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日曜日のクルーメイト #0062 スパゲッティ日和
ハロー、クルーメイト! 今週はいかがお過ごしでしょうか。
冲方はもろもろ後ろ倒しになり、日曜日の昼になってようやくこの記事を書いております。週一の執筆習慣が今も続いていることに我ながら驚嘆。やればできるものですね。
さて今週はトップ画像からして飯テロ化しております。このところスパゲティ作りがマイブームなのです。パスタを茹でるひとときに、心の平和すなわちインナー・ピースがアルデンテに昇華されることで、暗喩としてのスパゲティを解きほぐすのです。
暗喩としてのスパゲティとは、「こんがらがって、どうしようもない状態」のことだとか。
入院患者が点滴などのチューブに絡みつかれて気が滅入るのを「スパゲティ症候群と呼ぶんだそうだ」と以前、癌で闘病中だった父から教わったことも。
世界は日々混沌とし、こんがらがった巨大なスパゲティと化すかに見えますが、そんなスパゲティも、現実には食べて呑み込んでしまえば、あとは体が必要なものと、そうでないものとに自然とより分けてくれるもの。
同じように、人々が社会や文化の存続を願う限り、いずれ全てが新たにあるべき姿を得ることでしょう。
そして、今後とも数多の悲劇は起これども、全体としては少しばかり進歩した世界が訪れるのだろう、という予感がしております。
そのとき自分がどんな風に世界からより分けられるか戦々恐々とするのではなく、未知への好奇心をもって迎えたいもの。
そんなわけで、今週も元気に参りましょう!
今週の宣伝
なにげに『骨灰』と『マイ・リトル・ジェダイ』の連載原稿が、早くも終盤戦に突入しております。
意外に早い!
夏までには最後まで書き上げ、両作品とも年内刊行を目指したいところ!
ぜひお楽し下さい!
『骨灰』の無料試し読みができます。
『本の話』の『マイ・リトル・ジェダイ』記事一覧にてちょい読みができます。
『さよなら、ブラック』
なかなか手をつける余裕がありませんでしたが、こちらに過去の投票結果を反映しつつ、企画梗概の体裁を整えてみました。
ようやく鉢と皿と土と種がそろった感じです!
またいずれ投票など行い、企画の苗をこつこつ育てて参ります!
コメント・トーク
先週のお題はこちら!
冲方からクルーメイトへの質問!
— 冲方サミット (@ubukata_summit) May 1, 2022
あなたは今どのタイプの「ヒーロー」を好んでいますか? 変遷するヒーロー像の今後はいかに?
各タイプの詳細は下記の記事にてご参照下さい!#日曜日のクルーメイト #冲方サミットhttps://t.co/Ql0L7fjs2g
昨今のヒーロー像についてお尋ねしましたが、オーソドックスというべき努力鍛錬型がトップに!
とはいえ、ぶっちぎりというわけではないことから、やはりそれ以外の要素への関心が強くあらわれている様子。
下記、クルーメイトのコメントをご紹介して参ります!
努力鍛錬型に一票。少年マンガ的なヒーローといえば成長・進化がつきもので、それを描くにあたっては、やはり弛まぬ研鑽が最も説得力を与えてくれるのかな、と思います。
— デウカリオン (@type_deukalion) May 1, 2022
融合や幸運によるギフトであれど、それに甘んじず、むしろ契機と見なし修練に励む英雄像が好ましいです。
#日曜日のクルーメイト
デウカリオンさんからのコメントです!
このヒーローはなぜ戦えるか? なぜ勝てるか? という理由付け以上に、心から称えたくなる努力に、説得力の本質があるのでしょう。
スポーツや格闘ものなどは、当然ながら努力と鍛錬以外に勝利への道はありませんし、危機的状況下に臨む「少年漫画的ヒーロー」の原点も、当初はそうした競技者の姿を参考にしていたのではと感じます。
(何しろしょっちゅうトーナメント戦を行っておりましたから)
#日曜日のクルーメイト
— 森人 (@al4ou) May 1, 2022
融合適性型はウルトラマンや仮面ライダーなどの変身ヒーローも当てはまるのでむしろ古いタイプのイメージです。幸運開花型は貴種流離譚も含めれば、むしろヒーローの原型(神話の英雄)っぽい気がします。 https://t.co/XDSCLMKEy8
森人さんからのコメントです!
最近、時を経て大いに話題のウルトラマンに仮面ライダー、確かに融合適性型ヒーローです。
近頃は、そんなに人格が分裂したり、悲劇的要素はなさそう。
仮面ライダーがなぜ仮面をかぶるかと言えば、改造手術の後遺症で、顔や体に傷があらわれてしまうからでしたが。
幸運開花型が、神話の英雄にも当てはまるというのも確かにその通り。
たとえば荒ぶる神であったスサノオが八岐大蛇を退治するのも、どんなに力を振るってもいい環境に置かれたおかげといっていいかもしれません。
「流浪する英雄」は、まさに適材適所を求める物語である、といった現代的な解釈も可能でありましょう。
#日曜日のクルーメイト
— 薔薇肉舶載 (@dLVHgWvZm79Mt55) May 1, 2022
めちゃ強主人公が好きなので、思うさま過剰に強くできそうに見える②か③が好みです
③は、融合した存在との葛藤を経ての和解と相棒化、的な展開が定番だったと思うのですが、挙げられた最近の少年漫画では、そういった展開が見られないのが面白いですね。宿儺とか和解無理だし
#日曜日のクルーメイト
— 薔薇肉舶載 (@dLVHgWvZm79Mt55) May 6, 2022
幸運型の主人公、こうして見ると、異世界転生と並んで最近人気の追放ものも同じロジックでの面白さと言えそう。
今時修行とか流行らないなんて意見も耳にしますが、かと思えば明らかに鍛錬型で、望まぬ力を自ら放り捨てる某鬼狩りが大人気だったり、なかなか難しいですね。
薔薇肉舶載さんからのコメントです!
