Amazon スポンサープロダクトにおける新規率の傾向|Amazon Marketing Cloud(AMC)
こんにちは。ウブン広告チームの田中です。
ChatGPTを活用し、クエリの精度を向上させる方法を日々模索しています。今回もChatGPTで書いたAmazon Marketing Cloud(AMC)のクエリで、スポンサープロダクトにおける新規率の傾向分析に関するブログ記事をお届けします。
AMCの分析は下記ブログでも記事にさせていただきました。こちらも是非ご覧ください。
スポンサープロダクト(SP)広告とは
スポンサープロダクト(SP)は、Amazon スポンサーアドにおける広告種類の1つで、検索結果ページや競合商品ページに広告を配信できる最も一般的な手法です。これまで、Amazonの広告管理画面ではスポンサーブランド広告(SB)やディスプレイ広告(SD)で新規率を確認できましたが、スポンサープロダクトではデータが利用できませんでした。しかし、AMCのリリースにより、スポンサープロダクト広告でも新規率を確認できるようになりました。そこで、データを抽出し、傾向分析を行ってみたいと思います。
Amazonスポンサー広告における新規率は、過去1年以内に同ブランドの商品を購入していないユーザーによるコンバージョンの割合を示す指標です。ここで言う同ブランドとは、Amazonに登録されているブランド名が同一であるかどうかを指します。そのため、登録時の表記揺れなどがある場合は注意が必要です。また、複数のブランド間で新規率を算出することはできません。
それでは、実際にデータを分析してみましょう。
キャンペーン別の新規率分布
まず、キャンペーンごとに新規率、CVシェア、新規CVシェアを算出し、バブルチャートでプロットしました。このアカウント全体の新規率は57%で、25%~80%の範囲に分布していました。
右上に位置する赤いキャンペーンは、新規率も高く全体のCVシェアも高いため、理想的な広告費の使い方ができていると言えます。一方、右下の青いキャンペーンはCVシェアは高いものの、新規率がやや低いため、赤いキャンペーンに予算をアロケーションすることで、アカウント全体の新規CV数を増やすことができるかもしれません。
次に、キャンペーンをアドタイプ、配信手法、自社/一般の3つのカテゴリーに分けてフラグを立て、それぞれの傾向を調べていきます。
まず、アドタイプ別にバブルチャートを作成すると、以下のような結果が得られました。
アドタイプ別の新規率の傾向
本アカウントでは、主力広告手法であるスポンサープロダクトが高いCVシェアと新規CVシェアを獲得していることが分かります。また、リターゲティング配信が中心となるスポンサーディスプレイは、相対的に新規率が低くなっています。また、本アカウントではスポンサーブランドの配信比率は低いものの、一般的に認知や新規ユーザー獲得に有効とされるスポンサーブランドに対して、スポンサープロダクトも同等以上の新規率であることもわかります。
次に、配信手法別の傾向を見ていきましょう。
配信手法別の新規率の傾向
オーディエンスはスポンサーディスプレイの配信手法で、リターゲティングが中心となっているため、新規率が低くなっています。商品ページにターゲティングするASINと、検索キーワードに対してターゲティングするKWは、同等の新規率を示しています。
次に、ターゲティングするキーワードやASINが自社ターゲティングなのか、一般ターゲティングなのかを調べていきましょう。
自社ターゲティングではリピートユーザーが含まれることが想定されるため、一般ターゲティングに比べて新規率が低くなっています。しかしながら、自社ターゲットであっても約50%は新規ユーザーが含まれており、競合への流出防止対策が重要であることが示唆されます。一般的に自社ターゲットの方がROASが優れているため、新規ユーザー獲得の効率も自社ターゲットの方が高くなっているはずです。インクリメンタル効果も考慮し、戦略的に自社ターゲットへの投資戦略を練る必要があります。
それでは、配信手法と自社・一般ターゲティングを組み合わせて分析してみましょう。
本アカウントでは、一般ターゲットにおいてはキーワードがASINよりも新規率に優れており、自社ターゲットではその逆の傾向が見られました。このような傾向はアカウントごとに異なることが考えられます。自社のアカウントにおいては、どのエリアに投資することで最も新規CVを増やせるか、探索的に最適解を見つける活動が重要となります。
最後に、商品グループごとの傾向を分析してみましょう。
宣伝商品別の新規率傾向
最後のグラフから最も示唆に富む傾向差が見られました。商品によって新規率は大きく異なります。販売期間が長くリピーターがしっかりついた商品と、これから売り出していく商品では当然新規率に大きな違いが生まれます。今回の場合、EやGのグループの商品は新規率が高く、広告投資を強化すべきかもしれません。実際にはROASも考慮し、商品グループごとに適正な予算配分を検討していく必要があります。
最後に
今回はAMCによって明らかになるスポンサープロダクトを含むキャンペーン別の新規率について傾向を分析しました。
Amazon広告の費用対効果を高める手法はほぼ一般化されてきており、ここでは差はつかないとウブンでは考えています。
インクリメンタルな売上創出を最大化させるための広告費のアロケーションをいかに行うかが最重要です。その中でコンバージョンの新規率は重要な判断軸の一つです。キャンペーン単位の新規率を可視化し、適正な予算配分を探索的に見つけていってください。
最後に、ウブンでは一緒に働く仲間を募集しています。
デジタルマーケティング・運用型広告のネクストレベルを追求している方、直近ではキャリアチェンジを考えていなくてもまずはお気軽に情報交換させてください。
長文をお読みいただきありがとうございました。これからも情報発信続けていければと思います。よろしくお願いします!