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日曜日のクルーメイト #0044謹賀新年Happy new year 2022!!

あけましておめでとうございます!!
一日遅れの新年のご挨拶となりました。新年初の日曜日でございます。
みなさまは新年を晴れやかな気分で迎えることができましたでしょうか?

冲方は年末のうちにやるべきことを片付け、大晦日の夜を大変穏やかに執筆して過ごし、翌朝の元旦も平和な気分で目覚めて机に向かうことができました。
この時期、仕事の連絡がぱったりなくなるので気楽だというのもあるのですが、だいぶ世情の落ち着きを感じる年末年始だったように思います。

昨年は当初から不安が世に広がり、心穏やかでない気分でしたが、その後、多くの人々が対処し、課題を見出し、様々な問題を未知の状態からどうにか既知としてくれたおかげで、当面は地に足の着いた気持ちでいられそうです。

長い不安のときを経て、より健やかで安らかな一年になることを願い、今年最初の日曜日を、みなさまが健やかに過ごされることを祈念しております。

そんなわけで、今週も元気に参りましょう!

年賀状2022

今年の年賀状をデザインして頂きました!カッコいい!
関係各社にお送りしつつ、こうしてクルーメイトにもお届けさせていただきます。ご自由にダウンロードし、冲方から手渡しされた気分になっていただけましたら幸い。サインの一文字は「寅」です。

いつも前年の既刊の書影を並べていただいているのですが、虎の雄姿もあいまってカッコいいです。Tさん、ありがとうございます!

『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』発表!

昨年のファフナーイベント×2DAYSにて発表されました。
ファフナー初のスピンオフ、『BEHIND THE LINE』。
サブタイトルの意味は、「後方支援」や「銃後(戦後)」といったところ。
『BEYOND』(その向こう)に対する、「その裏側、内幕、かつての日々」といったニュアンスになります。

このサブタイトルを見ると、本編が完結したからこその企画なのだなと改めて感慨にふけってしまいます。十七年を経ての番外編です。
今後このスピンオフについて、どのように詳細が明らかになるのかわかりませんが、冲方も今から楽しみにしております。

さて。
二日連続のファフナーイベント、冲方もパシフィコで拝見し、笑って泣けて感動して燃えて慟哭して追悼して、と感情のスイッチをひととおり押されまくってきました。

過去に二度、パシフィコのイベントに参加させていただきましたが、別の会場からのリモート参加だったこともあり、会話がラグっていてですね。
一秒ほど声が届くのが遅れるため、舞台の方々のノリに合わせられなかったのが悔しかったわけですが、かえって舞台に無言で圧をかけるような構図となり、みなさまに楽しんでいただけた、と信じたいところ。

angelaのライブは、本当にものすごいエネルギーと笑いと涙の放出でした。自分がこんなことしたら、その場で力尽きて一週間くらい寝込むに違いないといつも思わされます。
おかげさまで素晴らしいエネルギーを享受させていただきました。
angelaの楽曲が、どれほどファフナーという物語に命を吹き込んだことか。本当にすごいことです。楽曲によるエネルギーが、物語に影響を与えたことは間違いありません。
これからも、ライブでファフナーソングを聴くことができるのは嬉しい限りです。

ファフナーイベント後の余談

さて。
帰りの電車で、ファンの方と遭遇し、お話したり握手したりしましたよ、ということを冲方サミット公式ツイートにてご紹介させていただきました。

ちなみにこのとき、石井真さんと一緒にいたんですね。
久々に石井さんとお会いしたこともあり、帰り道にあれこれお話していたため、ファンの方も気づいたのでしょう。
冲方は、その後のツイートでも記しましたが、基本的にどこだろうとファンとの対話はウェルカムです。
ただしそれは、裏方だからです。
ファフナーという作品に価値があり、自分自身はその埒外であるという考え方です。だから気楽に、作品についてファンと語れるわけです。

しかし役者さんは、その人自身が価値を帯びますので、冲方がウェルカムだからといって、たまたま一緒にいる方もそうだとは限らない、ということに、ぜひご留意ください。
これは、その方の性格がどうだとか気分だとかの問題ではなく、場合によっては、勝手なことをするなと事務所などから怒られてしまうからです。

