
弁天坂の石畳
かつて参勤交代の時に利用されていた歴史の道、豊後街道。
産山村は熊本城から大分県鶴崎までのちょうど中間地点にあり、「弁天坂の石畳」と「境の松坂の石畳」の2つが、国史跡に指定されています。
今回は「弁天坂の石畳」編です。
県道216号線沿いに、豊後街道の案内板と入口があります。
入り口から弁天坂の石畳までは約1.2キロ。
その間も所々苔むした石畳が残っていて、いい雰囲気です。
「弁天坂」と「境の松坂」は豊後街道の中でも、阿蘇市にある二重の峠や滝室坂と並ぶ急崚な坂だったそうです。また、火山灰土のため土砂崩壊が激しく、この道を整備した当時の地元民の苦労は大変なものだったそうです。
20分ほど歩くと、苔むした石畳の道に出ます。
弁天坂の石畳の長さは約80メートル。幅は約3メートル。そして標高差は20メートルほどの、ゆるやかな下り坂です。
上の写真は、下ってきた石畳を振り返って見た時の風景。
かつては歴代の熊本藩主や勝海舟、坂本龍馬などなど、歴史上の名だたる人物も歩いた道。苔むした石やここに生えている木々は、今も昔もその人物や時間、歴史をずっと静かに見てきたのかな…と思うと、とても感慨深くなる道です。そして同じ道の上を歩いている事に、ちょっぴり誇らしくなったりします…。単純ですけど。
マイナスイオンたっぷりな中、歴史に思いを馳せることができる静かな道。
ぜひ産山村に来られた際は、歩いてみてください。
石畳の間から、野イチゴが生えていました。
次回は「境の松坂の石畳」編をお届けします。