Binderのドメイン分析テストマトリクス

Binderのドメイン分析テストマトリクスは、関係性のある複数の変数の組み合わせを体系的に整理し、それぞれの組み合わせに対してテストケースを作成する手法です。このマトリクスを用いることで、テストの網羅性を確保しつつ、効率的なテスト計画を立てることができます。

マトリクスの構成

Binderのドメイン分析テストマトリクスは、以下の要素で構成されます:

変数
テスト対象となる全ての変数をリストアップします。これには、入力データ、環境条件、システム設定などが含まれます。

各変数に対して、考えられる全ての値(または値の範囲)を設定します。これにより、変数ごとの全ての状態がカバーされます。
組み合わせの生成
変数とその値を組み合わせたマトリクスを作成します。ここでは、全ての組み合わせを網羅するように組み合わせます。
テストケースの作成
生成された組み合わせごとにテストケースを作成し、それぞれの組み合わせに対して期待される結果を明確にします。

on/off/in/out表

ドメイン分析テストマトリクスを作成する前に、まずはドメイン分析します。ここでいうドメインとは「x≧10の場合」や「x>10の場合」といった条件のようなものと理解すると良いと思います。
そして、ドメインを分析するとは、各ドメイン(条件)に対して境界値分析や同値分析を行うことを言います。
そのドメイン分析の結果をまとめた表が「on/of/in/out表」というわけです。
テストケースについて、少しでも複雑と感じたらon/off/in/out表を作ってみると良いでしょう。

では、下記に「on/off/in/out表」の各概念について解説いたします。

on:
着目している境界値のこと
===
x≧10の場合 10(有効値)
x>10の場合 10(無効値)
===
off:
onのポイントに対して境界値分析をした時に見つかる隣接したもう一つの境界値。onポイントが有効値の場合はoffポイントは無効値になり、onポイントが無効値であれば、offポイントは有効値になります。
===
x≧10の場合 9(無効値)
x>10の場合 11(有効値)
===
in:
ドメインの内側の値でon、off以外の値になります。
===
x≧10の場合 15
x>10の場合 15
===
out:
ドメインの外側の値でon、off以外の値になります。
===
x≧10の場合 15
x>10の場合 15
===

各変数に対して、on/off/inを総当たりでテストするのが「Binderのドメイン分析テストマトリクス」です。

ここで、outが漏れたいる理由を説明します。
outが漏れている理由は「有効な値(正常値)は複数同時に確認できるが、無効な値(異常値)は1回に1つずつしか確認できない」からです。
例えば、x≧10、y≧10、というドメイン(条件)があった場合、x=9,
y=9なら期待値は異常になりますが、xの異常を検知したのか、yの異常を検知したかわからないということです。
これが「異常値は他の異常値を隠す」と言われるゆえんです。
結論、outという外側の値(必ず異常値)をテストケースに加えてしまうと、他の異常値のテストができないということです。

勉強させていただいた著書


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