日曜日のクルーメイト #0075 It's a Bear!!
ハロー、クルーメイト! いかがお過ごしでしょうか?
冲方は、このご時世ならではのスケジュール調整に明け暮れ、あらゆるものがずれ込んで、気づけば火曜日に。
日曜日というタイトルをつけたことを若干後悔しつつありますが、日付けも曜日も消え去るステイホーム生活にならぬよう、今後もなんとか日曜日アップを目指したいと思います。
そんなわけで今週も元気に参りましょう!
北海道はでっかいどう
ご時世が落ち着いたところで迅速に取材に行くべし。
しかし、案の定というべきか、気づけば波乱のご時世まっただ中の取材に。
幸いなことに、障りなく、つつがなく、若干の強行軍を完了。
一番の目的は、ヒグマ。なぜヒグマか。
その存在自体、神話であり物語であるのが、熊。
大自然を開墾するとはどういうことかを告げる、象徴的存在です。
現代の物語作りのヒントを学ぶ上で、熊の存在は、研究に値すると冲方は信じており、こつこつとネタを仕入れているのでした。
いまだ執筆には尚早ですが、いずれ彼らから得たインスピレーションをもって物語を書く所存。
今週の宣伝 『RWBY』
鈴木監督との対談の「後編」が掲載されております。
先週の土曜日も、グッスマさんのフェスにて、『RWBY』コーナーに登壇させて頂きました。
まだ放送は五話目であるのに、すでに制作済みのフィギュアやグッズの多さには、度肝を抜かれましたよ。すごい。
ちなみに、トークの際、本編のネタで言いそびれたのが、「クライン」というキャラクター。
こちらのサイトに人物紹介がありますが、プロット制作時に「七重人格です」と設定を説明され、ものすごいことをするもんだな、と感心いたしましたよ。
七重って。『24人のビリー・ミリガン』の主要人格なみです。
これは、白雪姫の物語をモデルとしていることから、「七人の小人」を一人に凝縮したわけですね。
描写は大変ですが、それはそれで面白そうだと思ったものの、問題は、制作時、このクラインが具体的にどんな能力の持ち主か、原作本編では明かされていなかったということ。
そうなると、七重人格の説明も描写も困難で、かといってワイスが彼に無関心であるはずもなく、彼女の夢の中で登場しないわけにもいかない。
そんなわけで、今回の『氷雪帝国』ではあえて七人に分けて夢の中での役割を持たせ、かつセンブランス(特殊能力)は夢の中では禁じられている、ということに落ち着いた次第。
ちょっとした裏話でした。
MidJourney×冲方作品
すごいことをするといえば、こちら!
これまた度肝を抜かれました。
そして、さっそく冲方の作品タイトルで遊んでくれた方から、出来上がったものを頂きました!
『マルドゥック・スクランブル』です。
卵に全てが凝縮されております。これが一分で出てくるのはすごい。
こちらも『マルドゥック・スクランブル』。
どうにかして女の子と金色のネズミを出現させようとした結果、新たなファンタジー作品が誕生したようです。
いやはや、すごい。しっかり味わいがあります。
こちらは、単行本作業が真っ最中の『骨灰』。
怖い! 良い感じで不気味です。
面白すぎる刺激に感謝しつつ、今夏の錯綜する〆切を乗り越えたあかつきには、冲方もAIとたわむれてやろうと決心するのでした。
無課金で25枚まで作ってくれるとのこと。どうぞお試しあれ!
と思ったら、すでにたわむれている方が!
薔薇肉舶載さんからのジャーニーです。
意外なデザインが出現するところが、やはりAIならでは。
マクスウェルが一部、幕末志士みたいになっておりますな。
バロットのスーツ、これはこれで意外に面白いのでは。
ファフナーが60年代な感じになっております。レトロ感がむしろカッコイイと思いました。
コメント・トーク
すっかり日曜日のタイミングを逸してしまいましたが、クルーメイトのコメントを拝見して参りましょう!
森人さんからのコメントです!