他方で冲方は、長らく業界や会社の慣習を無視するやんちゃな若手とみなされ、今さら怖いものなく自由に振舞っている、という前提もあります。
そのため、ツイートではあたかも石井さんがいないかのように書かせていただきました。役者さんたちや関係者のみなが、たとえそうしたくとも、必ずしもウェルカムになれるわけではないということを、改めてお伝えしたい次第です。

ちなみに。
冲方にも、「ウェルカムじゃない相手」はいます。

まず、「ほかのファンを押しのけたり威嚇したり、なんとかして自分だけ享受しようとする」といった、周囲の迷惑になるタイプ。
こちらは、競争心が旺盛なのは感心しますが、速やかにご退場いただく場合もあります。

またさらに。
ネットの発達で激増したのが、「自分の感情や課題を、他人の存在を使って解消した気になることが、正しく、当たり前だと考える」タイプ。

物語とは、受け手が自分自身の中にある何かに気づくための装置です。
その何かに気づいたなら、もちろん、それはその人自身が抱くべきものであり、ひいては自分という個性を形作るものともなります。

にもかかわらず、自分の中にその何かがあることが、あたかも物語や物語を作った、すなわち刺激を与えた側の責任であるかのように主張するタイプの方がいます。

自分の欠点に気づいてしまったじゃないか、ひどい、とか、自分では処理できない感情をどうにかしてくれ、とか、せっかく感動してやったんだからもっと自分の相手をしてくれるべきだ、といった、親に甘える子どもと大差のない態度を示す人々です。

ともすると、粘着、ストーカー、執拗な誹謗中傷など、様々なトラブルを起こしかねない方々であり、一定数どこにでもいるとみなされ、業界ごとに対処のためのノウハウも積み重ねられています。

当然、そうした人々の親代わりになることはできません。また始末の悪いことに、たいてい当人が問題を解消したがっておらず、自分でもよくわかっていない何かを他人に押し付けたいだけですので、無限に泣き言や罵詈雑言を続けますし、そのくせ、こちらと向き合おうともしないのです。
とても対話が成り立ちませんし、これまた大変、周囲の迷惑となります。

他方、感情を刺激する仕組みばかり発達させ、冷静におのれを律する仕組みを、まったく不足した状態のまま放置してきた、メディアとネットの責任も重いといえます。

自身を律することができなくなるほど大量に摂取してはならない、という点では、「感情への刺激」も、実のところ砂糖やアルコール同様、気を付けねばならないものなのです。
今の世を見ると、いずれ、感情への刺激を低減させ、人々に理性を促すことが、最大のニーズになるのではと思えてなりません。
もし、そうしたニーズが、正当に取りざたされる日が来たならば、メディアの状況は一変することでしょう。

えー、長くなりましたが、そんなわけで。
自分の問題を、不可能なのに、他人に解決させたがるタイプ」に関しては、誰も巻き込まれないよう、事前に遠ざけるか、近づかせない工夫を繰り返すしかないと考えています。

ですが、ときにはメディアの要請に従うことで、そうした態度を人々に促してしまうこともあります。
ゴシップや過激なクリティシズムは、自分の問題を他人に投影し、決して解決できないものを、他人に解決させようとする心の働きを助長するものでもあります。
しかも、平気で「もっとやってください」と無責任に促す業界関係者が、相当数います。
あらゆる点で解決ができないという状況は、その話題がなんであれ、とことん長引かせ続けられるので美味しい、という利点を生むからです。

またそれだけ、「あなたは自分の中の何かに対処しなくていいし責任すら持たなくていい」というメッセージが、人の感情を強烈に刺激し、どうとでもその人を操作しうることも明らかとなりました。

一時期、それがこれからのメディアの主流だと主張する人たちがとんでもなく優勢となり、冲方も勢いに負け、そういうものなのかと思わされたこともありました。
ですが、結局、それが無責任な「分断」をもたらす最たるものとなりうることが明らかとなった今、決して加担したり巻き込まれたりしないよう、ますます気をつけねばならない世の中になったものだと思っております。