分身も融合も、確かに、爽快感溢れるパワーの放出が見せ場といえます。
『バスタード』のダーク・シュナイダーは、封印されるという逆融合型ですが、登場すなわちカタルシスで敵は瞬時に一掃されるという、今思えば実は王道のヒーローといえますね。
追放された先で、実は自分の力が発揮できるというのは、森人さんのご指摘もありますが、流浪する英雄のロジックをなぞっているのかもしれません。
そしてそう、鬼滅は「久々の努力型主人公」として大変注目を集めましたね。個人的には『ベルセルク』のガッツにならぶ、素振り鍛錬主人公。
やはり努力することの説得力は、万人の共感を得るという点で、これからも無視できないものであるのでしょう。
一番グッと来たのは"融合適合型"です。
— 新条拓那 (@takuna_shinjo) May 7, 2022
恐らくロボ好きなのが影響しているのかも。
ガンダムを始めとした数多のロボットもの、
もちろんファフナーもそうですが、
生身では敵わない相手に追従するために、
マシンの力を我が物とする。
それも一つの適合の形ではないでしょか。#日曜日のクルーメイト https://t.co/PmroIOFHOZ
新条拓那さんからのコメントです!
確かにロボットものは融合適性の延長といえるでしょう。操作技術の熟練という要素もありますが、レースものも同様。天才が普通乗用車を駆る『頭文字D』はその典型かもしれません。
『サンダーボルト』のゾンビ部隊などは、もはや自分たちの手足のほうを切り落として操縦システムに置き換えております。
操縦は究極的には機械を肉体の延長ととらえる一体化の行為。
これのメリットは、キャラクターのバリエーションが増えること! とても鍛錬できそうにない肉体的なハンデがあろうとも、戦闘(ドラマ)に参加できるのです。
キャラクターのバリエーションが非常に要求される昨今の風潮から、こうした融合型に着目されているのかもしれません。
#日曜日のクルーメイト
— kei. (@ES45_earthes) May 7, 2022
ワンピースにナルト、ヒロアカに呪術
思い浮かんだ人気漫画の主人公って大体努力や幸運
分身や合体の複数の要素持ち合わせてるなぁと。
この中の単一要素だけで成り立っている主人公って逆にどの作品だろうかなと
kei.さんからのコメントです!
おっしゃるとおり、最近のヒーローは、スタートはどこであるにせよ、だんだんと過去のヒーロー像の要素を集めた存在になっていく者が多い印象。
もはや単一要素だけでは物足りない、ということかもしれませんね。
以前のジャンプ・ヒーローは、あらかじめ自分が持つ「気・小宇宙(コスモ)・ど根性」を鍛錬でのみ発揮するキャラクターが大半。
『男塾』『刃牙』などは、「そいつなら仕方ない」と思わせる強力な描写で納得させられてしまいます。
また、『エンジェル伝説』『カメレオン』は、幸運だけで伝説を築き上げていく高校生の物語でありました。懐かしい。
昨今はとてつもない数のキャラクターのバリエーションを要求されますので、今後は、ひたすら単一要素、複雑な複数要素のキャラなど、混在させることでキャラクターの数を確保する作品が、どっと生まれるかもしれません。
#日曜日のクルーメイト
— kei. (@ES45_earthes) May 7, 2022
ばいアスを読んだら絶対気になるスイーツ、タルトタタンがセブンイレブンで発売中だそうです!https://t.co/v7Piu7BYv0
kei.さんからのコメントです!
なんと! おどろおどろしく叫びながら買い求めましょう!
今週のお題 あなたの作業用BGM
今週もコメントありがとうございます。
こういったお題は、自分一人の思い込みとはちょっと異なる結果が出ることが多く、大いに刺激を受けますね。
さて、ここでまたしても親愛なる読者諸氏ことクルーメイトに質問!
あなたの作業用BGMは?
昨今のリモートワークの定着によって、より多くの方が、作業用BGMを求めるようになったのではないでしょうか。
スティーブン・キングは執筆中にロックを大音量でかけるそうですが、冲方も執筆中、音や音楽によって、切り替えを行うことがしばしば。
たとえば、冲方が目覚めてから執筆に取りかかる際、「ちょっとシャキッとしたいな」というときには、こちらを視聴するようにしております。
走り回る、戦いまくる、飛び回る誰かがいると思うと、引っ張られて目が覚めるのです。
逆に疲れてくると、最近はこちらを視聴。
4Kシリーズがいろいろある中、鳥瞰の映像がお気に入り。
うっかり旅行欲を刺激されかねませんが、ゆったり落ち着いた気分で執筆することができます。
さらに寝る間際に、ちょっと一仕事というときは、こちらがお気に入り。
火と風雨の音だけで、だんだんと眠気に耐えられなくなって参ります。
いろんなバリエーションがあるのも魅力。
こうした配信動画以外にも、ぜひみなさまの作業用BGMを、
#日曜日のクルーメイト
こちらのハッシュタグを添えてツイートして下さい!
冲方も、ぜひ執筆の糧とさせて頂きます!
あとがき
誰からも連絡がない時期のほうが執筆がはかどる、という理屈から、盆暮れ正月ゴールデンウィークが一番忙しくなるようなスケジュールを、ついつい組んでしまいがち。
おかげで今週の記事の公開が何時間か遅れましたが、一方で、ずいぶん仕事が進んで上機嫌であったりするのでした。
ゴールデンウィーク最終日たる日曜日、どうか素晴らしい一日と、健やかな一週間をお送り下さい!
冲方丁でした。