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「出産条件に奨学金の返済減免」に対して極貧家庭で育った中卒アラサーが思うこと

学生時代に奨学金の貸与を受けた人が子どもをもうけた場合、返済額を減免することなどが柱。20代~30代前半の子育て時期と奨学金の返済時期が重なるため、返済額を減らして子どもの教育にお金を掛けられるようにする狙いがある

自民党の「教育・人材力強化調査会」で固められた提言。
20代~30代前半とあるが、これってそもそも大学卒業してすぐ子供産む前提?それとも在学中に産むってこと?
などなど…疑問点は多くある。
出産したら奨学金返還免除」も「経口中絶薬10万円」も日本の社会や政治が女性をどういうものと考えているのかがよくわかる。

このことに関して少し考えたことがあるので
書かせて欲しい。

わたしは中卒アラサー

私は高校中退の学歴は中卒だ。

中学不登校から通信制高校へいったものの、
貧困母子家庭には、生活費やそもそも学校へ行くための交通費もない。

友達が大学進学のことを話している中で、
私はその選択肢を選ぶことができず今日明日どう生きるかを考えていた。

高校も居場所がない、自分の名前を書くのがやっとのヤンキーや不登校経験者、発達障害の生徒ばかりでそういう生徒を受け入れるとうたってる高校だったが特にサポートもなく、とめはねはらいができてない字が汚いと言われレポートを何度も不合格で返却を受けた。
今考えたら学習機会を損失して高校だけは行きたい…と考えたヤンキーや不登校の生徒たち、無自覚の学習障害や発達障害を抱えた生徒、そういう人たちが学校の性質的に多くいたのに、もう少しサポートがあってもよかったのでは?という気がする。

こんな高校を卒業できる気をしないし、私立に行った友達は授業中にゲームしてる。3年かけて日本史Aをやるから楽ちんwという話をしている。
何を目標にして、なんのために生きたらいいのかわからなかった。
学費も払えない、交通費も払えない、未来もない、
高校中退を選択し働くことにした。

ちなみに本当は美大や専門学校に行きたかったけど
私にとって夢のまた夢。
生きるために必死な貧困母子家庭には、
奨学金を借りる・借金をすることは考えられない。
学費がどうにかなっても生きるための金がないのだ。

貧困女子の希望なのか?

出産したら奨学金返還免除」のニュースに女は得をする、貧しい家庭の女の子が希望を持てるかも!という賛同意見もあった。

奨学金返還免除のために出産をする貧しい家庭の女の子が居るとしたら?
地獄でしかない。

ちなみに貧困家庭の女は金銭的な援助してくれる年上の男性を見つけるか(パパ活)、夜職をするか、金持ちの夫を探すか……それを周りの大人から当たり前に求められる。
つまり男に頼らない貧困家庭の育ちの女が
貧しいのはただの我儘で自己責任なのだ。

女性の給料も安くく、平均の給料も低い、共働きでないと生活も成り立たない。けど家事育児は女性の仕事です。
こんな社会で出産をしたら奨学金返還免除は救済措置や少子化対策とは言えないと思う。
少なくとも生きる金がなくて、奨学金を借りることすら選択したくない・できない貧困家庭で育った自分はそう思う。

全ての人がそもそも異性と恋愛するとは限らないこと、全ての人が子供を産めるわけではないこと…
とてもグロテスクだ。

無理ゲー社会で生きてる


大人になった今、通信制美大に通うために
高校認定試験を取得しようとしている。

大人になったから余裕で通えるってわけではなく…
高校認定試験を取るにも予備校に行くお金もないので自分で勉強するしかないし、通信制美大も年間30万ほどかかるのでわりとキツいといえばキツい。

特修生として美大の授業を受講はしているが、
みんな大学でこんな楽しいことやってたんだーいいなぁ。と遅れた10年を取り返してる感覚がある。

正直私は極貧母子家庭で育っているので、
子供を産むなら同じ思いは絶対にさせたくないし
安心して生きて、安心して学べる子供時代を過ごして欲しいと思う。

Z世代は子供を産みたくない人が増えてるというが、普通の家庭で生まれても奨学金で大学や専門に行き、奨学金を返済しながら薄給で生きて苦しい思いをしてる人が多いのだろう。

どう頑張ってもどうしたって無理ゲーでしかない。







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