【もっと知りたい産山村】シリーズ第5弾!『農家レストラン 山の里』
産山村の飲食店や観光施設、観光スポットや特産品などにスポットを当てたインタビュー『もっと知りたい産山村』シリーズ。第5弾は自家牧場のあか牛を提供する「農家レストラン 山の里」さんのインタビューです。
広大な阿蘇の草原に放牧
阿蘇の大自然―、大草原の景色に溶け込み、その恵みを受けスクスクと育つ「あか牛」。
熊本空港(阿蘇くまもと空港)を出て、阿蘇エリアに向かうと、道路沿いには「あか牛」と書かれたのぼりがパタパタと翻る店が目に入る。あか牛は阿蘇を代表する食である。
その阿蘇エリアで、自ら牛を育てあげ、最上級の肉を家族経営のレストラン「山の里」で提供している井俊介さん(41)。
産山村から西に約50キロ、熊本市に隣接する合志(こうし)市の出身だが、産山村出身の妻、ゆりさん(40)との結婚を機にサラリーマンから畜産業と民宿、レストラン経営に転身した。
ゆりさんの父で地元商工会の会長でもある井博明さん(72)から畜産の仕事を学び、牛を育ててきた。
「あか牛は毎年5月ごろに阿蘇の草原に放牧し、12月に牛舎に戻す『夏山冬里方式』で育てています」
俊介さんによると、11軒の農家が280haある広大な共同放牧地で牛を育て、のびのびと草を食む姿がなんとも雄大な阿蘇の景色にマッチする。
村の自慢ともいえる、環境省の名水百選となっている池山水源近くにある牛舎を訪ねると、つぶらなひとみをした若いあか牛たちが迎えてくれた。
俊介さんの案内で、牧草地に向かい、放牧される牛の様子も見学。牧草地のそこかしこに「牛馬優先」の標識があり、牛が大切に育てられているのを感じた。
家族のぬくもり伝わるおもてなし
山を下り、「山の里」に向かう。博明さんが全国各地の古民家レストランを見て回って作り上げた見事な店は、重厚な外観の一方、農家風のインテリアが温かく客を迎えてくれる。
店はゆりさんと、そのお母さまでおかみさんの、ゆいさん(71)が主に調理と接客を担当する。自慢のあか牛の焼肉、ステーキがおいしいのはもちろん、ゆいさん手作りの漬物や、セットについてくるおはぎなど手作り感にあふれるメニューが人気だ。
俊介さんは、牛の世話の合間に店に顔を出したり、民宿に客を迎えるなど大忙し。
そのゆりさんが伝授する、ステーキの楽しみ方は動画でもチェックしてほしい。
脂の多い霜降りとは違い、あか牛はさっぱりした味わいが自慢。この日はステーキ、焼肉をいただいたが、俊介さんが「草をしっかり食べているあか牛は、草由来のおいしさが出ている」というように、都会では体験できないうまみを堪能できた。
※年齢などは取材時のものです
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