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【1】ふくしま浜街道トレイル全部歩こう記録@いわき市勿来〜四倉

ふくしま浜街道トレイル(FCT)を全線歩こう、ということで相方と歩き始めました。勿来からスタートして、まずは2日間で四倉海岸まで。セクションハイキングで9〜10日間かかる予定です。

福島県新地町からいわき市までの200km超を一本につなぎ歩く「ふくしま浜街道トレイル」。 雄大でときに荒々しい太平洋を眺め、阿武隈山系に育まれた豊かな自然、地域に継承される 歴史・営みを巡り、浜通りのありのままの魅力を感じることができる、長く歩く旅の道。

https://fukushima-coastal-trail.jp/

今回のルート

1日目:勿来〜小名浜

勿来駅まで電車で行き、タクシーを呼んでスタート地点まで。勿来海岸の鳥居からスタートします。ここに来るのは2度目でしたが、来るたびに見える顔が違う気がして美しい場所です。近くの海水浴場には、サーフィンやボートをやりに朝から人が集まっていました。

勿来海岸 鳥居

ここからは、勿来の関→勿来の関公園→勿来の関古道へと進みます。FCTは舗装道路を歩く時間も多いため、ここは貴重な山道。勿来の関公園内にある詩歌の小径では、「勿来の関にちなみ詠まれた歌の碑」を見ることができます。

勿来の関公園

勿来関跡を抜けて、筆塚という供養塔を目印に古道へ。ここは足場が悪くて、草木や蜘蛛の巣が行く手を阻んできます。この日は雨だったため滑りやすく、余計に集中力が必要でした。

道中見つけたサンゴのようなきのこ
調べたところ、ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)というらしいしかも食べれる

今回は寄りませんでしたが、コースを途中で離脱すると「交流スペース勿来(なっくる)」さんへ立ち寄ることができます。発酵食ランチがいただけるので、ゆっくりスタートしてランチをするのも良さそうです。

山道を抜けて、街中へ。
手作り感があるゴミ箱が等間隔に並んでいて、気になる。

渋い
いい佇まい
青い

黄金色の田んぼを横目にしばらく川沿いを歩きます。途中、カニがたっくさんいる水路があり大興奮。

そんなに?ってくらいいる

お家のお庭で遊んでいた親子に挨拶をすると、歩いている人が珍しいのか、私たちの姿が見えなくなるまで子供達がずっと手を振っていてくれました。

お昼休憩は、中華料理「大雅」さんで麻婆豆腐ランチを。久しぶりのハイキングですでに疲れが出てきていたので、一息つけてほっとする。

そこから先は、しばらく防潮堤を歩きます。「常磐共同火力 勿来発電所」の真横を通ると、釣り人がたくさん。魚が集まるのでしょうか。いいスポットのようです。この火力発電所は車で横を通るのもおすすめです。夜景が特に◎

岩間海岸を過ぎて、小浜海水浴場へ。お昼ご飯を食べた植田町を出てからは、しばらくトイレがありませんが、小浜海水浴場にある「小浜心の駅」にはウォシュレット付きのとても快適なトイレがあります。(是非、お立ち寄りを。)

小名浜までは、あと8kmというところまできました。
小名浜石油株式会社の横を抜けて、工場に囲まれた道を行きます。トラックが行き交う中、空気もちょっと重たく早く宿に着きたい気持ちになってきました。物知りな相方と話しながら、石炭を積んだトラックの分析をして遊びます。

何色のトラックは石炭を積んでいて、他は違う。そこで曲がるってことは、あのターミナルに行くのか。
もはやトラックの動きを見ることしかできないくらい、変わらない景色。

小名浜港には世界中から石炭が集められ、さっき通ってきた火力発電所まで運ばれているようです。この辺りも普段は車で何気なく通る道。歩くことで、少しだけ小名浜の歴史に想いを馳せることができました。

自分は、まだまだ勉強不足。
(帰ってから色々調べていたところ、こちらの記事が目に留まりました。)

この日は「うどん 香蔵」さんで、たらふく食べて、ペンション タンノさんへ宿泊。(1名:4,000円/泊)建物は古いですが、素泊まりで泊まるには十分。ただ、ルートから20分ほど歩きます。ルートから近いところにビジネスホテルもあるので、そちらを検討してもいいかもしれません。

染み渡るうどん
コロナ以降、厳しくてね、と女将さん

2日目:小名浜〜四倉

ペンションを出発して、昨日はるか遠くに見えていた塩屋崎灯台をまずは目指します。小名浜漁港を通り、いわきでも楽しみにしていた岬公園を歩きます。

トンネル越しの漁港

岬公園は以前、車できたことがあるのですが、海沿いをじっくり歩くことは初めて。

プライベートビーチ感のある浜辺
草に埋まるベンチ
座り方のすごい猫

少し面白そうな道があったので、本ルートを外れて歩いてみました。オレンジの線が本ルート、青い線が実際に歩いたルートです。

緑に囲まれてとても気持ちのいい歩道でした。この公園は寄り道できる場所や、芝生で休める場所がたくさんあるので、じっくり時間を過ごせるように工程を組むのもいいなあと感じました。

そして、私たちのこの日の楽しみ、「中之作 秋のパン祭り」を目掛けてペースを上げます。人気で売り切れてしまうこともあるそうなので…どうしても朝食としてパンにありつきたい私たち。時々相方に離されながらも、なんとか辿り着きました。

暖かいコーヒーと、温かい歓迎を受けてエネルギーチャージ。このイベントは、中之作にあるシェアハウス「コウノヤ」さんが企画されています。地域のおばあちゃんが楽しそうにパンを選んでいる姿にほっこりしました。

ありがとうございました!

そして、いよいよ塩屋崎灯台に差し掛かります。ここまで遠かった。
塩屋崎灯台のたもとには、"美空ひばり「みだれ髪」記念歌碑"があります。石碑の前に立つと歌が自動で流れる仕組み。

塩屋崎灯台は階段を結構登らねばならず、今回は諦めて先に進みます。

防災緑地と防潮堤を繰り返し歩きながら、やや強い風に打たれてしんどい道。テトラポットで弾ける波を見て、どのくらい高い波が立つか予想をしながらひたすら歩きます。

途中、健脚のお兄さん二人組が前を歩いていて「もしかしてFCT歩いてる??」となり、話しかけたい衝動にかられた私たちは追いつこうとハイペースで歩きましたが、全く追いつけず。謎は謎のまま。でもおかげでブーストがかかり前に進めました。

縮まっているようで、変わらないお兄さんたちとの距離

雨もちらつき、体温調節が難しい2日間でしたが、どーにか四倉駅までたどり着きました。お疲れ様でした。

終えて

いわきはずっと歩いてみたい区間でした。いつも車で通っている道を歩くとどんな発見があるんだろうか、と期待を込めて。

震災を同じ福島で経験しましたが、その後どんな風に町は歩んできたのか、これからどんな風になろうとしているのか、知らないことだらけでした。

震災前も後もある素晴らしい景色。それらをゆっくり堪能できたのは、とても贅沢な時間だったと思います。今回は、「いわき震災伝承みらい館」などには立ち寄れなかったので、別の機会で行こうと思います。

さて、次は四ツ倉海岸から再スタートです。

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