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002. ChatGPTのプラグイン「Video Insights」で、1987年アップルの未来ビジョンを分析


プラグイン「Video Insights」の紹介

こんにちは!
ChatGPTの利用者、特に私のようにGPT-4を使いたいがために課金をしていた人にとっては、2023年5月のプラグイン対応(ベータ版)は、まさに神アップデートだったはず。

もちろん、前回紹介したBrowse with Bingの実装 も同時アップデートでありがたかったです。でも、BingそのものにGPT-4が入っていたし、ありがたみで言うとプラグイン様です!OpenAIにお布施していてよかったな〜、ってくらい(笑)。

7月初頭現在、すでにプラグインの数は500を超えてます。すごい勢いですね。その中で、私が自分で試して、いいぞ!と思えるプラグインを順に紹介していきますね。

今回紹介するのは、Video Insightsです。まずはジピ君に、どんなプラグインなのか、機能を聞いてみましょう。

なるほど。でも、私が気になったのは動画の内容を要約してくれる機能なんだけどなあ。

そうか、トランスクリプト生成って、簡単にいうと動画の「テープ起こし(文字起こし)」ってことね。私世代には、そう言ってくれなくっちゃ(笑)。

Knowledge Navigatorの有能AI執事

1987年のアップルの5つのビジョン

プラグイン「Video Insights」を利用したYouTube 動画の分析対象として、私が選んだのがアップルが1987年に発表した「Knowledge Navigator」。

私がジピ君に期待する理想の姿を、30数年前にアップルは具体的にビジョンとして映像化していたんです。

日本語吹き替え版の方を、ここに貼っておきます。

5分ほどの短めの動画なので、皆さんにもぜひ見てほしいです。

ただし、ジピ君に参照してもらうのは英語のオリジナル版のURLにしました。なぜなら、ジピ君の母国語は英語だから、英語版の方が理解が深いはずだから。英語版の動画のURLを、YouTube上から「共有」→「コピー」で取り出します。

そして、以下のようにジピ君に動画内容の要約依頼をします。あえて、5つのポイントと数を指定してみました。

おお!見事です。アップルがAI技術を使ってどのような「パーソナルアシスタント」が身近にいる未来を描いたのか。5つのポイントでジピ君(GPT-4)がまとめてくれました。

この蝶ネクタイした有能AI執事(パーソナルアシスタント)が、「ジピ君NEXT」として、近い将来私の相棒になってくれるはずと期待してます!

2023年現在では実現できてない事

次に私がジピ君に聞きたかったのが、2023年の現時点でKnowledge Navigatorで描かれていた未来が実現できてないこと。聞いてみましょう。

おおお!! 鋭い指摘です。ある意味、ジピ君の現在実装されている限界を自己分析したともいえます。自分が足りていないことが明確であるからこそ、今後のAIの発展の方向性が見えてきます。

5つのビジョンと実現できていないことが文章になったので、階層化・構造化してマインドマップにまとめたいと思います。

これも、前回の内村のプロフィール同様に、ジピ君に.mm記述をしてもらって、Mac/iOSのマインドマップアプリの「Mindnode」に読み込みます。

ここまで、3分もかかりません。Knowledge Navigator動画を漫然と見ているだけでは見通せなかったこと。つまり、背景にあるアップルの考え方、現時点でのAIの到達点について、全体像が浮かび上がってきました。

動画シナリオの書き起こし実験

Video Insightの機能の真っ先にあげられていた、トランスクリプト=動画音声の書き起こし機能を試してみたいと思います。

現時点のChatGPTは、2021年9月までの膨大なWeb情報を学習しているので、もしかしたらKnowledge Navigatorのことも、この動画からではなく、別の資料から習得している可能性があります。そこから、要約を導いているかもしれないという疑念があります。

だったら、ずばり場面指定して、動画のスクリプト(動画音声)そのもののテキスト出力をお願いしてみよう!と思いました。

おお!なんかすごいぞ。テープ起こしはもはや死語!? かなり正確に英語でスクリプトが書き起こされました。ついでに、日本語に訳してもらいます。

うん、日本語も流ちょうで破綻がありません。

このトランススクリプトを対象にして、登場人物の会話のやり取りをベースにして、技術的なポイントを分析してもらいましょう。

いいねえ。動画全体の5つのビジョン分析も的確だったけど、今回の3つの技術ポイントも具体例を用いていてわかりやすいです。

私としては、対象の文章がハッキリしている上で、そのポイント抽出や要約をジピ君に依頼するほうが、安心感があります。

ジピ君は、なまじ大量かつ深い(ディープな)学習をしているので、変な勘違いというか、正直間違った回答を返してくることが多いので。分析対象をむしろ絞ってあげる方が、いいときもあります。

