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『ボヘミアンラプソディ』(2018年の映画)を観たよ

どうもお望月さんです。

映画『ボヘミアンラプソディ』を観ました。大傑作。
フィクションで歴史を再構築する「大河ドラマ」でした。エバーグリーンなサウンドは強力でQUEENに特別な思い入れがなくても震えるほどハートを打つ作品だと思います。

ボヘミアン・ラプソディ 購入版(字幕版)

やはり誰もが絶賛するのが、オープニングシーンとクライマックスで二度描写されるウェンブリースタジアムへ登壇するフレディの背中ですね。二度目に見たときには完全に意味合いが変わっている。孤高の天才ではなく家族の後押しに支えられているということが明確に示される場面ですね。

そこからのライブシーンには、これまでのドラマが重なり歌詞の一字一句に意味を読み取りむせび泣きます。これは「観客が勝手に意味を読み取る」というのが重要で、作中では「ボヘミアン・ラプソディ」制作秘話でも語られています。

前半の創作シーンは、どこまで本当でどこからが創作なのかはわかりませんが、フレディのスタンドマイクが木の幹に刺さってしまい、それを強引に引き抜いたことでタメが生まれて無明逆流れ的にステッキマイクに辿り着くというのは凄かったですね。まるで民明書房だ。

物語の要所に挟み込まれる名曲誕生エピソードが素晴らしく「オウガバトル」を鎮めるために「地獄へ道連れ」のベースラインを奏でるのはほとんど神話でしたし、テープが擦り切れるまで重ね撮りするオペラパートは笑うしかなかった。ほぼ民明書房でしたね。

終盤の孤独のあまり周囲をYESマンのみで囲んでしまい雨に打たれてむせび泣くフレディのシーンはいたたまれなかったですね。殴り合ってこそ家族、されど加減を知るのが家族(コーヒーマシンは投げない)。ボヘミアンラプソディのシングルカットを反対したマンに至っては敵対者だけど真っ当な批判をぶつけることができる正しい人間だったし「雇い主だろうが殴るぞ」マンも正しい。

このシーンについては後述します。

難点を挙げるとすれば、大河ドラマゆえ歴史上の力学を人間が背負うことになっている部分ですね。人間の悪い部分(業:カルマ)を一人の人間に背負わせ過ぎているのでは?という点が若干不満です。(とはいえ、大河ドラマなので仕方がない)

エンドロールもまた素晴らしかった。実際の映像は強い。

私はクイーン現役世代ではないので後追いでCDを聴いていたのですが、いやー音楽って本当に良いものですね。サントラも聴きましょう。

この作品は、歴史上の人物をモデルにしたフィクションで大河ドラマです。もしかしたらこの映画自体も製作者側の勘違いかもしれない。そうだとしても揺り動かされた感情はREALでありボヘ泣きです。ボヘ泣きしましょう。


後述

はい、本題です。
自分を見失い家族と離別した雨の中でむせび泣くフレディ。そこで流れる楽曲は「アンダープレッシャー」。

「頼みもしないのにプレッシャーで崩壊していく」

この状況にぴったりな歌詞もさることながら、我々は「アンダープレッシャー」が効果的に使用されていた映画を知っている!!

そう『ビッグショットダディ』です。

この映画はあんまりな事故死をした息子の遺書を代筆したら全米で感動の大ヒット。死後に神童ともてはやされた息子に代わりフッテージ日記の代筆を続けざるを得なくなるというブラックコメディです。

ラストシーンで巨大になり過ぎた虚像のプレッシャーと「お前のことを何も知らない好意的なイエスマンたち」に囲まれることに耐えかねたおじさんが真相を明らかにするシーンに流れ出す楽曲が「アンダープレッシャー」です。

「頼みもしないのにプレッシャーで崩壊していく」

ロビン・ウィリアムズが全ての虚飾を脱ぎ捨てて全裸中年男性と化して校舎を駆け抜けるのが印象的な作品ですが、この楽曲一発だけでいきなり5億点入ります。

ラストシーンでいきなり5億点加算する映画はやめろ。

この楽曲があのシーンで流れる意味について、おれは勝手にポイントを加算する。

あの数分間の涙雨のシーンを100分に感じることができたので

ボヘミアンラプソディは5億+4.5点だ。わかったか。

以上です。




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お望月さん
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