日曜日のクルーメイト #0064 Have a tea!?
ハロー、クルーメイト!
親愛なる読者諸氏におかれましてはいかがお過ごしですか?
冲方は、今週こそ無事、日曜日に当記事をお届けできているはず。
長い連載を一本終えたあとは、とかく虚脱気味になりがち。
そんなときこそ心身の平和を保つため、ひたすらミニチュアを並べることに集中してみましたところ、砂マンダラ作りのごとく地道な作業を続けるうち、気づけばトイレの一角が食器売り場みたいになっていた次第。
ちなみに奥にいるフクロウ先輩は、もう長いこと仕事場のトイレを見守ってくれているのですが、最近、「トイレにフクロウがいるとお金持ちになる」というまじないがあることを知りました。ホー。
個人的には知恵の象徴として素晴らしい創作のヒントを授けてくれるに違いないと願掛けに置いております。
さて、パントリーがいつでもお茶出来る素敵な空間になったことを喜び、今週も元気に参りましょう!
今週の宣伝 『剣樹抄』連載16回
オール讀物、今月号に掲載!
季節連載でじっくり書かせて頂いている『剣樹抄』も、いよいよ連載16回にして佳境を迎えんとしております。
浅間山の噴火に見舞われる義仙と了助は、船運が途絶えたことを好機とみなし、危険を承知で、極楽組の鶴と錦を追う。
一方、光國は極大師の真意を確かめるため、御三家を動かして松平伊豆守に近づいたことで、徳川幕府にとっての最大の「敵」に気づく――
というわけで、今回は久々に「鶴」が再登場!
ドラマ版とは異なる展開や、鶴の過去など、ぜひお楽しみ下さい。
まだ雑誌が届かないため、こちらを宣伝。
今回の扉絵が楽しみ!
『剣樹抄』は1巻文庫、および2巻単行本が発売しております。
ドラマ版は、NHKオンデマンドにてご視聴頂けます!
筋骨逞しい光國と、びっくりするくらいワイルドでかわいい了助をはじめ、素晴らしいキャストと物語をご堪能下さい。
コメント・トーク
今週はさっそくクルーメイトのコメントをご紹介!
森人さんからのコメントです!
これは勉強になりそう。ありがとうございます!
ときに耳に心地好く聞こえる言葉でも、その背景には、はるかに合理的で冷厳とした理屈があることも。
ときに、ぞっとしない何かにつながっている場合もあり、ただ心に備えておこうとか、賢く振る舞おうといった態度だけでは、自分はもとより多くの人々も、とても防げそうにないと思わされることがしばしば。
しばらく前、「正義」という言葉がそうだったように、これまで冲方も多くの物語で用いて生きた「平和」という言葉の意味を、新たに、厳格に、とらえ直さねばならない時代になったのを感じます。
シシオリシンシさんからのコメントです!
いつもファフナーの話題と素敵な創作物をありがとうございます!
講義中、熊本からご参加下さっていると知り、なんともありがたいやら感心するやらで、それに見合う何かをご提示せねばとこちらも懸命になったもの。
今ではリモートという手段がだいぶ広まり、そろそろ、動画配信は苦手だなどと言っていられないかもしれません。
目指しに目指した完結。
冲方がファフナーという物語と出会ってから二十年弱。
紡がれたものを大切にしつつ、次の三年で、より良い物語を御覧に入れることができるよう精進したいと思います。
さて、今週はぜひクルーメイトにお尋ねしたいことが一つ。
あなたの、この夏の思い出の(思い出になりそうな)映画は?
世情は混沌としているものの、今春から今秋にかけて、映画は大作が目白押し。
〆切間際であったため『スパイダーマン』と『ドクター・ストレンジ』を見逃したままとなっております。口惜しい。
そんなわけで、「これは絶対に観に行くと決めていた」、「これだけは観ておきたかった」、「この作品が心から楽しみ」といった、心の映画を、
#日曜日のクルーメイト
こちらのハッシュタグをつけて、ぜひコメントして下さい!
あとがき
今週は、ネタバレや初出できない話題が多すぎるため、いつもより少なめの記事となっております。
普通はこれくらいの分量が良いとも聞きますが、お伝えしたいことがあるときは、ついつい多めに書いてしまうもの。
記事であれ原稿であれ、押してしまったと反省しつつも、書き切ったときの手応えのほうをついつい優先してしまうところは同じようです。
世の混沌ぶりも、ここまで強烈さを増すと、多くの人が、徐々にそれまでとは違う常識を用意し、立ち向かうようになっていくもの。
たとえそうなっても、必ず守るべきこととは何か、それこそ懸命に考えてゆきたいと思います。
皆様におかれましては、どうぞ変わらず、健やかに、喜びに満ちた週末をお送り下さいますよう。
冲方丁でした。