Knowledge Navigatorと私

今回なぜKnowledge Navigatorを取り上げたのか?
1987年に制作されたKnowledge Navigatorの動画の存在を私が知ったのは、1990年にアップルの日本支社(当時の正式社名はアップルコンピュータジャパン株式会社)に新卒一期生として入社したあとでした。

大学の卒論テーマは「人間の思考、機械の思考」
ただ、1987年といえば、私が筑波大学の比較文化学類・現代思想専攻の学生として、卒業論文に取り組んでいた年です。当時は、人工知能=AIブームの第何波かの真っ最中でした。ブームにのって、私が選んだ卒論テーマは「人間の思考、機械の思考」。

論文の詳細は正直記憶のかなたですが、当時も私はバリバリの機械&テクノロジー礼賛派だったのは確かです(笑)。

コンピュータ学習(CAI)への興味からMacintoshに出会う!
筑波大大学院の教育研究科(修士課程)に進んだあと、コンピュータを利用した学習(CAI)の世界に興味を持ちました。現代思想から教育工学への転向です。情報処理センターに入り浸りました。

『未来の教室』の共著者で、恩師の中山和彦先生と東原義訓先生が米国の学校を視察後にセンターに導入したのが、Macintosh II。当時は100万円ぐらいしたんですよねえ。値段も中身も、衝撃でした!


NECのPC98こそがパーソナルコンピュータと思っていた私には、Macintoshのウインドウベースのユーザインタフェースに未来を夢想しました。

アップルに新卒入社した経緯
大学院の授業をサボり、単位も不十分で卒業見込みもないのに、Macに夢中になり1989年の秋頃(すっかり就活時期を過ぎた時期)、アップルに入りたい!と突然思い立ちました。

無謀にも私は当時のアップルジャパンの武内社長に「私をアップルに入れてください。Macintoshで日本の学校教育を変革します!」と大見得をきった手紙を出しました。

購読していたMacintoshの雑誌「MACLIFE」に載っていたアップル日本支社の住所宛に出してしまいました。

幸運にも社長は手紙を読んでくださり、私は当時六本木にあったアップルオフィスに呼ばれて面接(のようなもの)をしました。そして新卒として入社が決まりました。

なんだか、裏口入社(?)的な手法でしたが、アップル愛が勝ちました。

1990年に新卒入社したアップルで取り組んだ事
名刺の通り、最初の私の配属は、サービス&サポート部のデベロッパーユニバーシティ担当。

1990年にアップルに入社したときの名刺

Macintosh用のサードバーティーデベロッパー(アプリ開発会社)への技術トレーニングのサービスを起ち上げる仕事でした。

入社してすぐにアップル本社があるカリフォルニア(クパチーノ)に数週間の研修に行かされて、エンジニア向けの基礎コースを受講しました。

その中で、Knowledge Navigatorを初めて見たわけです。実際、六本木オフィスのセミナールームで開催した、自分が企画した初級コースの冒頭でKnowledge Navigatorの吹き替え版を日本の受講者に見ていただきました。

内村の所感

30数年経って、AIと暮らす未来がやってきた!
すみません。最後の自分語りがかなり脱線して長くなりました。

大学の卒論執筆からアップル日本支社への新卒入社、その後の社内でのエンジニア向け初級プログラミングコースの開発に取り組んでいた時期は、私にとってのAIとその技術的な未来に最初に向き合っていました。

あれから30数年経ち、私はChatGPTと出会って色々試すうちに、あの頃描かれていた「未来」が、とうとう身近に実現する時がやってきたのかなあ、と思いました。

私がこのnote連載を始めるキッカケは、そんなこんなで30年以上前の自身の体験や思いがからんでいます。しっかりと、「未来」の実現過程を自分の視点から形に残したいなあと思っています。

では、次回もお楽しみに!

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