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記憶のなかの「夕暮れ」とリンクする香り。メゾン マルジェラ「オン ア デート(On a Date)」

メゾン マルジェラに、秋にぴったりな香りがありました。
秋の夕暮れ、南仏プロヴァンスでのワイン・デートをイメージした「オン ア デート(On a Date)」です。

こちらは「センチメンタルな夕暮れ」というより、思わず「ありがとう」と呟いてしまいそうな、愛おしくて懐かしい香りです。

「これまで経験したことのない風景を、懐かしく思う」
一言でいうなら、こうでしょう。


「オン ア デート(On a Date)」の香り立ち

調香にはソムリエも携わったという「On A Date(オン ア デート)」

トップノートはとてもみずみずしく、まるで旬のブドウを口に含んだような爽やかな甘さがあたりに広がります。
次に鼻腔に残るのは、ブドウと一緒に香るきれいなローズ。

さてさて、夕暮れの太陽はここでさらに傾いてきました。(頭のなかの)情景も、黄金色に染まっています。

ミドルノート以降、香りはよりしっとりとした表情に変わります。ワインが年月をかけて、少しずつ熟成するようなイメージでしょうか。

もしかしたら夕暮れを見ている2人も、長い年月を共にしてきたのかもしれません。
お互いがお互いを深く理解している。付き合いたてのフレッシュさはないけれど、お互いになくてはならない存在。

ブドウ畑でなくても、記憶のなかの「夕暮れ」とリンクする香り

そんな「絆」のようなイメージが、ミドルノート以降の深い深い大地の香りから現れます。
ラストはパチョリ、モス(苔)の香りが。2人の絆をさらに固く結んでいく、というイメージです。

終盤はどちらかというと男性的かな?
先のフェミニンなローズを「包み込む」ような感じです。

ほがらかで心地良いブドウ&ローズの香りから、次第に落ち着いた大地の香りへ。ほどよい甘さと渋さが混在する、とても上品な香りです。

まとう人のイメージ像

飽きの来ない1本、そして男性にも女性にも

「On A Date(オン ア デート)」には、レプリカシリーズ特有の清潔感がはっきりと感じ取れます。それに加え、上品さも、遊び心もあります。

一見、女性の香りという印象を受けますが、中盤以降の渋さにはユニセックスな雰囲気が。そのため、ザ・メンズ香水に抵抗があるという男性には着けやすい香りと言えるでしょう。

ただスイートな香水ではありませんので、「中性的な香りが好き」「香水に二面性を求める」という人にお勧め。

やっぱり秋の季節に

季節はブドウの時期、秋がぴったりですが、トップの爽やかなフルーティーさがとても印象的ですので、春夏にもOKです。真夏と真冬は空気的に合わないかな。

いずれにしろ毎日着けても飽きの来ない、頼もしい1本です。



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