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呪術的AI描画術(MTG法)
AI描画、やってるかな?
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よくきたね、お望月さんだよ。
このところ毎日Craiyonに意味の分からないシチュエーションの作画を依頼しています。はじめは意味不明な肉塊を生み出していたんだけど、この頃めっきり作画が安定してきたので「MTG法」テクニックを紹介していこうと思うよ。
AI描画には呪術的な側面があり、中世暗黒時代は一部の呪詛士が詠唱を独占していたが、最近ではオープンソースが主流となり、流出した呪術は技術となり、やがて誰でも扱うことができるツールとなる。
試行回数は正義
今回扱うサイトは、話題のMidjourneyではなく、Craiyonとなる。高精細画像には向いていないが、Midjouneyと(ある程度)共通した「詠唱」を扱うことができ無料で試行回数を稼げるのが大きな利点だ。
AI描画を極めるのであれば試行回数を重ねてAI描画のクセや傾向を学ぶのがいちばんだ。人間がどのようにAIを使いこなすかが大切なんだね。
Midjouneyの有料プラン(回数制限あり)に鬼課金をする前に「あたり」をつけるために活用してみてほしい。
Midjouneyの技術的な思考錯誤、AIを棒で殴って最適解を吐き出させる手段に関しては、ダイハードテイルズのラジオが非常に参考になるので、有料課金をしてでも聞いてほしい。
MTG法 とは
AI作画と言えば「構図が安定しない」「顔が肉々しくて怖い」「ぐにゃぐにゃして気持ち悪い」という特徴を思い浮かべるだろう。この問題を大きく解消するのが「MTG法」と呼ばれる呪法である。
なぜかAIはマジックザギャザリングに詳しいので「MTGカードイラスト風にして」と指示すると構図や作画が安定するのだ。
この詠唱を行うことによってカードイラストのような堅実な構図バランスが手に入る。構図指示が不要になるため詠唱が簡素化され、AI側の誤解が減り、望み通りの出力に近づけることができるだろう。
また、背景色とキャラクターの描き分けができるようになる。好みの作風のイラストレーターを指定することで味付けの変更を行うといった独自のオプションが利用可能になる。いろいろと試してみよう。
追記:MTGの他にも「nendoroid」「Kinkeshi」と言った造形物のポージングや等身バランスが強固に定まっている詠唱を加えることで出力結果を固定化することができる。ぜひ試してみよう。
詠唱手順
AI描画の詠唱に「MTG CARD ILLUST」を追記する。
好み作風があれば「BY John Avon」等でイラストレーターを指定する。
付与推奨オプション「Portrate(上半身のみの描写)」「White, Blue, Red, Green, Black(カードの背景テーマカラー」「Basic Land(背景を描く場合に推奨」
作例
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※CARDのタイプミスでCAR としたら赤い車が生えた
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オススメのイラストレーター
明確に作画差が生まれる2名を紹介する。
John Avon
Magic: The Gatheringの基本地形のイラスト等で知られる。完全に作画が安定する。
Brom
様々なダークロールプレイングのカバーイラストで知られる。完全に作画が安定する。
追記 Midjouneyへの適用
Craiyonで検証した呪術詠唱をMidjourneyに適用させた例。具体的に「焦点」を結ぶ術式が作用しており、かなり高精度なイメージが浮かび上がった。
Craiyonでの詠唱訓練の効果が出ており、良い感じの灯台ヤドカリ(灯台島に対して繁殖行動を行うヤドカリ目)が出力されるようになった。 pic.twitter.com/yVsDFOfgIP
— お望月さん (@ubmzh) August 16, 2022
未来へ
AI作画呪法は難しい。しかし、この力「未知のシステムに的確に意図を伝える能力」は近い将来に逆噴射の名を冠した小説大会の力になるかもしれない。自作の挿絵にするも良いし、逆にAI描画から得たインスピレーションをぶつけるのも良いだろう。
またよろしくお願いしまーす!
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