カルマ調整の流れで『月下の夜想曲』と出会った。
なんか久々にアクションゲームがやりたいナ。そんな軽い気持ちで手に取ったゲームソフトだった。
その頃の私はそれほどゲームに入れ込む時期ではなく、プレステがあるのにSFCのRPGを繰り返し遊ぶような環境にあり、何か空気を換えるつもりでランダムで手に取った一本だった、と思う。
分厚いパッケージには耽美な青年剣士の絵姿、開けてみるとコミックブックレットや資料集、サントラCDまで収められていた。ややッこれは面妖な。このコンテンツへの入れ込み具合は一体???
それが『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』との出会いである。
親譲りのゲーム下手でアクションゲームに苦労している。
「悪魔城ドラキュラ」に「超魔界村」高難度アクションに次々と跳ね返された私にとって、本作はややトラウマを感じさせるゲームジャンルである。
直近でまともにクリアしたのは「スーパーメトロイド」くらい。あれだけは何周もプレイしたものだ。どちらかと言えば、RPGを好み文脈で可能な限り変なことをすることを好む。
それらの戦歴がガチリとハマった。
ラスボス戦から始まるオープニングのアクションシーン。
最強剣士が悪魔城へ走り込み巨大狼を一撃で屠っていく爽快なエントリー。
すべてを奪われなお立ち上がる主人公アルカードの美しさ。
随所のボイスでストーリーを盛り上げながらも飽きさせない探索し甲斐のある広大な城内、RPGライクな武器の収集と格闘コマンドの入り混じる魔法システム。
移動方法の獲得すなわち魔力を取り戻すということに直結しスピード感を増していく後半の展開。
お、おもしろい!!
なんだこれ、これおもしろい!!
なんかセーブポイントがメトロイドっぽいけどおもしろい!!
あ、このボス!メトロイドに出たやつじゃん!!
まさか……!?
実質的に『スーパーメトロイド』だコレ!!
私は後に「メトロイドヴァニア」として1ジャンルを築く作品が化学反応を起こす現場に居合わせていたらしい。実は発売後しばらく経っており評判が広まっていた作品だったのだが、私は普段からゲーム情報をまったく仕入れないので知らなかった。
やがて地図を200%を超えて埋め、真クリアまで達成し、色々とやりこみや変態プレイ(可能な限りバックスライドで移動するとか)をしてアクションゲーム自体に対する苦手意識がちょっぴり薄れたような気がした。
無垢な直観で作品を選びカルマを受け入れる。つまり「カルマ調整」に成功したってワケだ。やはりゲームは前情報やクロスレビューではなく、自らの手でつかんだものが一番面白いと思う。
ジャンルの原点として色あせないエバーグリーンの名作です。未プレイであれば、(プレイできる環境であれば)本当にオススメです。
#カルマ調整 #メトロイドヴァニア #月下の夜想曲 #プレステの思い出