見出し画像

車が空を飛ぶ未来は永遠にやってこないと思う

現在、有人ドローンを開発している企業が世界中にあると言われる。ホンダを始め、有名な企業も含まれており、映像が近未来的でインパクトがあることから、ニュースになることも多い。

しかし、エンジニアの端くれとして言わせてもらうと、一般人が空飛ぶクルマに乗れる未来はやってこないと断言できる。
「夢がない」と批判されそうだが、これにはちゃんと根拠がある。

第1の理由は『騒音』。
産業用ドローンを実際に見たことがある人はわかるが、ものすごい騒音がする。騒音値は80db以上と言われ、人が乗れる大型サイズのドローンは想像を絶する騒音になる。映像を見ても判るが、操縦者含め周辺の関係者はみなヘッドホンをしている。こんなうるさいマシンが近くをブンブン飛んでいたら公害以外の何物でもない。

第2の理由は『エネルギー効率の悪さ』。
自動車は摩擦の力と車輪の回転力を利用して移動しており、実はかなりエネルギー効率が高い。自転車を想像すれば判るが、人が走るよりもずっと低燃費だ。空を飛ぶには重力に逆らう必要があり、これには多大なエネルギーを消費する。飛行機は大量に人を運ぶことでビジネスになっているが、個人の移動にしては効率が悪すぎる。環境破壊が喫緊の課題になっている現代で、燃費の悪過ぎるモビリティが本当に普及するのかは大きな疑問だ。再生エネルギーがいくらあっても足らないと思う。

第3理由が最後で、最大の理由だが、『安全性が担保できない』ことだ。今でもたまにニュースになるが、国内でヘリコプターの事故が2000年代に入るまでは年間10件以上起きていた。最近は少なくなったが、これは技術の向上というより風の強い日や視界の悪い条件下では飛行しないことを徹底された結果である。それでもヘリコプターは飛行機に比べると圧倒的に事故率が高い。自動車はその飛行機よりも圧倒的に安全だ。昨今、環境破壊によって気象条件は悪くなる一方。空の危険性は増すばかり。とてもではないが日常的に空を飛ぶなんてことは自殺願望がない限りはゴメンだ。

ここまで、空飛ぶクルマが如何に困難な技術かという根拠を述べてきた。エンタメや災害救助などの緊急時の移動手段としては一定のニーズがあると思っているが、移動するだけなら代替技術はいくらでもある。多くの人がイメージする空飛ぶクルマの実現には決してならないと思っている。

やっぱり翼がある方がロマンを感じる。


風の谷のナウシカのメーヴェが飛んだ

https://youtu.be/rFeXtspp8OA

いいなと思ったら応援しよう!