夢の世界の描写は、不条理な理屈を用意できるところが面白いですね。
不条理に見えて実は、というのも夢ならでは。
「武器」と「二段ベッド」は、原作本編の序盤においても、ルビーとワイスの関係を語る、重要なキーワード。
そして今週は、ちょうど物語の折り返しとなる話数。ぜひお楽しみに。
夏月さんからのコメントです!
設問では、すでに「刑が確定している」状態ですので、この場合は刑とは別に、社会からの断絶を、どう解釈するか、情状酌量の余地はあるか、といった議論になるでしょう。
ちなみに。社会と断絶させることは、いつでもどんな国でも一般的な刑罰といえるかと思います。
江戸時代の「島流し」は、とりわけ思想面で影響力が強い学者や僧などを、社会から遠ざけ、影響を封じる目的で行われることもありました。
あるいは特定の開拓のため、社会から遠く離れた場所で、過酷な労働に従事させることもありますね。かつてのイギリスでは、オーストラリア開拓のため、あえて大した罪でもないのに追放させることもありました。
現代でも、かつての収容所のような過酷な労働や、思想の自由を奪うことは許されない反面、社会と断絶させることには変わりありません。
個人的にはそれが、犯罪者の更生という本来の課題にとって、大きな障害になっているという面も、もっと議論されるべきではないかと思っています。
再び森人さんからのコメントです!
独自の調査ありがとうございます。
その設問においては、いずれも社会との接触を断たれているわけですが、大きく異なるのは、意識があるかないか、という点ですね。
「意識もない状態では刑罰にならない」というのは、更生という点においては、ごく分かりやすい理屈だろうと思われます。
他方で、「刑罰は、誰かの溜飲を下げるために執行されるべきだ」というのは大変危険な考え方です。
権威主義国家では、不満を抱く国民の目を逸らす目的で、突如として誰かが犯罪者にされます。その誰かが本当に犯罪を犯したのかもわかりません。
また民衆が個人的な正義感で「溜飲を下げるため」に行動すると、あっという間にリンチや暴動のオンパレードになります。
インターネットが、個人的な正義感を抑制する機能に欠けていたため、アメリカは自ら分断を招いたと、いずれ歴史の教科書に書かれることでしょう。
エンタメも、人々の「溜飲を下げるため」、個人的な正義感を肯定しすぎたと反省すべき時代がきたと思います。個人の正義感に依存しないエンタメを、そろそろ誰もが、本気で考えねばならなくなることでしょう。
これについては長くなるので、いずれ創作塾noteで書きたいところ。
今日こそ明日から(とんかつ)さんからのコメントです!
「時盤」「時滑り」というのは素晴らしい造語ですね! 冲方も使いたくなりましたよ。
最近だと『アンブレラ・アカデミー』や『ロキ』なんかが「時滑りもの」と言えるでしょう。
「時間が」なのか「時間を」なのか、視点やキーワードを一新することで、斬新な作品づくりができることでしょう。
冲方もいよいよ時間ものを書きたくなって参りました。
再び夏月さんからのコメントです!
おっと、なんと、そうなのですか。
冲方のNetflixは、やたらゾンビとギャングと殺人鬼と悪霊ばかりお勧めしてくるので、誰も殺されない作品がちっとも出現しません。
暦が影響力を持つ時代といえば、ヨーロッパ近世も良いですね。
天体の動きを予測すべく、何百年もかけて何千人もが互いに面識も約束もないのに検証し合ってきた成果が結実する、というのが個人的に燃えます。
冲方もそうした一人になれたら毎日わくわくできるかも。
森人さんから久々の飯テロ!
ハンガリー料理! 本当に日本は、どんな国の料理でも食べられますね。
スープにパンをつけて食べたい! こんど自分でも作る・食べるの両方にトライしてみたいと思います。
あとがき
いつもコメントありがとうございます! おかげさまで思わぬ思索や視点の再発見のきっかけを頂いております。
そして今週はだいぶスケジュール調整に手間取り、火曜日のクルーメイトとなりました。
次の日曜日こそは、しっかり日曜日のクルーメイトでありたいと思いつつ、またぜひ投票して頂けるようなお題を用意できたらと思います。
ではでは。
世の波乱に煩わされず、つつがなく健やかな一週間をお送り下さい!
冲方丁でした。
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