜか中国の女性の記憶にアクセスしてしまうという話。夢と現実、まるで胡蝶の夢みたいになってくるけれど、どっちが本当の自分なのか、自分は誰なのか、私はひとりなのか?
『ゴリラ裁判の日』の作者、須藤さんの2作目。相変わらず途中までは突拍子もなく思えつつ、本質的な問いを投げかけてくるあたりが面白い。
『無限の月』の10分後に読み終わったのが、桜木紫乃さんの『ヒロイン』。なんでそんなことになったかというと、どちらもクライマックスだけ残っちゃっていたから、出先に持っていくのには足りなくて。クライマックス祭りを開催。
地下鉄サリン事件当日に、何も知らされず実行犯の人についていった教団の女性。指名手配となり、17年間を別人として生きる。名前を変え、髪を切りメイクとダイエットをして見た目を変える。指名手配のポスターが掲げてある店内で普通に働き、私の罪は一体なんだったんだろうとぼんやりとする。
またしても自分の境目が揺らいでいる人の話。
本当に仲の良い友人や、彼氏、家族だって、その人がいなかったら人生が変わっていたと感じる瞬間がある。そうすると、自分の境目にもぐにゃりと誰かも加わっている気がしてくる。
なんか難しいことを考えはじめたら眠くなってきた。今日はなるべく早く帰ってはやく眠るんだ!
そして今日は、彼氏さんと付き合って2年目の日。あの日から2年と思うと感慨深い。2人の間で交わしたものがどんどん増えて、お互いに馴染んだ感じがある。隣にいると居心地がいいという好きから始まって、隣にいないと寂しいという好きになってきている。
2年間の間に、変わっていないように思えても少しずつ変化している。きっとこれからも。