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【初見感想】『ガンダム』履修IV 完結編(Z逆∀)

(これまでのあらすじ)
劇場版ガンダム三部作を履修した俺は予告通り『Zガンダム』『逆襲のシャア』『ガンダム THE ORIGIN』『∀ガンダム』を履修した。

この企画は、令和になるまでガンダムを全く知らなかった人物がシリーズを履修してどのような感想を持つか、どのように理解を深めていくかについてのドキュメンタリーです。なお、筆者(お望月さん)はコンテンツ実況は異常ですが作品に対する感想は真摯で真面目にやります。

前回:『ガンダム』履修III 補講編 #ガンダム40周年

『∀ガンダム』

ガンダム履修の後は、ガンダム史の中で最も後方に位置するとされる『∀ガンダム』を視聴した。ちょうどキッズステーションで連日放送をしていたタイミングだったのでリアルタイムに全話を視聴した形だ。

他シリーズのようにロードムービー的にならず「定点観測できる拠点」を中心としてストーリーがじっくりと描かれていく前半の展開は見事。ガンダムを家電として平和利用する姿はグッとくるものがあった。後半は急激な技術革新による地球と月面の抗争が急拡大していく。極限の概念兵器たる月光蝶の威力によりシリーズ総括にふさわしい内容となり、ラスト6分間は言葉を発することすら忘れ見入ってしまった。凄まじい作品であった。

「安心して眠ることができる、なんと幸福なことであろうか」

『逆襲のシャア』

シャアとアムロの物語の完結編となる。お互いを意識しながらくっついたり離れたりするシャアとアムロ。二人が友人となり責任も期待もかけられずに鳥貴族へ通うような関係になれればどれほどよかったことだろう。

ガンダムシリーズを追うにあたり、私はどうしてもシャアへ視線を送ってしまう。もっとも子供で理想主義者で甘えたがりで能力以上のことをしようとしてすぐに女性問題を起こして最善を求めて爆発させてしまう。

シャアを受け止められるのはアムロやブライトだけなのに、彼らは常に敵側にいる。「信頼できる敵」としか出会ってこなかったことがシャアの悲劇でありドラマ性なのだろう。

『ガンダム THE ORIGIN』

シャア視点でガンダム正史を振り返るアニメシリーズ。劇場版を再編集したものがNHKで放送された。元祖ガンダムでの人気キャラクター「ランバラル」を中心にハモンさん等の美女軍団が大活躍をする豊かな作品。後半では、ジオン陰謀論が強くフィーチャーされ清濁併せ飲まざるを得なかったシャアの苦悩や、武将としてのランバラル、ドズルに視点があたる。(終盤はややアリバイ工作の感じがして作劇的な面白味が薄く残念)

ふりかえってみると、ランバおじさんやドズルさんは「理解しやすい価値観」だから好きになってしまっただけで、彼らの思想が「正しい」ということは1ミリもないですね。だからと言って正しさを貫けば好かれるというわけでもない。人間の物語だ。

『Zガンダム』

劇場再編集版の三作品を一挙鑑賞。シャアが死ぬという驚愕の結末に心底驚いてしまった。第一作の猛スピード展開はややついていけなかったものの、初代ガンダムをなぞるような「アムロの貨物機玉砕」シーンはひやひやした。死んでしまうのではないか、本気で心配をした。第二作は無数の恋人たちが出現しては玉砕していく。カミーユは人の心がない外道なのではないだろうか。第三作は各勢力が入り乱れる大乱戦を描く。だいたいシャアの女癖のせい。劇場版の結末はTVシリーズ版と異なるらしく、肉体的への信仰が強く描写されている肉感的なエンディングとなっている。(ヒロインとのメイクラブで幕が閉じる)

物語や戦争の焦点はイデオロギーからかけ離れ、個人的な願望に基づく要素が強かったと思う。たった1人の意思が世間様にどれほどの迷惑をかけてしまうのか、これはZガンダムから約40年後の現代で更に色濃い問題となっているのではないだろうか。

シャアが死んだことで憎悪の輪廻から逃れられたことはよかったけれど、死後の世界から悪霊を呼び寄せるカミーユの能力が明らかになったので油断できない。後のシリーズでガンダム霊媒師やシャアの亡霊が出現する可能性がある。

未来へ

『ガンダムシリーズ』について一年間をかけて履修していきました。これにて完了します。

自ら感想や得たものをまとめると
★「シャアを見てるのがいちばんおもしろい」
★「戦争は愚か。居酒屋へいけ」
★「おもちさんはロボにあまり興味がない」
★「おもちさんは人の名前を覚える気がない」
というところでしょうか。

こうしてガンダム消化酵素を得たことで、世の中の9割がガンダムのことを話していることが理解できるようになりました。どんとこいガンダム!

おわりです。


続編記事ができました


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