おっと、また話が横道にそれました。
えー、なんであれ。

冲方は握手をするとき、相手の目を見ます。
互いに目を合わせ、手を握り合うことで伝わる何かこそ、次の物語作りにつながる、価値ある何かであると思っております。

ここしばらく、感染対策上、大っぴらにイベントでみなさんと握手することができませんでした。
今後は、適切な対策のもと、もと通りみなさんと顔を合わせ、互いの手を握り合える日が訪れることを、願ってやみません。


余談といいつつ、ずいぶん長くなってしまいました。
個人的に、とても大事なことであり、新年早々、面倒な話題を出すのもどうかと思いはしつつも、あえていろいろとお話をさせていただきました。

えー、さてさて。
ここからは、新年初の、みなさまのコメントをご紹介して参ります!

コメント・トーク

では、さっそく参りましょう!

森人さんからのコメントです!
年末年始をまたいでのコメント、ありがとうございます。

ある家に拾われると、他家のことなど、まずわからなかった時代。
とりわけ世代間で常識が激変した時代でもあり、誰もが、現代よりずっと狭い視野でしか生きられなかったのかなあと思います。

個人的にはドロンした亡霊が、そのうちカムバックしてくれるんじゃないかと期待しつつの最終回でした。

続いてこちらも森人さんからのコメントです。

イタリア人がスペインで撮影した西部劇をマカロニと称するセンスが好きですね。イタリア人がどう思うかはわかりませんが。

ちょうど冲方も年末、『3時10分』のリメイクをネットフリックスで見ましたよ。
ひたすら渋い男たちの物語でした。『24』のジャックで有名なキーファー・サザーランドも言ってましたが、西部劇はもはや神話の世界に近いものがあり、同じ世界を共有する「同志感」には、いやに熱くさせられます。

黒井真さんからのコメントです!

そうなのです。クリスマスと言いつつ、実は、年末最後の記事でした。
去年の春から始めたこの企画も、気づけば二度の連載企画を経て、コンテンツを着々とため込んでおります。
また新しいことができるといいですねえ。

こちらこそ、いつもコメントありがとうございます。
黒井真さんも、ぜひ健やかで充実した一年をお送りできるようお祈りしております!

Kei.さんからのコメントです!

祝福であるとともに、ファンへの恩返しである、とのことでした。
ファフナーでは、いろいろと初めてのことで、どうなるのか未知数なのが個人的には楽しい。
いつも、ファンによって開かれた扉の向こう側を描くことに傾注してきましたが、今回は、元来た扉を戻ることになりそうです。

冲方も待ち遠しいですし、いったいいつの物語で、誰に会うことができるのか、想像が膨らみます。
ぜひお楽しみに!

新条拓那さんからのコメントです!

先年は、1月に実施されたアクティベイターの無料公開から、すべてが始まりました。
新連載へのチャレンジが始まる中、この記事の企画が立ち上がり、剣樹抄がドラマ化し、ファフナーが完結を迎えるなど、冲方にとっても実り多い、望外の2021年でした。

こちらこそ、コメントを拝見できるのを毎週楽しみにしております!
ぜひ今年も、よろしくご愛顧のほどお願い申し上げます。

あとがき

改めまして、謹賀新年おめでとうございます。

先年のぎすぎすした世の空気も、こうして新年を迎えたことで、もっと穏やかで居心地のよいものに変わってゆくのでしょうか。ぜひそうあってほしいものです。

自分は、今年こそ、四十不惑の境地に達せるや否や、と新年初日から自問しております。
なかなか得難いおのれを、ついに得るには、いかにすべきか。
一行一行、こつこつ書き綴りながら、そのすべを見出すときを、切々と待ち望むほかありません。

いっそう感性を高め、惑わずに執筆することを、今年の目標としつつ。
どうか、みなさまの一年が、ひとえに健やかで、そして充実したものであることを、心よりお祈り申し上げます。

新年最初の日曜日を、どうか、浮き浮き楽しくお過ごしください!
Wish You a Happy New Year!!
冲方丁でした。

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