網膜投影についての調査
はじめに
KSYさんで網膜投影光学ユニットが販売されていて気になったので,網膜投影技術について少し調べてみました.
KSYさんの網膜投影光学ユニットの販売リンクは↓です.2021/09/17時点で18,700円でした.
調査した文献は以下の論文です.
志水英二,網膜走査・投影方式ディスプレイ,映像情報メディア学会誌,Vol.65,No.6,pp.758-763(2011).
網膜投影
通常私たちが物体を見るときは,光が水晶体で収束して網膜上で像がつくられるのに対し,網膜投影(マックスウェル視)では,光を瞳孔の中心で収束させてから網膜上に投影します.そのため,網膜投影では水晶体の調整機能を使用していないそうです.
網膜投影のメリット
・従来の両目視差を利用した立体映像システムにおける輻輳と焦点調整の矛盾を解決できる
・水晶体の調整機能を利用していないため,水晶体乱視の方や水晶体を摘出した方でも見ることができる
網膜投影による危険性はなさそう
従来のディスプレイと比較して,レーザー光の瞳孔位置での出力はRBG合わせても数μWと微弱で,網膜上の照度は輝度600Cd/m^2のディスプレイと同等レベルの明るさであるため,網膜へレーザ光を直接照射しても問題のないレベルの照射量になるようです.
おわりに
今回は網膜投影技術について調査しました.輻輳と焦点調整の矛盾を解決できるのは,気持ち悪さ(VR酔い)の低減にもつながるのかもと期待です.直接網膜に投影するため,低視力者の支援にもつながりますし,危険性もないということでしたので,私も購入を検討したいです.論文が2011年と情報界隈的には古いものですので,最新の技術も調査していきたいと思います.