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ribenseijin
『続・片腕必殺剣』(1969年の映画)
2月は走り3月は飛ぶ。とにかく忙しく世間の目は厳しく不要不急の行動が怒られる昨今ですがいかがお過ごしでしょうか。今日は『続・片腕必殺剣』の話をする。インタネットでくらい不要不急の話をしよう。
あらすじ
前作で武術を捨てたジミーさんは片腕必殺農夫として日々を過ごしていた。だが、覇王城に八人の怪奇剣士が入り込み既存の剣術道場を駆逐した事件が勃発し剣術道場主が全員が捕らえられてしまう。残るのは道場主の子息や師範代等の若輩者のみ。ジミーさんは助力をしようと腰を上げるが、時を同じくして若輩者軍団の過激派が妻を誘拐してジミーさんを脅迫しようと試みる。そこを襲撃する覇王城の怪奇剣士。ジミーさん、怪奇剣士、若輩者、過激派、四すくみの戦いが始まった!!
そんなわけで、始終シリアスな前作から一変、ライト武侠ノベル的な怪奇剣士を一人ずつぶっ倒していく作風に変化した「片腕必殺剣」です。
物語のキモとなるのはジミーさんの立ち位置。若輩者を助け導く姿は椿三十郎のようであり、ちょっと情けない若者たちが剣は腕で振るうものではなく心で振ることを知り成長していく姿を描くようなそんな気がします。(そんなに成長しなかった気がする)
一方、八人の怪奇剣士はそれぞれ個性的で「鎖鎌」「ハニトラ」「ガンブレード」「円月輪」「モグラたたき」「ハゲ」「トランポリン」「ちょっと伸びる」等で襲い掛かってきます。パッケージでもひときわ目を引く円月輪ツインチャクラムのビジュアルはすさまじく期待通り人を殺すし期待通りに反撃されて死ぬという大活躍を見せます。ハゲはお前はもう少し何とかしろ。
(なお、ジミーさんは前作でステータスがカンストしているので格が違う)
さて、本作の最終戦。ジミーさんがラスボスを切り伏せると覇王城から助け出した高名な武術師範達が戦闘能力を失ったラスボスを集団でボコり始めました。
「武術って汚いね」「人間って悲しいね」「武は死にますか」「教えてください」
武術家の愚かさを目の当たりにしたジミーさんは改めて武術界と決別し最強のまま妻と二人でその場を去っていきます。
投げ捨てられた勲章、去りゆく二人、ボコり続ける武術家、朽ち果てた死体、すべてを一画面に収めながら【劇終】となります。
帰宅フィニッシュ!
このビターなエンディングは良く生きることについて考えさせられるとともに、武の存在意義へのアイロニーですね。
前作のレビュー
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